2024/01/03

サイモン・シン/青木薫訳「数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち」感想。2023年7月11日読了

数学者たちの楽園「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち

 

おお、サイモン・シンと青木薫の本だ!

私の読書人生でベスト5に入る サイモン・シン/青木薫訳「フェルマーの最終定理」を書いた、サイモン・シンと青木薫コンビの本だ!

 

なんだけど、本書はシンプソンズに出てくる数学ネタに題材していて、

でも私はシンプソンズを見たことがないのでイマイチピンとこない&数学ネタを考え出した脚本家に焦点を当てすぎていて、それもなんだかピンと来ない。数学ネタの解説は良いのだけれども、なんだかピンとこない話も多く。

 

7点/10点満点

 

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倉沢愛子「インドネシア大虐殺」感想。2023年7月2日読了。

倉沢愛子「インドネシア大虐殺」

 

本書は2020年に出版された。著者はインドネシア社会史を研究されている慶応大名誉教授。

スハルトによるクーデターで、スカルノが失脚し、その際に200万人ともいわれる無辜の市民が虐殺された。

普通の市民が、普通の市民を殺していた。

その過程を、虐殺したした方、虐殺された方、双方への聞き取りをもとに構成されたのが本書。

しかしながら、時系列が若干行ったり来たりしていて、前後関係を知らないと読みづらい。

7点/10点満点

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瀬戸晴海「ナルコスの戦後史」感想。2023年6月24日読了

瀬戸晴海「ナルコスの戦後史」

 

麻薬取締官だった著者が、ナルコス(麻薬組織)の歴史について記した本。

だったのだが、後半は「麻薬はいかん」「大麻が入り口になるので、大麻解禁などもってのほか」的な論旨に変わってしまい、なんだか残念。

 

6点/10点満点

 

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ジミー・ソニ/櫻井祐子訳「創始者たち」感想。2023年6月14日読了

ジミー・ソニ/櫻井祐子訳「創始者たち」

 

ペイパルの前身企業を創業した人たちと、

ほぼ同じ時期に同じようなことをやっていたイーロン・マスク(x.com)が、

結果的に合併して世界最強の決済会社ペイパルとなり、

その後の顛末(イーロン・マスク追放など)を含めて、多数の関係者に取材し記したノンフィクション。

ペイパルの操業にかかわった人たちは、みな数十億円以上の資産を持ち、

その後もベンチャー(スタートアップ)界隈で名をはせている人物ばかりで、

ペイパルマフィアと呼ばれている。

「とても良い」

 

8点/10点満点

 

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ダニエル・ヤーギン/黒輪篤嗣訳「新しい世界の資源地図」感想。2023年5月14日読了

ダニエル・ヤーギン/黒輪篤嗣訳「新しい世界の資源地図」

 

今までAmazonの画像リンクを使っていましたが、2023年11月で廃止されました。ので、テキストリンクだけです。

 

本書は2020年に原著が、2022年2月に日本語版が出ています。
著者のダニエル・ヤーギンは、資源(石油エネルギー中心)に関する著書が多数あり、世界有数の資源(エネルギー)専門家です。

 

本書の感想は「とても良い」

 

9点/10点満点

 

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2023/12/15

近況 2023年12月15日

NIFTYの運営から、来年3月でドメインサービスを廃止する、と通達がありました。

 

本ブログ(NIFTYのココログ)は、NIFTYのドメインサービスを利用し、独自ドメインを乗っけていました。

 

ちなみに、NIFTYのドメインサービスは年間4000円弱、バカ高の値段設定でしたが、ココログと連携するので十数年我慢してきました。

 

が、今になってサービスをやめるのかよ。
今さら面倒だよ。
なんで今さらやめるかなー

 

※ここ数年、まともに運営更新していない当ブログ、来年になったらアクセスできなくなっているかもしれません。それはそれでどうしようもないとして、書いた記事は残したいなー

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2023/05/29

篠田英朗「戦争の地政学」感想。2023年4月22日読了

 

◆Amazonより引用
そもそも「地政学」とは何か?
地理的条件は世界をどう動かしてきたのか?
「そもそも」「なぜ」から根本的に問いなおし、激動世界のしくみを深く読み解く「地政学入門」の決定版!

