菅原出「戦争詐欺師」感想。
ドキュメンタリー。2009年07月02日読了。

戦争詐欺師
菅原出 / 講談社 2009/04 ¥1,890 (税込)

◆タイトルから想像していた内容は、戦争をネタに様々な詐欺を働く輩の実態を暴いた本なのかと思っていたが、まったく違った。

◆本書は買ったときに考えてた内容とは異なり、アメリカによるイラク戦争を分析した本である。

◆イラクから政治亡命したアフマド・チャラビ イラク国民会議議長(実は自己の権力拡大にしか興味のないエセ政治家)が、如何にして、好戦的なネオコン(=ネオコンサバティブ=新保守主義)であるチェイニー副大統領、国防総省のラムズフェルド長官・ウォルフォウィッツ副長官に取り入り、アメリカ政府を好戦的な国に仕立て上げていったのか、その政治的プロセスと、

リアリスト(=現実主義)と呼ばれるパウエル国務長官やCIAとの暗闘、

そしてネオコンが負け、リアリストが、つまりはオバマが政権を取るようになったのかを、克明に描き出している。

◆本書の著者、菅原出は「外注される戦争」7点/10点満点を書いた、戦争を冷静に分析できる優れたライターである。

◆本書は、アーミテージ国務省副長官(パウエルの部下)とのインタビューを筆頭に、ブッシュ政権に於けるキーマン数人とインタビューし、その他アフガン戦争やイラク戦争などに関する膨大な書籍にしながら本書を記した。巻末に記載されている参考文書の一覧は14ページにも及び、そのリストは資料的価値も高い。

◆日本のマスメディアが如何に役立たずなのかを、如実に示す良書であると思う。


8点/10点満点


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藤原章生「翻弄者」感想。
ルポ。2009年06月22日読了。

翻弄者<br />
藤原章生 / 集英社 2009/04 ¥1,600 (税込)

◆概要(紀伊国屋Bookwebより)
14歳のときから、十数年間もフセインの宮殿に軟禁されていたという予言者。
薬物依存症の娼婦に思いを寄せ、併走するかのように、その世界に堕ちていく男。
キューバ革命の陰で、表現の自由を奪われ、追憶だけで命をつなぐ詩人。
時代に翻弄され、不条理に疲れ、それでも拠りどころを手探りする人間たち。


◆第1章は、イラクのフセイン大統領の下で、予言者として雇われていた(実質的には幽閉されていた)男の独白。第2章は、恋い焦がれる娼婦が麻薬におぼれていくのを、恋い焦がれるあまり一緒になって麻薬を吸い、麻薬を買う金まで出してしまうケープタウンのタクシードラ-バーの話。第3章は、キューバの同性愛作家、レイナルド・アレナスの友人である同性愛詩人デルフィン・プラッツが語る故郷の風景に関しての話。

◆著者藤原章生は、デビュー作「絵はがきになった少年」7点/10点満点で、第3回開高健ノンフィクション賞を受賞した、新進気鋭のノンフィクションライター。本書「翻弄者」のレビューが雑誌に載っていて、新刊が出たのだと思い期待して買った。

◆掲載されている3つの話があまりにも趣が異なる話であり、これを一冊にまとめる必要があったのか疑問に感じる。個人的に面白かったのは第2章のケープタウンのタクシードライバーの話で、これをふくらませて1冊の本に仕上げた方が良かったんじゃないかと思う。


5点/10点満点


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船戸与一「夜来香(イエライシャン)海峡」感想。
冒険小説。2009年06月17日読了。

夜来香(イエライシャン)海峡<br />
船戸与一 / 講談社 2009/05 ¥1,890 (税込)

◆あらすじ(紀伊国屋BookWebより)
花嫁斡旋業・国際友好促進協会の蔵田雄介が中国旧満州の黒龍江省から仕入れ、山形の寒村に嫁がせた輸入花嫁・青鈴。
日本の暴力団から中国の黒社会への資金二億円を持って遁走した。
蔵田はやくざに脅され、花嫁を捜し北へ北へと向かう。
怪死事件が相次ぎロシア・マフィアも蠢く闇の世界に引きずり込まれる蔵田。
女は津軽海峡を渡り日本最北端の稚内へ逃げる―疲弊した地方に繰り広げられる、夢を追う花嫁と蒼然と死にゆく男たちの哀愁のバイオレンス。

◆バイオレンスに縁のない普通の男が、すさまじいまでのバイオレンス沙汰に巻き込まれてしまいました。後味の悪さも含めて、いつもの船戸節。

◆主人公は、中国の農村から日本の農家へ花嫁を斡旋するNPO法人の代表。NPO法人だから建前上は利益を求めない集団であり、日本の農家にヨメを斡旋するという事業は、公益的に思える部分もあるけれども、要するに人身売買なわけで、ブラック商売なのである。

◆主人公は、ヨメの斡旋が人身売買である実態に引け目を感じていることから、ヤクザに付け入れられバイオレンスに巻き込まれていくのだが、巻き込まれ方がいつもの船戸にしては甘いなあ、と感ずるのである。組の名前を出して脅しをかけるなんて、今時のヤクザはそういうことはやらなくなったと思うのだが。

◆二日で読み終えたので、面白いっちゃ面白い。船戸与一は大好きな作家だから読み続けているけど、いつも似たような展開だし、救いのない終わり方だし、さすがに飽きてきた。


6点/10点満点


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坂本達「やった。」感想。
自転車旅行記。2009年06月15日読了。

やった。 ― 4年3ケ月の有給休暇で「自転車世界一周」をした男
坂本達 / 幻冬舎 2006/04 ¥559 (税込)

◆自転車で4年3ヶ月の世界一周をした旅行記。著者はミキハウスに勤めていて、旅行期間中は有給休暇扱いだったため、ビジネス系のテレビや雑誌でも取り上げられた。

◆普通の旅行記、作家の旅行記、バックパッカー旅行記、アホ旅行記、哲学的旅行記など旅行記は好きでいろいろ読んでいる。読み過ぎているくらい読んでいる。自転車で世界一周をした旅行記は、石田ゆうすけの著作、「行かずに死ねるか」「いちばん危険なトイレといちばんの星空」「洗面器でヤギご飯」を読んでいる。

◆本書は、自転車で世界一周をしたということ以外、たいした内容ではない。自転車旅行ならではの辛さが伝わってこない。世界一周旅行記として読んでも、まあ、普通の内容。要するに、イマイチ。


4点/10点満点


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里見清一「偽善の医療」感想。
エッセイ。2009年06月10日読了。

偽善の医療
里見清一 / 新潮社 2009/03 ¥735 (税込)

◆本書は、現役の肺癌治療内科医である著者が、医療に関する問題点を列挙した本である。しかし、あえて言う。本書は、医者が医療に関して書いたエッセイである。


◆本書の概要(紀伊国屋Bookwebより)
「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。
医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。
「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。
毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。


◆このテーマの本は、小松秀樹という医師が書いた「医療の限界」3点/10点満点および「医療崩壊」8点/10点満点という2冊と、アメリカ製薬業界は広告まみれで金まみれの実態を暴いたマーシャ・エンジェル「ビッグ・ファーマ」8点/10点満点を読んでいる(記憶に残っている本のみ列挙)。数冊の書籍から得ている知識ではあるが、今の日本の医療の問題は医師不足などではない。産科医や小児科医の不足は、医師を増やしたって解決できない。使命感溢れる医師がいたところで、訴訟リスクから逃れられるわけではない。急患を受け入れて治療の甲斐無く患者が死んでしまったら、医療ミスではないかと訴えられる。世の中間違っているよなあ。

◆そういう考えを持っている人には、納得いく話が多数載っている。

◆とはいえ、本書は医学をテーマにした新書というより、冒頭に記したように、医者が書いたエッセイと捉えるべきだろう。


8点/10点満点


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石破茂×小川和久「日本の戦争と平和」感想。
国防論対談。2009年06月09日読了。

日本の戦争と平和
石破茂/小川和久 / ビジネス社 2009/06 ¥1,890 (税込)

◆日テレの「太田総理」をよく見ている。かの番組に出演している政治家は、なぜああも太田光と番組視聴者(受けする提言)に阿るのだろうか。政治家なんだから、自らの思想を言葉に出して説明するのが仕事だろうに、太田光と言い合いになったら勝てないと最初から諦めているような輩ばかりである。太田光は頭が回るし、20年もテレビの仕事をしているから、大衆(マス)の心をくすぐる術をよく知っている。かの番組で太田光が提案するマニフェストは、それこそ大衆受けするマニフェストばかりであり、中長期的視野に欠けるものが多い。だからこそ、かの番組に出演する政治家は、太田光や番組視聴者に阿ることなく、太田の意見が間違っていると思うならその理由を短くかつ易しい言葉で伝えなくてはならない。言い換えれば、太田光ごときを凹ませることが出来ない程度の言葉しか持たない政治家が多すぎる。
 かの番組を見て、太田光が一目置いているのは唯一、石破茂のように思える。平沢勝栄や鴨下一郎は、太田光より年齢もかなり上であるし、まともなことも言うのでそれなりの扱いであるが、でもしょっちゅう太田に反撃を食らっている。残りの政治家は、原口一博を筆頭に、太田にいいように操られているだけだ。(あと適当なことしか言わず日本を破滅に導きそうなミスリードばかり言いまくるエセ経済評論家の森永卓郎は、1年以内にぜひテレビの画面から消え去ってくれ)


◆というわけで、太田光に言い勝つ唯一の政治家石破茂と、私的10点満点をつけた「日本の戦争力」の著者小川和久の対談集を読んだのである。

◆本書帯「太田光の推薦文」
保守の立場にいながら、
国、防衛省、自衛隊、政治家、の現状を、
これほど、喜劇的に語られるお二人の
ココロザシを、
私はコメディアンとして、
とても信頼する。
……石破サン。
がんばってネ。

