高木徹「戦争広告代理店」感想。
ドキュメンタリー。2005年08月30日読了。
高木徹・たかぎとおる
講談社 2005/06出版 405p 15cm ISBN:4062750961 ¥650(税込)
ユーゴ紛争が起きていた時の報道では、
ボスニア・ヘルツェゴビナは被害者だった。
ユーゴスラビア(後の新ユーゴ、現セルビア・モンテネグロ)は加害者だった。
しかしそれは、アメリカの広告代理店が仕掛けたイメージ戦略に、世界中のマスコミが乗っかってしまった、言い方を変えれば騙されてしまったために出来上がった、現実とは異なるイメージだった。
丁寧な取材をベースに、客観的事実と主観的推論を上手く織り交ぜ、読者に一つの結論を提示する。これはまさしく第一級のドキュメンタリーであり、後生まで語り継がれなければならない。そう思わせるほど完成度の高いドキュメンタリーである。
この手のジャンルに興味がある人は、
とにかく今すぐ買って読め(借りるな)
この本の金銭的価値:1,890円以上(単行本当時の価格)。
10点/10点満点
| 固定リンク | 0
「◇ノンフィクション」カテゴリの記事
- 河野啓「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」感想。2023年2月21日読了(2023.03.26)
- 野地秩嘉(のじつねよし)「ビートルズを呼んだ男」感想。人物伝。2022年6月19日読了。(2023.01.20)
- 大西康之「ロケット・ササキ」感想。伝記。2019年05月07日読了。8点/10点満点(2020.01.04)
- トム・クラインズ/熊谷玲美訳「太陽を創った少年」感想。
人物伝。2018年06月23日読了。(2018.09.23) - ジーン・マリー・ラスカス/田口俊樹訳「コンカッション」感想。
ノンフィクション。2017年08月07日読了。(2017.09.17)
「☆私的10点満点」カテゴリの記事
- リード・ホフマン他/大浦千鶴子訳「マスター・オブ・スケール 事業拡大の最強ルール」感想。2022年11月11日読了。(2023.01.22)
- 清水潔「殺人犯はそこにいる」感想。ルポ。2020年06月23日読了。(2020.12.31)
- ヤニス・バルファキス/関美和訳「父が娘に語る経済の話」感想。経済。2019年03月29日読了。10点/10点満点(2020.01.04)
- 金成隆一「ルポ トランプ王国」感想。2019年03月12日読了。10点/10点満点(2020.01.04)
- ハンス・ロスリング(&オーラ、アンナ)/上杉周作・関美和訳「FACTFULNESS」感想。世界を現す客観データ。2019年01月26日読了。100点/10点満点(2020.01.03)
「△高木徹」カテゴリの記事
- 高木徹「大仏破壊」感想。
ドキュメンタリー。2005年09月08日読了。(2005.09.09) - 高木徹「戦争広告代理店」感想。
ドキュメンタリー。2005年08月30日読了。(2005.08.31)
コメント