 

現代人の必須教養「地政学」の二つの世界観を理解することで、17世紀ヨーロッパの国際情勢から第二次大戦前後の日本、冷戦、ロシア・ウクライナ戦争まで、約500年間に起きた戦争の「構造を視る力」をゼロから身につける!

 

「一般に地政学と呼ばれているものには、二つの全く異なる伝統がある。『英米系地政学』と『大陸系地政学』と呼ばれている伝統だ。両者の相違は、一般には、二つの学派の違いのようなものだと説明される。しかし、両者は、地政学の中の学派的な相違というよりも、実はもっと大きな根源的な世界観の対立を示すものだ。しかもそれは政策面の違いにも行きつく。たとえば海を重視する英米系地政学は、分散的に存在する独立主体のネットワーク型の結びつきを重視する戦略に行きつく。陸を重視する大陸系地政学は、圏域思想をその特徴とし、影響が及ぶ範囲の確保と拡張にこだわる」――「はじめに」より

 

◆引用終わり

 

地政学には大きく二つの考え方がある。
・英米系地政学⇒マッキンダー⇒二元論⇒世界はハートランドとシーパワー、周辺のリムランド
・大陸系地政学(ドイツ)⇒ハウスホーファー⇒多元論⇒圏域

 

昨今、日本では地政学に関する本が多数あふれているが、この両者の考え方が精確に分けられていない、かつ英米系のランドパワー・シーパワーによる記述が多い。

 

本書は、同じ出来事(今回のテーマは戦争)を英米系と大陸系の両視点から解説することを試みたものである。

 

が、私の基礎知識および理解力が足りず。

 

評価不能(私の知識が乏しい)/10点満点

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北澤豊雄「花嫁とゲバラを探して」感想。2023年4月4日読了

 

サブタイトルは「南米婚活紀行」

 

スペイン語ペラペラな著者が、若きチェ・ゲバラが7カ月の南米旅行したときの本と映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」の足跡を辿りながら、南米で一番人気のマッチングアプリ「ティンダー(有料)」を使って各地で女性(花嫁候補)と出会う旅行記である。

 

チェ・ゲバラはキューバ革命の英雄だが、生まれはアルゼンチン。

 

ルートはアルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ。4カ月で回ったらしい。(チェ・ゲバラらは7カ月かけてバイクで回った)

 

著者は観光地巡りをするのではなく、町に着いたらひたすらマッチング。

 

旅行記とマッチングアプリの成果記録、その比率が半々くらいで、どうにもこうにも中途半端。
旅行記として読むならとても薄い。
マッチングアプリの成果記録として読むならそこそこ面白いが、彩図社のアンダーグラウンド本(例:バンコク 裏の歩き方)と比べると貧弱。

 

うーん、なぜこのような中途半端な本になってしまったのか。

 

5点/10点満点

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安田峰俊「北関東「移民」アンダーグラウンド」感想。2023年3月30日読了

 

本書のサブタイトルは「ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪」
安田氏は相変わらず文章がうまく、一気に読んでしまった。

 

何らかの事件を起こしたベトナム人不法(とは限らない)滞在者へのアポなし突撃取材記。著者の行動力は相変わらずすごい。
在日ベトナム人の多くは技能実習生として日本に来た。最初の仕事の契約期間(3年)が満了した後、特定活動の在留資格というのを得ると、合法的に日本に居られる。
合法滞在者であれ不法滞在者であれ、日本で犯罪を犯すベトナム人は、日本の法律や地域のルールを知らないまま滞在している場合が多い。

 

そこで著者は新聞報道などをもとに、犯罪を犯したベトナム人にアポなし突撃取材を敢行する。
無免許ひき逃げ死亡事故を起こした女。
豚窃盗集団。および桃窃盗集団
ベトナム人同士の殺人犯。
違法エステ(買春)で働く女。

 

見えてきたのは、一昔前、不法滞在中国人が問題を起こしていたポジションに、今はベトナム人がいる。

 