◆石破茂のまえがきの抜粋
小川氏は、私が敬愛する軍事アナリストである。現場を踏まえた豊富な知識や洞察力、一貫した姿勢など超一流である。私が議員になった頃は、自主防衛論よりで歴史認識も「自虐史観反対」の立場だった。だが、彼の著書に出合い変わった。彼の論説は決して難解ではないが、奥が深く簡単には読み飛ばせない。この対談は私の思考を再整理した過程の記録でもあり、賢明な読者の理解を早めるのに役立つだろう。


◆本書は、小川和久と石破茂の対談を元に、小川和久が補筆し書かれた本である。

◆憲法の問題、憲法改正とまともに向き合おうとしない政治家・マスコミ・国民の問題、田母神論文は間違っており間違った思想を持った人物が自衛隊の頂点に立っている問題、1機100億円もする戦闘機を買って運用していながら戦闘機はシェルターに格納されているわけではなく出撃前に攻撃されたら終わりという木を見て森を見ずな自衛隊の問題、国連至上主義というどう考えても誤っている政策をぶち上げて政権奪取を狙っている小沢一郎の問題など、300ページを超える本書には、この国が抱える問題がぎっしりと詰まっている。

◆本書で指摘されている数々の問題点は、国民として深く考えなければならない問題である。大多数の政治家が避けている問題を、それも左翼筋が大嫌いな内容を、正面からぶつけてくる石破茂という政治家の誠実さと真剣さに、政治家のあるべき姿が見える。


8点/10点満点

<アップ後、深夜にちょっと改訂>


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寺谷ひろみ「暗殺国家ロシア」感想。
事実列挙記。2009年06月03日読了。

暗殺国家ロシア ― リトヴィネンコ毒殺とプ-チンの野望
寺谷弘壬 / 学習研究社 2007/06 ¥787 (税込)

◆誰がリトヴィネンコを殺したのか! ネットに出ている事実(主に英語)を拾い集め、リトヴィネンコ暗殺と、暗殺国家ロシアの真実に迫る!

というような感じの本だけど、トンデモ本と紙一重。著者が青山学院大学名誉教授でなかったら、トンデモ本と決めつけていた。本書では「寺谷ひろみ」と名前をひらがな表記しているが、これで検索しても本書が出てこない。書籍データベースには「寺谷弘壬」で登録されており、漢字の著者名で検索すると著作が多数あり。何のためにこの本だけひらがな表記にしたんだろう? ひらがな表記だったので女性だと思っていたが、字面は男性っぽい。どうでもいいことだけど。

◆リトヴィネンコはKGBに在籍していたロシア秘密工作員で、プーチン弾圧政権に嫌気がさして、KGB時代の秘密を暴露してイギリスに亡命し、(たぶん)プーチン政権に毒殺されたライター・ジャーナリスト。

本書の第1章はまあまあ良い。リトヴィネンコの死の床の描写から始まり、暗殺の毒として使われた放射性物質ポロニウムの解説、遡ってリトヴィネンコのバックボーンの説明。

しかし、第2章、第3章で「おや?」となり、第4章以降は読むのが苦痛になってくる。

◆第4章以降は、リトヴィネンコを軸として、リトヴィネンコ以外にどれだけ大勢がプーチンに弾圧され、殺されてきたのか列挙されているのだが、もうこれがただ単に列挙しているだけのダダ書きで、


もういいや、こんな本。


2点/10点満点


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石平×三橋貴明「中国経済がダメになる理由」感想。
ビジネス書。2009年06月03日読了。

中国経済がダメになる理由―サブプライム後の日中関係を読む
石平/三橋貴明 / PHP研究所 2009/05 ¥1,260 (税込)

◆まあ、タイトル通りの内容が書かれた本。三橋貴明は「トンデモ!韓国経済入門」「本当はヤバイ!韓国経済」などのビジネス書を書いている2ch出身の作家で、石平は北京大学を卒業し日本に留学し、現在は日本で活動する1962年生まれの評論家(らしい)。

◆第1章と第2章は両者の対談。第3章と第5章は三橋貴明、第4章と第6章は石平が執筆担当。
第1章 なぜ、中国経済が衰退するのか
第2章 メディアは事実を正しく伝えているのか
第3章 成長限界点に達した中国経済
第4章 絶体絶命の中国経済と爆発寸前の中国社会
第5章 日本マスメディアの黄昏
第6章 ネットと市場経済がつくり出す革命の新時代

◆雇用統計など公表されている経済指標(数字)を元に、理詰めで持論を展開していく三橋貴明のビジネス書は、説得力があり好感が持てる。ただ、2ch出身の三橋貴明は、ネットの意見を世論と思い込む節があり、本書でもネットの論調を是とするような内容がいくつか見受けられた。ネットを全く見ない人(年寄りやお馬鹿ちゃーん)は必ずしもネットの論調と一致しないんだけど、と思いつつも、まあこれが三橋貴明の味だからいいか、とも思うのである。

◆対談部分と執筆部分で話がかなり重なっており、「これさっき読んだよ」と感じることしばしば。それと、本書のタイトルである中国経済とは直接的に関係ない毎日新聞叩きに多くのページ数を割いているのだが、予備知識なしで読んだら唐突感がある。毎日新聞を筆頭に、日本のマスコミは親中・反日で、中国に関する報道は信用しない方がよいという警告的な内容なのだが、やっぱり本書の主題とはかけ離れているのである。おもしろおかしく読めたからいいんですけどね。

◆最後に。新書で1260円は値段が高い。819円(税抜き780円)程度にしていただきたいのである。


5点/10点満点


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細野真宏「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?」感想。
マスコミってバカだね本。2009年06月02日読了。

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?
細野真宏 / 扶桑社 2009/03 ¥735 (税込)

◆じっくり読んでも2時間くらいで読み終えてしまう、ライトな年金(と経済の)解説書。

◆年金未納者が増えても、未納者は年金を貰えないから、年金財源に影響はない。まあちょっと考えたら、そりゃそうだなというようなことが多々書かれている。

◆お手軽に読むべき本なので、あまり詳しくは紹介しない。良くできている本だと思うけど、やや出来過ぎの感もあり、一度読んだだけだと内容を覚えた気になってしまうだけで、実際はそれほど身についていなかったりするかも。何度か読み返し、内容を空で言えるくらいに覚えたら、飲み屋で披露するうんちくネタとして使える。ような気がする。


6点/10点満点


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田中真知「孤独な鳥はやさしくうたう」感想。
紀行エッセイ。2009年06月01日読了。

孤独な鳥はやさしくうたう
田中真知 / 旅行人 2008/07 ¥1,680 (税込)

◆旅行人という雑誌を出版している旅行人という出版社がある(要は雑誌名と出版社名が同じなのである)。主催者兼編集発行人はバックパッカー紀行モノで有名な蔵前仁一氏で、私が旅行人(という雑誌)を定期購読しはじめた頃、月刊誌ではなくなり季刊誌になっていた。今の旅行人(という雑誌)は、編集発行人である蔵前仁一氏が年とって編集作業が辛くなってきたから、年2回出版される雑誌になっている。

◆本書「孤独な鳥はやさしくうたう」は、雑誌旅行人に定期的にコラムを載っけている田中真知氏の、1990年頃からの旅の記録をまとめた本である。著者の田中真知という名前は、字面で判断し女性だと思っていたが、本書を読んで男性だと知った。ううむ。

◆1990年頃の私は、何となく就職した会社も3年目を迎え、仕事が面白くなりだし、朝も昼も夜も仕事に打ち込んでいた。旅に行こうなんて思ったこともなかった。その頃、私と同世代の著者はザイール川を渡っていた。数年前から旅に取り憑かれてしまった私は、若い頃に旅の魅力に気づいていれば良かったなあ、とつくづく思う。

◆著者の書く文章が少し哲学的で、「深夜特急」っぽく感じる部分もあるが、良くできた佳作である。


6点/10点満点


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なんか変。

過去30日の当ブログ、アクセス者数と訪問者数。
 アクセス数: 3,050
 訪問者数: 1,986

その内訳、第1位。
 2008年9月・週末海外で台湾(6)
 アクセス数:554
 訪問者数:160

たいした話が書いてあるわけでもないのに、なぜこの記事ばかり読まれるんだろう?
どこぞの人気あるブログで取り上げられたのかなあ。謎だ。

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曽野綾子「貧困の僻地」感想。
エッセイ。2009年05月28日読了。

貧困の僻地
曽野綾子 / 新潮社 2009/05 ¥1,470 (税込)

◆曽野綾子大先生の本は、高校生くらいの時に「太郎物語」を読んだのが最初だったように記憶している。今となっては読んだという記憶があるだけで、「太郎物語」内容はまったく覚えていないけど、曽野綾子大先生は素晴らしい作家なのだなあ、との印象が残っている。以降も時たま曽野綾子大先生の著作を読んでいる。

◆小説と同じくらい大量のエッセイを書かれている曽野綾子大先生の最新エッセイ集である。アフリカの貧困地にに何度も足を運ぶクリスチャンの曽野綾子大先生ならではのエッセイかと思っていたが、タイトルに偽りがあり、「貧困の僻地」というタイトルをつけるほど貧困について書かれているわけではない。ちょっとがっかり。


5点/10点満点


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崎山克彦「何もなくて豊かな島」感想。
移住記。2009年05月25日読了。

何もなくて豊かな島―南海の小島カオハガンに暮らす
崎山克彦 / 新潮社 1998/11 ¥499 (税込)

◆離婚し定年を迎えた著者の元に、ひょんなことからフィリピンのセブ島に近いところに位置するカオハガン島を買わないかという話が来て、多少のトラブルはあったけどその島を買ってしまって、そして移住してしたら、何もない島だけど天国のように居心地のいい島だった。という移住記。
カオハガン島のgoogleMap
http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&ll=10.202801,124.019723&spn=0.02247,0.027294&t=h&z=15

◆本書が出版されたのは1995年で、移住したのは1991年となっている。カオハガン島には住民が300人くらい住んでいて、島の8割の土地を著者は購入した。土地の購入に伴って、住民を追い出すこともできたらしいが、著者は追い出さずに一緒に暮らすことを選択した。住民は貧しく、教育もあまり受けることができない。著者は突然やってきた異国の地主。著者は、昔ながらの地主のようなイメージで接するのではなく、島の住民と仲良くやっていこうとする。でもそのために頑張るわけでもなく、四苦八苦するわけでもなく、緩やかに生活しながら、自然に住民に受け入れて貰えるように、ゆっくりゆったりと過ごしていく。

◆今で言うところのスローライフ実践教科書、のような感じの本である。

◆本人がよければこういう生き方もありですね、と思うけどそれ以上の感想は無し。


4点/10点満点


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素樹文生「クミコハウス」感想。
フォトエッセイ。2009年05月20日読了。

クミコハウス
素樹文生 / 新潮社 2003/08 ¥660 (税込)

前作「上海の西、デリーの東」の続きのようなエッセイで、前作よりきわどい話が多い。
しかし、普通のバックパッカー危ない旅行記、みたいな内容になってしまっている。
文章が上手いから、普通のバックパッカーモノよりは面白く読めたけど、まあその程度。


5点/10点満点


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アクセスカウンター5万突破に感謝。

栗本薫夭折(と言っていいだろう)の報があり、5月27日一気にアクセス数が増え、トップに設置している忍者Toolsアクセスカウンターが5万を突破しました。
お読み下さっている皆様に感謝です。

2005年12月15日 ブログ始める
2006年11月23日 アクセス1万突破(344日)
2007年10月09日 アクセス2万突破(321日)
2008年06月21日 アクセス3万突破(255日)
2009年01月19日 アクセス4万突破(212日)
2009年05月28日 アクセス5万突破(129日)

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素樹文生「上海の西、デリーの東」感想。
紀行文。2009年05月19日読了。

上海の西、デリーの東
素樹文生 / 新潮社 1999/01 ¥700 (税込)

著者29歳のとき、会社を辞めて旅に出た。中国、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポール、ミャンマー、インド。本書はその旅の思い出を記した紀行文。

バックパッカーが書いた紀行モノにありがちな、旅先で仲間ができてハッピーとか、ひどい目にあった体験話とか、旅を通して自分を再発見とかそういうありきたりな話が綴られているにもかかわらず、ありきたりな印象を受けない。なんだろう、これは。著者の認(したた)める文章がそこいらの本職文筆家より上手く、また著者の考え方に嫌みが少なく(これは私がそう感じただけかも知れない)、読んでいる最中も読み終わったあとも心地よい。

あなたのお薦めの紀行モノは何ですか?と問われたら、「深夜特急」や「印度放浪」や蔵前仁一モノや高野秀行モノよりも、本書を薦める。うん、今まで読んできた紀行モノの中で一番よかった。数年経つとこの感想は変わっているかも知れないけど、とりあえず現時点では一番だ。


9点/10点満点


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金子貴一「秘境添乗員」感想。
エッセイ。2009年05月13日読了。

秘境添乗員

非常につまらない。つまらない理由を記すのは時間の無駄なので省く。本書の購入を検討されている方は、10ページから29ページまで立ち読みされてから購入するか否かを決めることをお薦めする。

2点/10点満点




以下をamazonに投稿した。売れない本はamazon検閲が激しいので、掲載されないかも知れない。当ブログでこの本がつまらない理由をぐだぐだ書くつもりはなかったが、amazon検閲されそうな予感がするので、載っけることにする。

非常につまらない本だった。

タイトルだけで買ってしまったのだが、タイトルから想像される内容とは異なり、本書は旅モノではなく単なるエッセイだった。

それも自伝エッセイで、知りたくもない著者の青春時代の話やら家族の話が満載である。

旅に関する苦労話や仰天話、爆笑エピソードや冷や汗エピソードはわずかしか無く、例えば第1章「秘境ツアーへようこそ」の「アルジェリアは治安部隊がエスコート」を要約すると、
・アルジェ空港に到着するのに30時間かかった(4行)
・秘境に行きたがる客の分析(1ページ弱)
・アルジェリアと首都アルジェの概説(1ページくらい)
・イスラーム教国アルジェリアとフランスの関わり(1ページ強)
・時折ヒョウまで混じる大雨の中、一気に450km南下した(6行)
・昼食に出たクスクスの解説と、旅先での料理について(1ページ強)
・世界遺産「ムザブの谷」に着いた。礼拝堂に行った(1ページくらい)
・イスラーム教イバード派と、井戸の解説(1ページ弱)
・国家治安部隊の検問に引っかかった(5行)
・国家治安部隊の解説と、検問する理由の説明(1ページくらい)
・アルジェリアの旧市街は危険だよという一般論(1ページくらい)
・アルジェリアにはなぜローマ帝国の遺跡が多いのか、ローマ帝国の歴史を解説(4ページ)

旅のおもしろ話を期待していると、肩すかしどころか、無防備な状態でグーパンチされるくらいつまらない。


更にいえば、本書の後半は自伝的な話が多くなるが、一番最後のエピソードは著者の母親の介護の話である。

タイトルに偽りあり。

旅モノを期待してこれだけ期待はずれとは。


本書は、買う前に20ページくらい立ち読みしてから買うかどうかを決定されることを、強く勧める。

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たかのてるこ「ガンジス河でバタフライ」感想。
旅行記。2009年05月12日読了。

ガンジス河でバタフライ
たかのてるこ / 幻冬舎 2002/03 ¥680 (税込)

◆たまにしか海外に出かけない普通の日本人ならこの本を読み、一人旅もなかなか魅力的だなとか、インド人のパワーは凄いなあなどの感想を持つのだろうけど、私は他の紀行モノを読み過ぎてしまったためか、この本でしか知り得ることが出来ないほどの凄い出来事があるわけでもなく、バックパッカー一人旅のエピソードも他の人が書いたバックパッカーモノと大差なく感じてしまった。

◆バックパッカーの紀行モノは、なぜこうもドミトリー(大部屋の相部屋)に泊まって、出会ったばかりの見知らぬ他人と仲良くなって、友情っていいなあという締めくくりになってしまうのだろう。


3点/10点満点

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櫻井寛「鉄道世界遺産」感想。
鉄っちゃん本。2009年05月08日読了。

鉄道世界遺産
桜井寛 / 角川書店 (角川グル-プパブリッ) 2008/11 ¥879 (税込)

◆世界遺産になっている鉄道と、世界遺産に匹敵すると著者が考えている鉄道を、写真付きで紹介する鉄っちゃんが喜ぶような内容の本。と書いたけど、普通の人が読んでもまったく問題ない内容です。本書によると、鉄道そのものが世界遺産になっているのは、
・オーストリア セメリング鉄道
・インド インドの山岳鉄道群
・ハンガリー ブダペスト地下鉄M1号線
・インド  ムンバイ・チヤトラパティ・シヴァージー・ターミナス
・スイス  レーティッシュ鉄道 アルブラ:ベルニナ線
の5カ所なのだそうだ。

◆鉄道写真家が紹介する、世界の素晴らしい鉄道。私は乗り鉄で、台湾旅行に行った際も好きこのんで自分で切符を買って在来線にのったくらいなので、この本に紹介されている鉄道、中でも壮大なパノラマが広がるアルプスの鉄道(主にスイス)や、インドのダージリン鉄道はぜひとも乗ってみたいと思うのです。

◆ただ紹介する量が多く、一個一個の掘り下げが薄っぺらくなってしまっているのは、書籍の総ページ数との兼ね合いでしょうがないのだろうけど、ちょっと勿体ない。世界の鉄道の入門書という位置付けなのかな。


5点/10点満点

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今年は10点満点が多い

「ぼくと1ルピーの神さま」で今年4冊目の10点満点をつけた。

ここ数年を振り返ると、
2005年・2冊 (ルポ「戦争広告代理店」、ルポ「カラシニコフ」)
2006年・2冊 (ノンフィクション「日本の戦争力」、小説「東京タワー」)
2007年・2冊 (ルポ「子どもたちのアフリカ」、ルポ「神の棄てた裸体」)
2008年・2冊 (ルポ「アフリカ 苦悩する大陸」、ルポ「少女売買」)

と毎年2冊しか10点満点をつけていない。
けど今年は既に4冊。

自分の評価基準を変えたつもりはないので、今年は当たり年なのだろう。

(昔と比べ評価基準を変えていないつもりでも、読書を積み重ねる自分自身の知識量が増えるにつれ、昔なら10点満点付けたであろう作品でも10点付けることは少なくなっていくはずである(小説はちょっと異なるが)。だから、少なくともルポ物に関していえば、年々10点満点を付ける作品は減っていくはずなのだが、そうならず今年は例年よりも満点が多い。やはり当たり年なのだろう)

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ヴィカス・スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」感想。
ミステリ系なのか?2009年05月07日読了。

ぼくと1ルピーの神様
ヴィカス・スワラップ/子安亜弥 / ランダムハウス講談社 2009/02 ¥840 (税込)

◆あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
クイズ番組でみごと全問正解し、史上最高額の賞金を勝ちとった少年ラム。
警察は、孤児で教養のない少年が難問に答えられるはずがないと、不正の容疑で逮捕する。
しかし奇蹟には理由があった―殺人、強奪、幼児虐待…インドの貧しい生活のなかで、少年が死と隣あわせで目にしてきたもの。
それは、偶然にもクイズの答えであり、他に選びようのなかった、たった一つの人生の答えだった。
話題の映画『スラムドッグ$ミリオネア』原作、待望の文庫化。


◆アカデミー作品賞を取った映画「スラムドッグ・ミリオネア」の原作小説。インド人で、在南アフリカ・インド大使館に勤める外交官ヴィカス・スワラップの作家デビュー作。原著はまずイギリスで出版されたとあるので、英語で書かれたのだろう。

◆構成が見事。この物語の舞台となるクイズ・ミリオネアは、主人公の貧しい少年ラム・ムハンマド・トーマスの過酷な人生を浮かび上がらせるための添え物で、映画(まだ見てないけど)では重要かも知れないが、この小説においてはそれほど重要ではない。

◆あまりにも偶然に偶然が重なってしまう展開に白けてしまう、インド貧困層の描き方が嘘くさく感じてしまう、18歳の主人公がこれほど過酷な人生を歩むなんて考えられない、などの理由で受け付けられない人も多いのではないかと思うが、、、