著者曰く、ベトナムは経済発展しているので、15年後には日本に来るベトナム人は減少する。
代わりに来るのはインドネシアやカンボジア、ミャンマー、ネパール人で、日本の人口が減り続ける以上、発展途上国からの外国人流入は止まらない。

 

8点/10点満点

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パラグ・カンナ/尼丁千津子訳「移動力と接続性(下)」感想。2023年3月22日読了

 

本書のサブタイトルは「文明3.0の地政学」
原著のタイトルは「MOVE」

 

パラグ・カンナの本は3タイトル目(5冊目)。

 

人間の歴史は、常に移動が伴っていた。
古くは200万年前、アフリカから猿人がユーラシア大陸へ移動し、30万年ほど前に「ホモ・サピエンス」へ進化を遂げ、モンゴル帝国は世界中をまたにかけ、ジャガイモ飢饉でアイルランドからアメリカへの大量移住が発生した。

 

世界中の多くの人たち(著者推定では40億人。多くがアフリカやアジアの貧国に住む人々)が、自国を離れ移住したいと考えている。携帯電話とインターネットがあれば、移住は昔ほど困難なことではない。ただし、受け入れてくれる先進国は少ない。

 

本書は、人々がより良い暮らしを求めて移住(移動)する流れは止まらないし、止められない。そして、その移動力こそ、2050年の未来を形作る源である。移住先は先進国の都市とは限らない。気温上昇で、グリーンランドやシベリアの永久凍土地帯が快適な移住先になるかもしれない。
的なことを、詳細なデータをもとに書かれた本である。

 

アメリカはメキシコ経由でやってくる中南米の移民を追放している。
スペインやイタリアはアフリカからの不法移民を追放している。
シンガポールは移民によるスラム化を防ぐため、多民族共生を選んだ。
チェコやポーランドは優秀な移民(戦争前のウクライナ人が多い)を積極的に受け入れる政策を進めた。
ドイツは移民(シリアなどの中東難民が多い)を受け入れすぎた。
フランスは移民(旧植民地のアルジェリア系など)とフランス系の間で分断してしまった。
カナダは移民大歓迎。
(この辺りまでが上巻)

 

カザフスタンは豪州とほぼ同じ面積で、人口は2000万人に満たない。国庫は石油ガスで潤っている。カザフ政府が本気になれば人は来る。
インド人はウズベキスタンにビザなしで入国できる。それもあってインド系の承認が多くいる。
日本は優秀な人が出ていく国である。上級学位(修士号や博士号)を取ったのに仕事がなく、8,000人もの人が中国で研究活動をしている。

 

下巻p188
「より大きな国が一定の居住権や生活水準を保障せずにさらに多くの移住者を呼び込んだ場合、自国民と外国人、技能を要している人といない人、富裕層と貧困層という階層化が定着するのは避けられないだろう」

 

本書には結論めいたことは書かれていない。「こうなるだろう」という示唆にとどまっている。

 

移住を考える人々は減らないし、移住の意欲も止まらない。
移住を受け入れる国は今のうちに受け入れ態勢を整えていかなければならない。
先進国はほぼすべての国で人口減少に直面している(もっともましなフランスでも出生率は2.0⇒人口維持には2.1必要。日本は1.4、スペイン1.3、イタリアとシンガポールは1.2、韓国は1.0)。

 

先進国は、いつまで先進国でいられるのか。

 

7点/10点満点

 

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2023/03/27

北澤豊雄「混迷の国 ベネズエラ潜入記」感想。2023年3月11日読了。

北澤豊雄氏は、2010-2011年に南米コロンビアの日本食レストランに住み込みで働き、スペイン語を習得。その後、スペイン語能力を生かし、中南米各地を取材しているフリーの記者。

氏のデビュー作、「ダリエン地峡決死行」感想。紀行文。2019年09月18日読了。この作品には8点をつけた。

 