◆私は文句なしに面白く読めた。

◆今まで読んできたドキュメンタリーやルポ、バックパッカー旅行記などで知り得たインドと、この小説で書かれているインド貧困層は違和感が無く、インドならあり得る話だよなあ、と思えるのだった。

◆海外翻訳物は、原著がどれだけ絶賛されていても、翻訳者に小説を書く能力が足りないと、まったく面白くないものになってしまう。だが本書は翻訳もよかった。ストーリーがよく構成もよく翻訳もよい。久々にとても面白い翻訳物を読み、堪能した。万人に薦められる本ではないが、当ブログに書いている私の感想に多少なりとも共感を抱いてくれている方なら、たぶん、はまる。


10点/10点満点


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山崎朋子「サンダカン八番娼館 (新装版)」感想。
からゆきさんルポ。2009年05月01日読了。

サンダカン八番娼館 (新装版)
山崎朋子 / 文藝春秋 2008/01 ¥749 (税込)

◆幕末から明治を経て第一次世界大戦が終了する大正中期までのあいだ、北はシベリア、南は東南アジア、インド、アフリカにまで出かけていって、外国人相手に売春をしていた<からゆきさん>という海外売春婦が大勢いた。彼女たちは自ら好きこのんで売春をしたわけではなく、多くは女衒に「もっと稼げる場所に連れて行ってあげるよ」と騙され、付いていったら船倉に押し込められ、海外に連れて行かれ知らぬ間に借金まみれになっていて売春をする羽目になったという。もちろん、自分の意志で<からゆきさん>になった人もいるのだろうが。

◆著者は、今でいうストーカーに顔を切りつけられ、新劇女優になることを諦めざる得なくなったと書かれている。その後選んだ道が、底辺女性史の研究であった。本書は、その研究テーマに基づき、<からゆきさん>を多数輩出している天草地方に取材に行くところから始まる。

◆天草で偶然出会ったサキさんというおばあさん。話をするうち、サキさんが<からゆきさん>だった可能性が高い。偶然の出会いを元に、百足が住み着くほど腐った畳を取り替えることができない極貧生活をするサキさんの家に泊まりこみ、サキさんとの会話から<からゆきさん>の一端をひもといていく。

◆本書が「サンダカン」となっているのは、サキさんが働いていた地が、マレーシア、ボルネオ島のサンダカンだったからだ。


◆本書は出版年次が昨年であったので、比較的新しい本なのかと思って読んだが、読み進むにつれ、日本人の性道徳感や村社会ぶりがやや古くさく感じ、奥付を見ると原書は1975年に出版された「サンダカン八番娼館」と1977年に出版された「サンダカンの墓」の新装合本であることがわかった。

◆日本は豊かな国だと思う。しかし、100年前までは貧しい国だったのだ。その如実な例が本書に出てくる<からゆきさん>だろう。

◆本書には衝撃を受けた。後世まで絶版になることなく、大勢の人々に読んでもらいたい本だ。


10点/10点満点


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谷口正次「次に不足するのは銅だ」感想。
資源減少警鐘本。2009年04月28日読了。

次に不足するのは銅だ―メタル資源の限界
谷口正次 / アスキ-・メディアワ-クス (角川グル-プパブリッ) 2008/12 ¥789 (税込)

◆概要(紀伊国屋Bookwebより)
問題は、レアメタルではない!「産業の血管」である銅さえも、あきらかに生産のピークを迎えた。
あらゆるメタルを爆食し世界中の鉱山を買い占める中国と、超大型合併で寡占が進む資源メジャーが死闘を繰り広げるなか、日本はどのようにして「ものづくり」を続ければいいのか?新しい資源ナショナリズムと資源獲得競争を生き抜く道を探る。


◆以前「レアメタルパニック」という本の感想を書いた。この種の本がかなり好きで、石油を含めたエネルギーの奪い合いが起こると予測する「エネルギー争奪戦争」、水の取り合いが始まる「ウォーター・ビジネス」「ウォーターマネー」「水戦争」なども読んでいる。今回読んだのは、レアメタルや石油や水などではなく、銅など普通の金属がだんだんと手に入らなくなってくるというもの。

◆本書で指摘されている警鐘内容は、かなりの説得力を持って展開しており、また鉱物資源の採掘に関する基礎の基礎的な知識も得ることができ、アスキーから出た本とは思えない優れた内容であった。

◆タイトルが示すとおりの内容が丁寧に書かれており、そういう意味では読者の期待を裏切ることはない。さいきんは読者の期待を裏切るような中身のない本が多い中、この手のテーマに興味を持っている人は買って損のない一冊と言える。


8点/10点満点


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西水美恵子「国をつくるという仕事」感想。
正しい国際政治論。2009年04月22日読了。

国をつくるという仕事
西水美恵子 / 英治出版 2009/04 ¥1,890 (税込)

◆非常に素晴らしい。

◆世界銀行、南アジア地域副総裁の地位にあった著者が、貸し付け相手である国家=つまり各国のリーダーと渡り合った結果、優れた国家を導くのは、優れた指導者(政治家だけにあらず)であるということを痛感し、真のリーダーとは如何なるものかを説く、そういう本である。

◆政治家が私欲に走っている国は、必然的に民衆にしわ寄せが行き、国家としてダメになっていく。世界銀行の貸し付けは、金額が巨大なだけに、その審査には慎重を要する。政治家が私欲のために金を使うのか、国家構築のために使うのか。貧しい国々とはいえ、一国の首相や大統領と対等に渡り合い、大勢の国家指導者を見つめ、その結果よくなる国とよくならない国があり、よくならない国の多くは、政治と政治家に根源があると説く。

◆一例としてここに書くと、イスラム世界初の女性首相、パキスタンのブットー。本書の著者は、ブットー首相のことをマリー・アントワネットと言い放ち、民衆を見ず私利私欲に走る金まみれの政治家と扱き下ろす。暗殺されたあと後継者に息子を選ぶあたり、ブットー一族の私欲は尽きることがないと嘆く。

◆とにかく、素晴らしい本だ。


10点/10点満点


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齢四十二にして、日焼けとは火傷なのだということを身に滲みて知る

◆前振り

2006年9月、bianchi(というメーカー)のPRONTOという自転車を買った。4~5万の自転車を買うつもりだったのに、店先で見た瞬間に気に入ってしまい、118,230円も払って買った。2006年10月1日、納車(店に取りに行った)。

2006年10月9日、暖かかったのでタンクトップ一丁で、私の住んでいる柏から土浦まで往復。73Km走る。肩が日焼けして凄まじく痛かった。

2006年10月22日、週末サイクリングで交通事故。救急搬送され、単なる打撲と診断。痛みが全然ひかないので違う病院に行ったら、肋骨骨折とヒジの捻挫で、恢復まで3ヶ月以上かかった。自転車もけっこう壊れてしまったので、25,000円もするブレーキ兼ギアチェンジレバーに取り替える(当然保険で)。


◆2009年のゴールデンウィーク

昨年のGWは会社が民事再生を出してしまったため出勤だった。今年は暦通りの休みなので、どこかに行ここうかな、と4月30日になってから考え出した。

やっぱチャリンコしかないよな、ということでルートを考える。宿代がもったいないから、今まで日帰りサイクリングしかしていなかったけど、関東の近場なら宿くらいあるだろうと安易に考え、2泊3日のサイクリングを計画する。柏→水戸→犬吠埼→柏。

※宿代がもったいないというケチな根性もあるが、ひとりで温泉旅館に泊まると篦棒に高いのですよ。で、結局ビジネスホテルのシングルに泊まることになるのだが、そうすると旅情が味わえないのです。


◆柏から水戸まで

5月3日、AM6:00に起きるも、前日それほど飲んだわけではないのに、かなりの頭痛。もう一回寝る。13:00起床。体調回復。今から水戸に行くと到着が夕方過ぎるので観光できないなあ、と思いつつも曇り空だからそれほど疲れないだろうと考え出発。国道6号を通りたくなかったので、柏から成田線の布佐を経由して利根町、竜ヶ崎、牛久、土浦。ここで道に迷って携帯のナビ機能を使いルート検索すると、6号までの脱出ルートが簡単にわかった。思っていた以上に使えたけど、車用だからすぐ大きい国道に出ようとするのは使えない(大きい国道はのんびりサイクリングが出来ないから厭)。

105km走って、20:30水戸駅前に到着。楽天トラベルで空室確認した駅前のビジネスホテルに泊まる。
さっそくフロに入るが、体が熱い。しかし部屋は寒い。ホテル全館冷房に切り替えました、と張り紙されている。
膝が猛烈に痛い。50kmを越えるサイクリング自体が久々だし、3桁(km)走ったのは初めてなので、痛むのは当たり前か。明日も走るし早く寝るか、と22:30には布団に入る。しかし、体中が熱く寝付けない。掛け布団をとると寒くて震え寝付けない。これの繰り返しでまったく眠れない。常用している睡眠薬を持ってこなかったのも失敗だった。

結局一睡もできなかった。


◆計画変更、何の観光もしないで帰宅

5月4日、一睡もできないくらい体が疲れ切っているのでは、これ以上のサイクリングは無謀。計画中断、観光無しで帰ることにする。6:30朝食、6:50チェックアウト、即帰宅の途につく。しかし、帰宅するにも100km自転車をこぎ続けなければならないんだよなあ。けっこう絶望気分を感じつつも、ペダルをこぎ出す。昨日と同じく、曇り空。しかもこの日はかなり強い向かい風。普段なら時速20~25kmのスピードが出る勢いでペダルをこいでいるのに、15~18kmしか出ない。ルートを考えるのが面倒なので、6号に出て、ひたすらまっすぐ走る。

疲れているんだから余計なことしなけりゃいいのに、まったく観光しないというのも味気ないと思い、というより6号をただひたすら走るのに嫌気がさし、霞ヶ浦の先っちょを見に行く(JR高浜駅の近く)。

12:00過ぎたあたりから、急に晴れてきた。

96km走って、15:00ようやく自宅に到着。

帰路に買ってきたビールを片手に、びっしょりと汗まみれの顔をタオルで拭く。すると、すりむけたように痛い。慌てて鏡で顔を見ると、今までに見たことがないくらい自分の顔が日に焼けて真っ黒になっている。特におでこがひどい。

晴れ間を走ったのは3時間くらいだというのに。

しかも一睡もできなかったのに、ビールを飲んでもまだ眠れない。疲れ過ぎたのか。夕方、無理して日焼け治療薬と湿布を買いに行く。


◆そして

5月7日、GWが終わり出勤。社内のLAN工事で、ケーブル引き回しを4時間くらいやっていたら、体中から汗が出てきた。

しかし、おでこからは一滴も汗が出ていない。普段は汗かくとおでこもテカテカになるというのに。

トイレの鏡でよく顔を見ると、おでこの日焼け痕の皮が中途半端に剥け始めている。見た目、火傷のときの治りかけみたいな感じ。

そうだったのか、日焼けが過ぎると火傷と同じような症状になり、火傷痕のように汗が出なくなるんだな。齢四十二にして、はじめて身に滲みたよ。日焼けが軽度の火傷ということは、知識としては知っている。しかし、実体験としてここまでひどい日焼けをしたことがないわたしは、日焼け痕が火傷のようにひどくなるとは思ってもいなかった。程度の軽いケロイドみたいな状態だよ、顔が。治るのかなあ、これ。


更にいえば、絶対にハゲが進行した。当たり前だが毎日出勤前に髪の毛を整える。数日前まで見慣れていた自分の顔と比べて、生え際が数ミリ後退した。記憶にある自分の顔と比べているので確証はないけど、いやでも絶対にハゲが進行した。

ああ……


おわり。(2009年5月7日深夜記す)

※2009年5月8日昼休み誤記訂正および追記。

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高野秀行「メモリークエスト」感想。
使命遂行型旅行記。2009年04月20日読了。

メモリークエスト
高野秀行 / 幻冬舎 2009/04 ¥1,470 (税込)

幻冬舎のWeb上で一般読者から募集された様々な思い出。美しい思い出もあれば、むかつく思い出もある。思い出のその後を調べるため、高野秀行が世界各地に赴くのであった……

・タイの田舎村で大人を仕切る「スーパー小学生」のその後。
・タイの不良警官に絡まれて困っているところを助けてくれたミャンマー人のその後。
・セーシェル諸島で世界各国の春画を集めているインド人商人のその後。
・露骨に嫌な顔をした南アフリカの現地ガイドのその後。
・アメリカで知り合ったセルビア人留学生のその後。

この5つのミッションをこなすため、高野秀行はまずはタイに出かけるのである。

◆Web読者からのどうでもいいような依頼内容をまじめにこなす高野秀行。実に高野秀行っぽくて、読む前は期待大であったが、単に私の好き嫌いが理由なのだが、いつもの高野本より楽しめなかった。

◆いつもの高野秀行は、「どうして彼はこんな馬鹿馬鹿しいことにまじめに取り組むのだろう」と思えるような内容、例えばビルマに住んでアヘンを栽培するとか、インドに怪魚を探しに行くとか、そういうことを高野秀行自身は馬鹿馬鹿しいと思わず、純粋に自分自身が知りたいからやるのであり、端から見ると馬鹿馬鹿しいようなことでも、高野本人の真剣さに引きずり込まれてしまうのが、いつもの高野本の醍醐味だと思うのだ。

◆しかし本書は、基本的には高野本人が探したいと思っていることではないので、そこいらがイマイチ私の琴線に触れなかった。本書の第4章は、ネタバレになるから詳しくは書かないけど、上記のような理由も相まって、本書の中で一番面白かった。


5点/10点満点


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石井光太「絶対貧困」感想。
世界の貧困ルポ。2009年04月13日読了。

絶対貧困―世界最貧民の目線<br />
石井光太 / 光文社 2009/03 ¥1,575 (税込)

◆世界各国の大都市のスラムに行き、(どういう方法で実現しているのかはよくわからないが)スラムに暮らし、暮らすことで住民と仲良くなり、そしてスラムに住む人たち同じ食べ物を食べることで、1ドル以下で暮らす人々=絶対的貧困層をルポしている石井光太の最新作。

◆本書は中高生を対象としていると思われ、全編を通し著者が中高生に語りかけるような口調(文体)になっている。それが良いか悪いかは読者の受け止め方次第なのだと思うが、私は嫌いだ。著者の狙いもあるだろうから否定はしないけど。

◆デビュー作「物乞う仏陀」、2作目の前著「神の棄てた裸体」を読んでいると、同じような話が繰り返される部分もあるが、著者が今までに取材をしたスラムという存在の集大成であり、とても良くまとまっている。本書で初めて石井光太を読んだ人には、かなりショッキングな内容が含まれているだろう。
例えば、

インドでは乞食が商売として成り立っており、より見窄らしい乞食が金を得ることができる。それは子供であり、障害を持った子供ならうんと稼げる。だから、乞食を商売にしている連中は、インドの田舎から子供を誘拐してきて腕を切り落とし、または目玉をつぶし、乞食をさせる。

スラムに暮らす人々だって性欲はある。そういう連中を相手にする売春婦だっている。好きで売春婦をやっているのではなく、スラムで生まれ育ち、学校に行くこともなく従ってなんの知識もなく、他に稼げる手段がないから売春婦をやっている。スラムの連中以外を相手にすれば、(売春とはいえ)スラムにいるより金を稼げるはずなのに、スラムの連中以外と接したことがないから、スラムの連中相手の安い売春婦になる。

◆本書を読むと、日本のマスコミが騒いでいるワーキングプアなどたいした話ではない。というか、日本という国はなんと恵まれた国なのかと思う。


7点/10点満点


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ゴールドカード

来年実施しようと考えている世界一周旅行のために、ゴールドカードを作った。
JAL・MASTERのゴールドカード。年会費15750円。
高いっちゃ高いが、まあこんなもんだろう。
世界一周するためには会社を辞めなきゃならん。
今のうちに作れるカードは作っておかないと。

ただ、面倒なことにJALカードとMASTERカードの請求が別々に来るらしい。今メインで使っているオリコJCBは、オリコとJCB、どっちを使っても請求はオリコに一本化されているんだけどなあ。JALから請求一本化できんのかね。こういうことやっているからJALカードは身売り話ばかりなのだ。

世界同時不況じゃなきゃ、AMEXのゴールド作っていたんだけどなあ。

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酒井ひかり「海外とほほ旅行」感想。
爆笑旅行記。2009年04月10日読了。

海外とほほ旅行
酒井ひかり / 彩図社 2009/04 ¥1,365 (税込)

◆彩図社から出たバックパッカー体験談本。というだけで内容を推察することができる人は多いでしょう。ただこの本は著者が女性で、かなりきわどい体験をいっぱいしているのに、他人から指摘されるまできわどい体験であることをそれほど認識していなかったという点で、同様の他著より遙かに面白い。ちなみに、shizaさんという3年4ヶ月世界一周バックパック旅行をした方のメルマガで推奨されていたので買いました。

◆例えば、オーストラリアのメルボルンの中心街を歩いていて、ラテン系の男に声を掛けられ喋っていると、いきなり抱きしめられてディープキスされて道端に連れて行かれて押し倒されて胸をわしづかみにされているのに、通行人は見て見ぬふりで誰も助けてくれないから(豪はなんちゅう国だ)、ラテン系の男をグーパンチで鼻血を吹き出させ、警察に突き出す。というような出来事を「文化の違い」という外国人の言い訳には気をつけましょう、と締めくくる。

◆エチオピアに住む少数民族で、皿を唇に入れるムルシ族のところを訪ねたら、「フォト、2ブル(現地通貨のことで約24円)、フォト、2ブル」と恐ろしいほどの勢いで現地人が群がってきてすっかり観光民族になっているじゃないか! とか。(これはケニアでマサイ族の村を訪ねたときに似たような体験をしたのでよくわかる)

◆というようなエピソードが満載。下ネタに寄り気味ではあるが、バックパッカーの異国仰天体験談としてよくまとまっております。

◆これで500円くらいの値段だったら9点差し上げるところであるが、昨今それほど高い値段ではないが1365円という値付けはちょっと半端かも知れない。


7点/10点満点


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佐藤賢一「小説フランス革命III 聖者の戦い」感想。
歴史小説。2009年04月07日読了。

聖者の戦い―小説フランス革命〈3〉
佐藤賢一 / 集英社 2009/03 ¥1,575 (税込)

◆大雑把に言うと、フランス革命とは既得権益を守りたい貴族議員、聖職者議員と、打ち壊したい市民議員、市民の対立で、聖職者の権益に議会の追求が始まり、聖職者の権謀術数が始まる、というような第3巻。元々フランス革命に関しては中学生ほどの知識しか持ち合わせていないので、へえなるほど、と思いながら読んでいます。この本を読んでいると、今の日本の政治はこの頃(フランス革命)のフランスより劣っているのでは?と思えて仕方がない。とはいえ隣の芝生は青く見えてしまうものだが。

◆帯に今後の続刊予定が書かれていて、毎年9月と3月に新刊が発刊されるとのこと。全巻完結は2012年の9月。健忘症気味の私には、そんな先までストーリーを覚えていられる自信がない。まあいいや。


7点/10点満点


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カシオの方位計測機能付き腕時計……その後

先日書いたカシオのPRO-TREKという腕時計の話の続き。
PRW-1500というモデルが方位計・気圧計・高度計・20気圧防水など優れものの機能を持つモデル。バンドの部分の素材とかいくつか種類がある中、機能が同じで最も安かったのがPRW-1500J-1JFという型番の物。カカクコム最安値29,750円、amazonでもヨドバシでもビックでも33,000円。

ヤフオクで検索したらいくつか出品されている。まあだいたい30,000円弱がスタート価格。

そんな中、1円スタートしているオークションストアがあったので入札してみたら、
24,150円(税抜き落札価格23,000円)で落札してしまった。
送料とクレジット決済手数料を含めると26,000円弱。