本書は南米ベネズエラが舞台。

ベネズエラは反米ポピュリスト大統領チャベス(石油価格の上昇でイケイケのバラマキ政権運営が可能だった)が2013年に死に、無能な子分マドゥロに禅譲したところ、石油価格暴落、イケイケだったバラマキにほころびが出て、インフレ率が100万%という状態に。さらに、無能すぎるマドゥロ政権にブチ切れた改革派(?)は、若き政治家グアイドを担ぎ上げ大統領就任を宣言。世界各国がマドゥロを認める国(中国ロシアトルコだけじゃなくインドやスペインポルトガルなどもこっち)と、グアイドを認める国(アメリカカナダイギリスフランスドイツ日本など)に分かれた。
グアイドが一気呵成にマドゥロをぶっ倒して国をまとめるかと思いきや、国会も裁判所も軍も警察もマドゥロ派が占領しているため、グアイドの暫定政府は大したことができないまま、2022年には暫定政府が解散し、暫定大統領の地位もなくなった模様。

 

坂口安紀「ベネズエラ 溶解する民主主義、破綻する経済」感想。2021年01月31日読了。8点。なども参照されたし(グアイド失職前)。

 

マドゥロ政権下のベネズエラは、失業と貧困が蔓延し、暴力が国中を支配。
殺人率が世界一になったり(南アフリカより悪い)、3000万人以上いた国民のうち400万人以上が国外に脱出(出稼ぎ)したり、平均寿命がかつて75歳だったのが⇒70歳まで下がったり、無茶苦茶である。

 

さて本書。
修羅の国と化したベネズエラ。実態を調べるために著者は潜入を試みた。
コロンビアの新聞記者と一緒に、サッカーの取材と偽ってコロンビアから陸路でベネズエラに入国、メリダという都市に行く。驚くほど平和で、スーパーには普通にモノが売っているし、レストランもある(1食200円くらい)。ナイトライフのクラブまである。
2012年の最低賃金月額 約3万円
2020年の最低賃金月額 約400円(桁の間違いではない)
月の収入が400円で、どうして200円のレストランで飲食できるの?という謎も本書では明かしている。
この時の潜入は、ナイトクラブからの帰路で同行のコロンビア人記者が強盗に襲われたため、予定より大幅に早くコロンビアに戻る。

 

2回目の潜入は空路で首都カラカスへ。出会い系アプリで出会った女性に騙され、金を抜き取られる。

 

3回目の潜入も空路でカラカスへ。露天商(コーヒー屋)の女主人と行動を共にする。ベネズエラ国民は、良い靴を買う余裕がなくなったそうだ。
マラカイボからコロンビアへ出国する際、女主人にも同行してもらう。国境までのタクシー移動中、検問の警官が現れ金銭要求。

 

本書は330ページ、うち2/3は上記ベネズエラ潜入記であるが、ページ数が足りなかったのか残り1/3はメキシコ南部からアメリカ手前まで行く、通称「野獣列車」の取材である。

 

報道ではベネズエラの治安は無茶苦茶という印象があり、実際ベネズエラ人のtwitterでも「危険だから(特に)日本人は観光に来るな」的な話が流れていて、凄いことになっているのだろうという先入観があったが、本書を読む限り「治安が悪い国」程度の状況みたいだ。まあ、だからベネズエラのプロ野球リーグに戻るベネズエラ助っ人が多いのだろう(アレックス・ラミレスも一時ベネズエラに戻っていたはず)

 

7点(メキシコ編が1/3という構成に不満)/10点満点

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2023/03/26

パラグ・カンナ/尼丁千津子訳「移動力と接続性(上)」感想。2023年3月7日読了

パラグ・カンナの本は3タイトル目(4冊目)。

・パラグ・カンナ/古村治彦訳「ネクスト・ルネサンス―21世紀世界の動かし方」感想。2011年11月23日読了。


・パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(上)」感想。2017年09月12日読了。


・パラグ・カンナ/尼丁千津子・木村高子訳「「接続性」の地政学(下)」感想。2017年09月21日読了。

 

本書そのものの感想は下巻に書く。

 

7点/10点満点

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平山瑞穂「エンタメ小説家の失敗学」感想。2023年2月24日読了