欲しいなあと思っていたからいいんですけどね。
カカクコム最安値より5,000円以上も安く落札できるとは思ってなくて、
要するに予定外の買い物になってしまって、うーん、困った。

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小島剛一「トルコのもう一つの顔」感想。
トルコ圧政の実体験。2009年03月31日読了。

トルコのもう一つの顔
小島剛一 / 中央公論新社 1991/02 ¥777 (税込)

◆内容(紀伊国屋Bookwebより)
言語学者である著者はトルコ共和国を1970年に訪れて以来、その地の人々と諸言語の魅力にとりつかれ、十数年にわたり一年の半分をトルコでの野外調査に費す日日が続いた。
調査中に見舞われた災難に、進んで救いの手をさしのべ、言葉や歌を教えてくれた村人たち。
辺境にあって歳月を越えてひそやかに生き続ける「言葉」とその守り手への愛をこめて綴る、とかく情報不足になりがちなトルコという国での得がたい体験の記録である。
1 トルコ人ほど親切な人たちも珍しい
2 トルコのもう一つの顔
3 言語と民族の「るつぼ」
5 デルスィム地方
5 Y氏との旅
6 「トルコに移住しませんか」
7 トルコ政府の「許可」を得て

◆本書は、辺境ライター高野秀行のブログ「ムベンベ」で、高野秀行が褒めていたので読んでみることにした。

◆1970年代、トルコはトルコ語以外、自国に他言語があることを認めず、トルコ人優遇の強硬な政治姿勢を採っていた(今もなのだろうか?)。フランスに留学し民俗学で修士号を取っている著者は、博士号をトルコ語学にしようと決め、トルコにバックパック旅行をした。本書はその旅行記でもあるが、クルド人に対し圧政を敷くトルコの現実を分析した政治学的な本でもあり、トルコ語だけでならず、クルド語やらザザ語やらクルマンチュ語やら、トルコ国内で実際に使われている、トルコ語以外の言葉の話が無数に出てくる言語学の本とも言える。

◆クルド語とザザ語は起源が異なるまったく違う言語であるのに、トルコ政府は同じクルド語とひとまとめに扱い、
クルド語で喋っていると反政府クルド人ゲリラにされてしまう。しかし、クルド語とザザ語はお互いが通じない言語なので、クルド語の人とザザ語の人の共通言語はトルコ語である。というような話は、バックパッカーならではの身軽な旅のついでに、トルコ政府が立ち入りを許可していない地域にまで行って調べた結果わかったことである。

◆軽妙なバックパッカーの話と、強硬なトルコ政府の話と、世にもマイナーな言語学の話がうまくミックスされていて、とてもためになる本である。

◆本書の著者小島剛一氏はこの本しか上梓していない。この著者の著作をもっと読んでみたいのだが、出版されていないのはとても残念だ。


9点/10点満点


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園田茂人「不平等国家 中国」感想。
中国調査報告。2009年03月26日読了。

不平等国家 中国―自己否定した社会主義のゆくえ
園田茂人 / 中央公論新社 2008/05 ¥777 (税込)

天津、上海、重慶、広州の4都市の住民にアンケートを採り、中国の国民意識がどのように変化してきたのかを、アンケートという事実から導き出そうとした本。

中国は昔から女性の社会進出が進んでいるとか、農民工が増えてきているが農民工の子息は学校には入れないとか、学歴が無くて苦労した親は子供に高学歴を望み、学費には金を惜しまないとか、そういう分析結果が多数載っているので、興味深く読めた。

しかし、調査報告書のような書き方は、面白く書けるネタをつまらなく書いているという印象を受け、何だかもったいないなあという感じ。


4点/10点満点


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ノートパソコンのWindows再インストールが思いの外うまくいかない(備忘録)


・不具合が頻発するのでDellサポートに電話したら、Windowsを再インストールしてから出直してこい、との回答。

・自宅の書類入れをひっくり返し、Dellから購入したときに送ってきたシステム構成一覧や、マニュアル、再インストールCD、ドライバCDなどを探し出す。

・データをバックアップするため、外付けHDDを買ってくる。(7,800円)
・ついでにメモりも買い、512M×2→1G×2に変更する。(2,000円)

・デジカメで撮った3,000枚くらいの写真データをバックアップする。コピーするだけで3時間以上かかったような。
・白地図ソフトでで作った地図データをバックアップする。2時間くらいかかったような。
・Walkmanで聞いている音楽データを、SonyのソフトSonicStageを使ってバックアップする。2時間くらいかかったような。
・エクセルファイルやワードファイルをバックアップする。
・ATOKの辞書ファイルをバックアップする。
・IEのブックマークとcookieをエクスポートする。
・ウィルスバスターのシリアル番号をメモる。
・無線中継ステーションのパスワード13桁がわからなくなったので、192.168.1.3に入って再設定。
・ついでにルーターとして使っているNTTの光モデム192.168.1.1に入り、IDとパスワード確認。
・コントロールパネルから無線のTCP/IP設定を確認。IPアドレス自動取得だった。
・MSOfficeのシリアルナンバー書かれた紙とCDを探す。
・ATOKのシリアルナンバーが書かれた紙を探す。
・PhotoShopElementsのシリアルナンバーが書かれた箱とCDを探す。
・canon純正のデジカメ現像ソフトDigital Photo Proffesionalや、EOS UtilityのCDを捜す。
・ウィルスバスターのCDが見つからない(ダウンロードで購入したんだった…)
・フォントのCDを探す。
・Beckyのメール設定を紙に書き写す。
・Beckyのライセンス許諾コードを紙に書き写す。

・さあ準備はこのくらいでいいだろう、レッツ再インストール。ほぼ問題なく終了。
・次はデバイスドライバの再インストール。
・Dell Resources_CDという添付CDを使うと、デバイスドライバが一覧となって出てくる。マニュアルに従うと、チェックマークの付いたデバイスドライバを次々にインストールすれば終了。のはずだったが、ビデオドライバをインストールし再起動すると、何かのファイルの初期化エラーが出る。何度再起動かけても出てくる。

・Windowsの再インストールからやり直してみる。
・また同じ現象が出る。

・Dellサポートに電話したら、Dell Resources_CDにはいくつかバージョンがあります。ってマニュアルに書いてねえよ。

・さらにデバイスドライバはインストールする順番が決まっているんです、との回答。これもマニュアルに書いてねえよ。

・それでは、インストールする順番が書かれた文書が、DellサポートWebサイトに掲載されていますので、今からURLをお知らせします。って、今Windows再インストールしている最中だからネットにつながらねえよ。

・Dellサポート無言。何も答えが返ってこない。

・Dellのサポートは、電話がつながりやすいという点では大変よろしいのだが、回答がスカポンタンな点は誠にいただけない。無償サポートならともかく、私は年間10,000円ほど払っている有償サポート。なんだかねえ。

・翌日会社でドライバのインストールする順番が書かれた文書を入手し、帰宅後トライする。何とか無事ドライバのインストール終了までたどり着いた。しかしこれからアプリのインストールやら何やら蟹やらやらねばならない。実に面倒だ。

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SNAP!別冊「トイデジLOVERS!」感想。
デジカメムック。2009年03月20日読了。

トイデジLovers!
インフォレスト 2009/03 ¥1,470 (税込)

◆普段はデジカメ一眼でバシャバシャ写真を撮っているけど、トイカメラもけっこう好き。2006年にケニアに行ったとき、4色分解撮影できるカメラを持っていった。ただ、ケニアの大自然みたいな景色の綺麗なところでは、トイカメラの良さはまったく発揮しなかったけど。

◆最近はフィルを使うトイカメラは廃れて来つつあるらしい。まあフィルムがだんだん生産されなくなってきて、手に入らないかつ値段が高くなってきているから、当たり前だけど。そのかわり、トイデジタルカメラ略してトイデジというのが流行ってきているとか。昔買った子供向けの30万画素のデジカメとか、今使えばトイデジっぽく写るのかも。
こんど試してみよう。

◆本書の内容はトイデジブロガーの写真が多数掲載されているのでトイデジ(で撮ること)の魅力もわかり、トイデジテクニックも載ってるし、いま買えるいろんな機種が紹介されている。トイデジに興味があるなら入門書として文句なし。ただこの手の趣味本の宿命として、興味がないならどうでもいい本。しかしこの本、字が小さくて読むのが厳しい。というか、この本の文字が読めないほど急激に老眼が進行してしると思うと悲しくなってくる。


5点/10点満点


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カシオの方位計測機能付き腕時計

ここ数年、年に2~3回トレッキングに出かける。

かなり前の話だが、トレッキングをするのにデジタル高度計を買った。カタログハウスの通信販売で、9800円くらい。これがかなり使い物にならなくて、電池がすぐになくなるし、2~3回使ったら故障した。修理に出したけど、直っていない。それきり使わなくなってしまった。

雑誌の広告かネットの記事か元が何かは忘れてしまったけど、カシオの腕時計でPRO-TREKシリーズというトレッカー向けの高級デジタル時計が出ているという話が出ていた。つい最近、ふとそのことを思い出し、カシオのWebサイトを調べると、機能別商品検索ページが見つかり、

このような時計が見つかった。

・方位計測
・高度計測
・温度計測
・ソーラー充電
・20気圧防水(スキューバダイビングもOKっぽい)

実売33,000円。これは欲しい。

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奥野修司「ナツコ 沖縄密貿易の女王」感想。
ルポ。2009年03月19日読了。

ナツコ 沖縄密貿易の女王
奥野修司 / 文藝春秋 2005/04 ¥2,250 (税込)

◆概要(紀伊国屋Bookwebより)
1946年から51年まで、沖縄はケーキ(景気)時代と呼ばれていた。
誰もがこぞって密貿易にかかわる異様な時代。
誰にも頼れないかわりに、才覚、度胸ひとつで大金をつかむことができた時代であった。
彼らから「女親分」と呼ばれた夏子は、彼らの上に君臨したわけではない。
貧しかったが夢のあった時代の象徴だった。
十二年におよぶ丹念な取材で掘りおこされた、すべてが崩壊した沖縄の失意と傷跡のなかのどこか晴れ晴れとした空気。
大宅壮一ノンフィクション賞に輝いた占領下の沖縄秘史。