いつも行く本屋で立ち読みして、出だしが面白かったので買った。
本書は面白かった。もしかしたら、著者の作品で一番売れる本になるのでは。

以下感想。

私はマンガが大好きで、マンガは編集者と作るもの、という理解はあった。
だが小説の世界でもそうなっていたとは驚いた。

本書に書かれているのは、エンタメ系小説の世界(その作家リストに熊谷達也(P38)が含まれているのは意外だったが)でも同様のことが起きており、小説執筆も編集者の意見がそれなりに重要であり、編集者の意見にある程度沿った内容で書かなければ出版してくれない。出版しても売れない状態が長引けば、執筆依頼すら来なくなる。売れない小説家平山瑞穂(本書の著者)には、もう出版社から小説執筆の依頼が来ない。

自由に書かせてくれた時もあれば、書籍編集者の指示に従った時代もあり、逆らった時代もある、結果としてほぼすべての小説が売れなかった著者。本書は、回想と反省と愚痴と若干の恨みで構成されている。

のだが、私的には面白く読め、痛快ですらあった。新潮社や角川はもう相手にしてくれないんだ、だったら(本書の版元)光文社で暴れてやる。

著者はもう商業小説家としての道を諦めたのかもしれない。じゃなければ、ここまであけすけな本は書けない。と思う。という意味で本書は、暴露本と同等レベルで面白かった。

ただ、まあ、私が著者の小説を読むことは無いかな(本書では、著者の自著を何冊も紹介しているが、どれもこれも「読みたい」と思わせる内容ではなかった)。

 

※どうでもいいが、マンガの世界でも「今、売れているジャンル」を模倣した作品をよく見た。今なら「転生したらスライムだった件」の亜種が山もりもりに出てくる。いわゆる異世界ものだ。あの亜種を書いている人たちは、3年後生きているのかね?(「葬送のフリーレン」は亜種じゃない方向性で成功した例だと思う)

 

8点/10点満点

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河野啓「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」感想。2023年2月21日読了

栗城史多のエベレストチャレンジ(何回も挑んだ)と、エベレスト登山中に死んでしまったことを知っている人が読んだら、面白いノンフィクションだと思う。

*以下アマゾンより引用
第18回開高健ノンフィクション賞受賞作
「夢の共有」を掲げて華々しく活動し、毀誉褒貶のなかで滑落死した登山家。
メディアを巻き込んで繰り広げられた彼の「劇場」の真実はどこにあったのか。

両手の指9本を失いながらも〝七大陸最高峰単独無酸素〟登頂を目指した登山家・栗城史多氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ注目を集めたが、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。彼はなぜエベレストに挑み続けたのか? そして、彼は何者だったのか? かつて栗城氏を番組に描いた著者が、綿密な取材で謎多き人気クライマーの真実にせまる。
*引用終わり

イッテQのイモトアヤコが栗城にとどめを刺した的なことが書かれているが、実際そうなんだろうな。

 

8点/10点満点

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恒川惠市「新興国は世界を変えるか」感想。2023年2月14日読了。

本書では29の新興国について書かれている。

アジア:高所得:シンガポール・韓国・台湾

アジア:中の上:マレーシア・中国・タイ

アジア:中の下:インドネシア・フィリピン・インド・パキスタン・バングラデシュ・ベトナム

中南米:高所得:アルゼンチン・チリ

中南米:中の上:ブラジル・メキシコ・コロンビア・ペルー

旧ソ連圏:高所得:ポーランド

旧ソ連圏:中の上:カザフスタン・ロシア

中東アフリカ:高所得:サウジアラビア

中東アフリカ:中の上:トルコ・イラン・イラク・アルジェリア

中東アフリカ:中の下:エジプト

サハラ以南:高所得:なし

サハラ以南:中の上:南アフリカ

サハラ以南:中の下:ナイジェリア

 