◆買ったのは2005年の10月頃。3年以上積ん読でしたが、今年は積ん読本消化年間にすべく、積ん読本を読むのです。

◆第二次世界大戦が終結した1945年から、1972年に返還されるまで、沖縄はアメリカに占領されていた。その事実は知識としては知っているが、それ以外のことはほとんど知らなかった。本書によると、占領下の沖縄では、B円なる軍票が使われていたという。一族郎党まったく沖縄に縁がない私は、そんなことすら知らない。

◆終戦直後から1952年くらいまでの数年間、沖縄には物資がとにかく何もなく、戦争に使われた薬莢をかき集めたり、占領米軍がまだまだ使えるものを簡単に捨てる(直せば動く車両も捨てられていた)のでそれを拾い集めたり、米軍基地に入り込んで物資を盗んだりし、そうしてかき集めた物を珍物しそうなボロ船に乗って台湾や香港に持っていき、かわりに砂糖やたばこ、ペニシリンに綿など、生活に必要な物資と物々交換し、交換した物を本州に持っていって莫大な金を得る。それが沖縄密貿易だったとある。

◆本書は、沖縄密貿易において並み居る屈強な男を使い、莫大な利益を得ていた女帝ナツコについて、ナツコを知る人々からのインタビューと、歴史書や様々な記録から、ナツコという人物と戦後の沖縄を浮かび上がらせる本である。

◆取材期間が12年、大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブルで取った本であり、読み応えじゅうぶんである。であるが、各章ごとに数年前後する構成のため、やや読みづらかったのが唯一のマイナスである。


7点/10点満点


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基礎英語3

2009年3月上旬の話。

2004年9月4日(土)~2006年7月30日(日)までの96週間、ベルリッツで英会話を習った。2~3人でグループを作るセミプライベートコースで、初年度43万、2年目35万。初年度は、失業保険の教育訓練給付金から16万くらい戻ってきたので、2年間でおおよそ60万かかった。まじめに取り組んでいたとは言い難い状態だったが、まあ旅行英会話くらいは何とかなるようになった。しかし先日、会社に取引先のカナダ人から電話がかかってきて、習ったはずの受け答えができなかった。最後の授業を受けてから2年半が過ぎ、そろそろ英語を忘れてきている。

以前、Yahoo学習の大学入試統一模試を受けてみた。すると、長文は全部正解したのに、基礎問題がかなり壊滅的な状態だった。

こりゃまずいなあと思い、NHKのラジオ英会話を聞くことにした。噂で聞くところでは、NHKのラジオ英会話をまじめに聞き続けると、結構語学が習得できるというのである。そこでNHKのWebサイトを見ると、基礎英語1、2、3、チャロの英語実力講座、ラジオ英会話、入門ビジネス英語など、様々な番組がある。

自分の実力がどのあたりなのかよくわからないので、とりあえず基礎英語2のテキスト3月号を買い、読んでみると、さすがにちょっと簡単すぎるかもと感じたのだが、実際に聞いてみないと、会話について行けるのかどうかがわからない。そこで、録音機能付きAMラジオを入手することにした。

NHKのテキストに広告が出ている。
サン電子「トークマスター」 39800円
オリンパス「ラジオサーバー」 39800円など。

でもちょっと高いなあ。と思って探したら、SANYOのICラジオという物が出ていた。

これでいいじゃん、と思いビックカメラで購入。価格は19800円。

ラジオなのでしょうがないのだろうけど、マンションでは電波の入りが悪いでの、録音するとき窓際に置かないといけないのがちょっと面倒。

で、基礎英語2を聞いてみたら、けっこう聞き取れなくなっている。こりゃヤバイ。と3月いっぱい基礎英語2を聞き、耳を慣らして、4月から「基礎英語3」を聞いています。タイマー録音が5番組可能なので、ついでにフランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語も録音して聞いてます。こちらはそのうち聞くのををやめるだろうけど。

聞くだけなら、NHKラジオがネットでストリーミングをはじめるらしいので(1週遅れでネットにのせる模様)、そちらで聞けば、よりよい音質で聞けるのではないかと思います。てか買う前に知りたかったよ。

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ああ。パソコンが。

3月14日(土)
1999年12月に買ったデスクトップPCが遂にお亡くなりになられた。パワースイッチを入れても、ピポッと鳴らないし、CDやフロッピーからも起動しないので、ハードディスクではなくマザーボードが亡くなられたのであろう。GATEWAY2000のデスクトップである。10年近くも使っていたんだ。長生きしたなあ。

3月20日(金祝)
2006年10月に買ったDELLのノートPC。既に2回修理に出しているこのノートPC、数ヶ月前から、またキーボードがおかしくなってきた。それだけならばまだしも、操作中にいきなりフリーズ(ブルースクリーンになる)することも頻発してきて、ネットサーフィン以外のことは恐ろしくてできなくなってしまった(数十分かけて書いたブログが一瞬で消えると結構凹みます)。これをDELLに問い合わせると、「WINDOWSを再インストールして下さい」とのこと。しょうがないから外付けハードディスクを買ってきて、データをバックアップした。

3月23日(月)
私はWALKMANを使っている。WALKMAN用の音楽転送ソフトはSonicStageといって、昔のバージョンでは音楽ファイルのバックアップができなかった(正確にはえらく面倒だった)。2006年10月にDELLのノートPCを買ったのだが、音楽ファイルを転送するのが非常に面倒だったので、WALKMAN用の音楽ファイルはそのままデスクトップに入れていた。

SONYがATTRAC3という音楽ファイルフォーマットを棄てたあと、SonicStageでのバックアップは簡単になったと風の噂で聞いていたので、デスクトップのハードディスクを取り外して会社に持っていき、休み時間を利用し会社のパソコンを使って音楽ファイルのバックアップをとった(私の勤務先はこのあたりのセキュリティが非常に緩い)

3月26日(木)
WINDOWS再インストールの下調べをしていたら、ノートPCのメモリが非常に安くなっていることを発見。私のノートは512MB×2=1GB搭載されているのだが、1GB×2=2GBのメモリが、amazon最安値で1,998円だったのでさっそく購入。

3月29日(日)
メモリが届く。取り付ける。問題なく動く。さあ再インストールしよう、と思ったら無線LANの暗証番号がわからない。無線LANのマニュアルもないぞ。捨てたっけ?でも無線がつながらないとネットできなくなる。こりゃまずい。一回無線LANの設定をおさらいしなくては。あれ、うまくいかないぞ、どうやって設定したんだっけ。ああ、なんかもう面倒。再インストールは来週にしよう。

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EOS KISS X3 か Xacti か。

キャノンの新型 デジカメ一眼レフ EOS KISS X3 が発表されてしまった。

一眼レフなのに、ハイビジョンムービーが撮れるらしい。

現行モデルEOS KISS X2 が発売されたは2008年3月。私がX2を買ったのは2008年6月30日。
一眼レフがたった1年でモデルチェンジされたら正直悲しいのだが、デジカメ時代の宿命か。

それはそれとして今一番気になっているのが、防水ハイビジョンムービーXacti。
光学ズームが30倍!という代物。その代わり、110万画素しかない。
画素数を犠牲にして、光学ズーム30倍を達成したんだろうなあ。
ビックカメラで現物を見てきけど、ズームの迫力がすごい。
欲しいなあ。


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ガイアの夜明け

2009年3月24日放送の「ガイアの夜明け」でマネオなるソーシャルレンディング(金貸しの一種)が紹介されていた。

マネオのサイトを見に行ったら、見た目の印象が、元祖ソーシャルレンディングのKIVAとよく似ていた。KIVAは、1年ほど前にNHK-BSドキュメンタリーのアフリカシリーズ・ウガンダ編で取り上げられており、貸し手はは先進国の人々、借り手は途上国の人々である。先進国と途上国の所得格差を利用した資金援助という形態は、銀行(金融システム)が発展していない途上国の人々に資金を貸すという意味で、マイクロクレジットと同じような可能性を感じた。更に言えば、貸し手は社会貢献しているという満足感から、貸した金が返ってこなくても諦めがつく。

しかし、日本のような先進国でソーシャルレンディングというのは定着するのだろうか。知恵の回る小悪党が金を返さない事例が出てきそうだ。

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ジェットスターその後

ジェットスターの大盤振る舞い、燃油サーチャージ&空港税込み37,900円でオーストラリア往復! という3日間限定キャンペーンは、1豪ドル60円程度という円高・豪ドル安の現実もあり、かなり心が動いた。(38,000円のうち燃油サーチャージは28,000円くらい)

しかし。

JAL・ANAの正規割引運賃では往復70,000円+燃油等50,000円超=120,000円くらいなので、ジェットスターの価格は確かに爆安なんだけど、4月以降の燃油サーチャージが劇的に下がるとの噂があり、50,000円→10,000円くらいになるとの話。

ということは無理に今回ジェットスターで行かなくても、4月以降に探せば今回並みの値段で行けるのでは?と思ったり。航空会社の経営的な視点で見ると、燃油サーチャージが劇的に下がる噂を聞き、3月までに予約する旅行者が減ってしまったから、売り上げを確保するために採算度外視のキャンペーン(それでも客が乗っていないよりはるかにマシ)を行ったんじゃなかろか。

今どうしてもオーストラリアに行きたいわけじゃないし、去年の9月に台湾に行ったときと比べると涙が出るほど持ち株が下落していて精神的な余裕もないし、まあ今回はやめだ。

それよりも、7月22日の皆既日食が見たい。近畿日本ツーリストで独占的に取り扱っているトカラ列島のツアーは劇高なので、中国に出向いて今世紀最大級の皆既日食を見るというのもいいかな。

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上杉隆「ジャーナリズム崩壊」感想。
マスメディア論。2009年03月18日読了。

ジャーナリズム崩壊
上杉隆 / 幻冬舎 2008/07 ¥777 (税込)