この29か国に関し、経済、福祉、民主化、政治体制、発展の条件、国際関係などの面から分析を行ったのが本書。

新書のボリュームで29か国も扱い、かつテーマも6個以上ある。

説得力を持たせるために図表を多用しているが、データ元は信頼できるところから引っ張ってきているものの、著者オリジナルの会社くくぉ加えた図表に加工しているため、説明を読んでも、なにを現した数値かわからないことがままあった。(立ち読みできる場合、24-25ページの表を見ると私の言いたいことがわかるのではないかと思う)

資料として役に立つ部分も多い反面、扱う幅が広すぎて堀が浅い印象も強い。一言でいうと「残念な本」である。

6点/10点満点

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細野豪志著・開沼博編・林智裕取材構成「東電福島原発事故 事故調査報告」感想。2023年2月7日読了。

 

wikipediaより。細野豪志は29歳で衆議院議員に当選(民主党)、以降も当選し、2011年の大震災後、菅直人政権で原発事故の収束及び再発防止担当大臣、節電啓発担当大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)に任命され、初入閣。
野田政権後の選挙で民主党が惨敗し、民進党を経て無所属、のち2021年に自民党に入党。
(日本の政党の移り変わりは、教科書を作っていいる東京法令出版のここが分かりやすい)

 

第1章は、原発事故発生当時のキーパーソン6名との対話(文責細野)
第2章は、福島の復興に挑戦する6名の民間人との対話(文責開沼)
第3章は、原発事故発生時の政府責任者としての立場を振り返り、今後も残る6つの課題を提示(文責細野)

 

という構成になっている。

 

衆議院議員として活動しながら(2000年から8期連続当選)、自分の活動を振り返り、ここまで濃密な本を書けるのか!
細野豪志という政治家を見直した。

 

本書では以下のような提言がある
・処理水は一刻も早く海に流す。科学的に問題がないのだから、風評に負けて延々と先延ばしにするのは間違っている
・汚染された土(除染土)の中間貯蔵施設には希望がある。1mSVが独り歩きしている現状を変えなければ。
・被爆による健康への影響はなかった。福島の子供たちにだけ実施している甲状腺検査は(まだ継続しているらしい)もはや無意味。
・放射能の健康被害をことさら大げさに喧伝した科学者、マスコミ、芸術家、政治活動家は、むしろ風評の「加害者」である。(本書では明確な名指しはしていないが、原発の専門家面した京大の助手や、山本太郎、坂本龍一などを指していると読めた)

この本を出版することによって、細野豪志はかなり敵を作ったはずだ。

それでも出版したところに、政治家としての矜持を感じられる。

なお評点が7点の理由は、合計12名との対話がベースになっているため、同じ話題が何度も出てくる(福島イノベーションコースト構想や、除染土の中間貯蔵施設の話)。ここはどうにかできなかったのだろうか。

 

7点/10点満点

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2023/01/31

ジョフリー・ウェスト/山形浩生・森本正史訳「スケール (下)」感想。2023年1月25日読了。

 

哺乳類の血管は、心臓⇒大動脈⇒2つに分岐(細くなる)⇒2つが4つに分岐(更に細くなる)⇒4つがさらに分岐を繰り返し⇒最終的には毛細血管となる。毛細血管の太さは、ネズミも人もクジラも同じらしい(分岐する回数は異なる)。

 

都市の上水道は、集水地⇒都市の近郊まで運ぶ太いパイプ⇒いろんな地区に向け分岐⇒細かな地区に分岐⇒最終的には各家庭に細いパイプで運ばれる

 

上記二つはまったく異なることだが、その経路が細くなる点は一致している。(フラクタル幾何学的に見た相似)

 

というようなことが書かれているのだが、上巻の感想でも書いた通り、とにかく読みづらい。

 

読みづらい理由は山形浩生氏の「訳者解説」に書かれていた。訳者も相当大変だった模様。

 

 

本書に興味が湧いた方は、まず「訳者解説」を読んでから、読み進めるか否か決めた方がいいと思います。

 

本書に書かれていたことは、私の知識を豊かにしてくれた。それは間違いない。だがその喜びよりも、久々に感じた「読むのが修行」レベルのもったいぶった言い回しに辟易した(訳者解説を読む限り、翻訳の問題ではなく、原著が抱えている問題)

 

5点/10点満点

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鈴置高史「韓国民主政治の自壊」感想。2023年1月15日読了。

 

嫌韓の人たちに人気の高い鈴置さん。私が本書を買ったのもその趣旨。

なのだが、この本はどうなんだろう。あまり説得力を感じられない。
引用部分がどこからどこまでかが分かりづらい。

5点/10点満点

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ジョフリー・ウェスト/山形浩生・森本正史訳「スケール (上)」感想。2023年1月7日読了。

 

哺乳類(ネズミからヒト、ゾウ、クジラまで)は大きさが2倍になると、心拍数は25%減り、寿命は25%伸びる。”生命・組織・企業・都市・経済の成長と限界はすべて同じ統一原理で説明できる。コロナ後の未来を予言する画期的な文明論登場(福岡伸一)”と帯に書かれている。それは本書の冒頭に図示されており、「哺乳類体重」と「代謝率」の対数グラフ(両対数)が直線となっており、続く「企業の利益と従業員数(両対数)」も直線となっている。

つまり哺乳類と企業を数学的に調べると相関性がある。それどころか都市とも相関性がある。

 

なんと興味深いテーマなのだろう。なので上下巻即買い。

だったのだが、簡単なことを難しく言うのが私のスタイルです、的な文章と、

AはBの大学の研究室で学んだ優秀な学生であり、Bの指導の下に開花したAの論文は目を見張るものがある、的な研究者の個人情報が満載で、

とにかく読みづらい。

研究者のプロフィールに言及しているのは、本書が著者(1940年生)の回顧録(エッセイ)的な側面もあるからっぽいのだが、名前も知らない外国人研究者が、名前も知らないけど有名らしい誰か別の大物研究者の元で研究していた、なんて情報は要らん。

 

6点/10点満点

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2023/01/30

私の読書量推移。

赤と黒は私的に読書量が少ないアラートである。

1994年-2017年で3回しかアラートが出ていないのに、

ここ数年アラート出っ放し。我が読書人生最大の危機である。

 

天野才蔵 読書量月別推移 2022年12月末まで
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2022 2 1 0 0 0 1 0 0 1 3 2 3
2021 1 2 1 1 0 1 0 1 0 1 1 1
2020 3 1 1 0 0 1 1 1 0 1 0 4
2019 5 7 4 2 3 3 3 1 2 1 2 1
2018 4 8 3 2 7 4 3 3 0 1 6 6
2017 6 5 6 4 4 6 9 8 4 5 8 5
2016 4 4 5 8 4 2 3 7 6 4 7 6
2015 8 6 3 2 5 8 9 5 9 5 4 4
2014 6 8 5 10 5 5 6 7 4 8 6 3
2013 7 5 10 8 4 8 9 8 6 10 11 5
2012 13 7 9 8 7 7 5 6 12 8 6 10
2011 8 6 2 5 2 3 9 8 2 5 8 11
2010 3 1 4 2 3 0 10 13 5 8 5 5
2009 9 6 9 6 9 9 11 4 11 3 2 1
2008 12 7 10 10 9 11 10 13 9 8 10 10
2007 8 15 13 16 14 15 15 12 5 10 11 11
2006 9 8 8 6 7 7 12 8 8 14 7 11
2005 9 6 8 6 10 19 5 13 5 10 7 9
2004 4 3 3 13 8 12 5 11 6 6 7 7
2003 6 5 6 8 2 6 7 5 3 14 3 6
2002 6 8 6 6 5 7 6 6 6 11 6 6
2001 4 5 5 3 3 6 7 10 5 5 6 6
2000 5 4 5 5 6 4 6 4 5 6 4 3
1999 5 6 2 7 6 8 5 6 3 3 6 7
1998 11 6 5 6 4 5 8 4 6 4 8 5
1997 8 4 6 9 7 8 11 8 3 9 4 11
1996 10 9 6 11 4 8 7 3 9 4 5 5
1995 2 6 4 7 5 4 9 4 6 8 7 11
1994 8 8 11 5 5 6 8 4 6 4 4 7

 

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