◆概要(紀伊国屋Bookwebより)
日本の新聞・テレビ記者たちが世界中で笑われている。その象徴が日本にしかない「記者クラブ」制度だ。メモを互いに見せ合い同じカンニング記事を書く「メモ合わせ」、担当政治家が出世すれば自分も出世する歪んだ構造、権力におもねり掴んだ事実を報道しない体質。もはや新聞・テレビは権力をチェックする立場と国民に知らせる義務を放棄したも同然である。恐いもの知らずのジャーナリストがエリート意識にこりかたまった大マスコミの真実を明かす、亡国のメディア論。


◆日本の政治を取材するフリージャーナリスト上杉隆が、日本独特の「記者クラブ」制度が如何にダメダメな存在であるかを、主にアメリカ・ニューヨークタイムズの取材姿勢と比較し著している本。

◆上杉隆は胡散臭いジャーナリストなのでは?というようなことがいろいろと言われているようであるが、本書を読む限り、本書に書かれていることは私も共感できる非常に真っ当な意見である。西欧ジャーナリズムを礼賛しすぎという傾向はあるけど、日本のジャーナリズムがダメ過ぎなのだから、これはしょうがない。日本の大手マスコミ、つまり新聞とテレビは、強いものを叩き弱いもの助ける報道をすれば、それだけでいいと思っている。背景や前後事情など関係なく、とにかく強いものを叩く、権力を叩く、それだけだ。世の中の人たちはもっと賢いってえの。

◆最近失望した事例として、闇サイト殺人事件の判決に対し、フジテレビの箕輪さんと松本アナが「自首した被告が無期懲役となったが、この被告はまったく反省していない。死刑ではなく無期懲役なのは国民感情とかけ離れている」旨のことを言っていたが、被害者遺族の感情を配慮しないで考えると、自首しても死刑になるのだったら、同様の犯罪を犯す連中は誰も自首しなくなる。だからあの判決は、今後も数多くの似たような事件が起こるであろうことを想定した妥当な判決だったと思う。視聴者に阿った感情的な解説をしているフジテレビに、本当に失望してしまった。

◆話が逸れすぎました。日本のマスコミのひどさに呆れている方は、本書を面白く読めると思います。


7点/10点満点
(2009/3/25ちょっと改訂)


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廣宮孝信「国債を刷れ!」感想。
日本国経済解説書。2009年03月10日読了。

国債を刷れ! ― 「国の借金は税金で返せ」のウソ
廣宮孝信 / 彩図社 2009/03 ¥1,600 (税込)

表紙裏に書かれている「日本経済にまつわる7つのウソ」を引用すると、
・「日本は格差の小さい国」というウソ
・「日本の公務員数は多い」というウソ
・「歳出削減すれば財政は健全化」というウソ
・「銀行への公的資金注入は国民負担」というウソ
・「国債をすれば財政悪化」というウソ
・「お金をすれば悪性インフレ」というウソ
・「国が借金で大変」というウソ
これら間違った経済常識を正す本、らしい。

国債は国民の借金である、というのは間違い。
国債をジャカジャカ刷って得た金を元に、バンバン公共投資すればよろし。
というようなことが書かれている。

お勉強になる部分も多数あった。
・日銀が現在金本位制ではない説明
・乗数効果の説明
・上げ潮派の説明
・量的緩和の説明
などなどは参考になった。

しかし、著者が提示する前提条件そのものに?となる部分もあり、惜しいなあ、という感じ。


5点/10点満点


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ジェットスター

オーストラリアのローコストキャリア=LCC(格安航空会社)ジェットスターがえらいことを始めた。

成田-ケアンズ
成田-ゴールドコースト
関空-ゴールドコースト

が何と7,000円(往復)。

燃油代とか入れての最安値だと37,900円ですが。
それでも凄く安い。

2泊4日で弾丸トラベルしようかな…


ちなみに18日までに予約する必要があります。

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宮嶋茂樹「サマワのいちばん暑い日」感想。
イラクルポ。2009年03月09日読了。

サマワのいちばん暑い日―イラクのど田舎でアホ!と叫ぶ
宮嶋茂樹 / 祥伝社 2009/02 ¥749 (税込)

自衛隊のイラク派遣に従軍取材するため、イラクのサマワに向かった宮嶋茂樹のルポ本。同業者は少ないだろうと思っていたら、22人もの新聞テレビ雑誌記者がいて拍子抜けしたという話から始まり、イラクに来ていた自称ボランティアの高遠・今井ら3人が誘拐され、サマワの自衛隊基地にロケット砲が打ち込まれると、日本国民を保護するために宮嶋茂樹を含む一行は自衛隊基地内に保護され、フロにも入れる日々。しかし自衛隊手配の撤退飛行機が準備され大手新聞テレビ雑誌記者は撤退。居残りを決めた宮嶋茂樹は自衛隊基地から追い出され、退避勧告が出ているのに退避しないタチのよくない日本人として邪魔者扱いされ、そうこうしているうちに更に日本人が誘拐され、宮嶋茂樹の師匠である橋田信介がやってきて、その数時間後、橋田信介は賊に襲われ殺されてしまった。そして宮嶋茂樹は、橋田信介の写真を遺族に渡すため、イラク撤退を決めたのだった。宮嶋茂樹のイラク取材は3ヶ月にわたったとのこと。本書の終盤は、橋田信介が殺されたこともあり、いつもの宮嶋本と違ってかなりまじめ。

いつも思うのだけど、宮嶋茂樹はなぜこんな過酷な取材を続けられるのだろう。宮嶋茂樹は左巻きが嫌いなので、大手新聞テレビに属することは難しいだろうが、これだけの実績があればもっと金のあるところに所属できそうな気がするのだが。


7点/10点満点


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門倉貴史「貧困ビジネス」感想。
ビジネス書。2009年03月03日読了。

貧困ビジネス
門倉貴史 / 幻冬舎 2009/01 ¥777 (税込)

◆貧困者をターゲットにしたビジネスについて書かれた本。合法的なビジネス(100円ショップやマクドナルドなど)、非合法なビジネス(闇金や偽装国際結婚など)、どちらとも言えないグレーなビジネス(ゼロゼロ物件や名ばかり管理職など)にカテゴリわけされている。とはいえ。少なくとも私には知っている話が多く、個々の事例の掘り下げも甘く、薄っぺらく感じた。

◆唯一、「高級腕時計のレンタル屋」と「質屋」が結託した闇金ビジネスについては目新しかった。現金が欲しい多重債務者が「高級腕時計レンタル屋」から時計をレンタルする。その時計を即「質屋」で換金する。多重債務者は借りた時計を質屋から取り戻すまで、「レンタル屋」にレンタル料金を払い続けなければならない。多重債務者は「闇金」から金を借りるのではなく、「レンタル屋」に金を払い続けるだけで、実態は「闇金」であるというもの。しかしこの仕組みは「パチンコ屋」と「景品買い取り屋」の組み合わせと同じで、パチンコ業が野放しになっている現状、グレーではあるが取り締まりはできないだろう。

◆その目新しく感じた「レンタル屋」+「質屋」の構造も、細かな契約内容がどうなっているのかは本書に書かれてなく、深く掘り下げた話ではない。つまりはテレビや新聞が「こういうことに注意しましょう」と紹介しているのと同じ程度の情報量。

◆掘り下げが甘すぎる点では、本書は雑誌連載をまとめた程度のものであり、金を出して読むほどの内容じゃない。おまけに私の嫌いな左巻き思想に輝いており、買わなきゃよかったと思わせるに十分な内容だった。まあいいや。


3点/10点満点


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船戸与一「灰塵の暦 満州国演義5」感想。
歴史冒険小説。2009年03月02日読了。

灰塵の暦 満州国演義〈5〉
船戸与一 / 新潮社 2009/01 ¥2,100 (税込)

あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
満州事変から六年。
理想を捨てた太郎は満州国国務院で地位を固め、憲兵隊で活躍する三郎は待望の長男を得、記者となった四郎は初の戦場取材に臨む。そして、特務機関の下で働く次郎を悲劇が襲った―四兄弟が人生の岐路に立つとき、満州国の命運を大きく揺るがす事件が起きる。読者を「南京事件」へと誘う第五巻。
ついに支那との全面戦争に突入――満州事変から六年。敷島四兄弟が人生の岐路に立つなか、戦火は上海、そして南京へ。「南京大虐殺」のすべてを描く最新刊。


◆シリーズ5作目となる本書。シリーズものを読むときの私の悪いクセで、間が空いてしまうと少しずつ内容を忘れてしまう。主人公敷島4兄弟の職業は覚えているし、4兄弟が何故満州および中国近辺に集まってきたのかも覚えているけど、細かなディテールはやっぱり忘れかけている。

◆本書は、南京大虐殺でラストを迎える。ただこのシリーズ、参考文献は最終刊にまとめて掲載されるとのことで、史実に基づいた南京大虐殺なのか、左巻きの人たちが捏造している誇張された南京大虐殺なのか、歴史に疎い私にはよくわからない。このシリーズの歴史的な事実に関しては、今まで気にすることなく読んでいたけど、初めて「どこまで史実に基づいて書かれているのだろうか?」と疑問を持ってしまった。ましてや作者が、登場人物を皆殺しにしたがる船戸与一である。過剰な描写をしているのではないかと勘ぐってしまう。そんなわけで辛口採点。


5点/10点満点


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金纓「それでも私は旅に出る」感想。
エッセイ。2009年02月23日読了。

それでも私は旅に出る ― チマ・チョゴリの日本人、世界へ
金纓 / 岩波書店 2001/04 ¥2,415 (税込)

知人から薦められたので買って読んだ。
著者の考え方にはほとんど共感できなかったし、
延々と続く自慢話は読んでいてむかつくだけだった。
この程度の内容で2415円は値段が高すぎる。


2点/10点満点

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Yahooみんなの検定

にて、私が作った「簡単な字なのに読みが難しい漢字検定」というのを絶賛公開中。力試しにぜひどうぞ。

出題例:以下の字は何と読む。

「弁える」「況や」「寿ぐ」「泥む」「態と」「玩ぶ」……

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«古川日出男「アラビアの夜の種族 III」感想。
ファンタジー。2009年02月18日読了。