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2006/10/18

梁石日「ニューヨーク地下共和国・下」感想。
クライムノベル(?)。2006年10月18日読了。

ニューヨーク地下共和国 下 <br />
梁石日 /講談社 2006/09出版 449p 20cm ISBN:406213604X ¥1,890(税込)


ローランド・エメリッヒの映画よりつまらない小説だった。


要するに駄作ということだ。


1点/10点満点

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ここから先は思いっきりネタバレ。

●あらすじ1
ネイサン、ジョージ、サムの黒人3兄弟は、何もしていないのに警察官に呼び止められ、無視したらいきなり撃たれた。その後、マフィアから金を要求された3兄弟は、戦場カメラマンジャックに相談するも、らちがあかずマフィアと銃撃戦の末、対立するマフィアにかくまってもらうことにした。

▼ここまでの所感1
ここまでで約80ページ。9.11をテーマにした(らしい)「ニューヨーク地下共和国」と言うタイトルから察するに、黒人3兄弟がテロリストになっていく過程を描いた物語になるのか! と思いきや、3兄弟の出番はここでほぼ終わり。

●あらすじ2
戦場カメラマンジャックは、以前一緒に3年間の世界一周航海をした友人の建築家ゼムと、ゼムの従兄弟で証券マンのカウフマンと語らっていた。ゼムのもとにロシア人の大金持ちウラディミールから「9.11にテロがあるから気をつけな」と忠告され、その通りになった現実に戦慄した。その後カウフマンは、9.11のテロで航空会社の株を空売りして大儲けした企業の情報などをつかみ、証券取引委員会に訴えることにした。

▼ここまでの所感2
ここまでで370ページ。この部分の主人公はカウフマン。でもカウフマンはあっさり殺されてしまいます。そのため以降はゼムが主人公に。

●あらすじ3
ゼムとジャックは、テロと関係があったんじゃないかと疑われていた。そこで、旧知の仲間などと組んでデモを行うことにした。何度かデモを行ううちに、反戦デモ(イラク戦争反対)に変わっていく。それに危機感を抱いた政府と、政府の犬の警察はゼムたちを不当に捕まえたり。
そうこうしているうち、自由の女神が爆破され、ブルックリン橋が爆破され、それらは「ニューヨーク地下共和国」を名乗るテロリストの犯行だった。
そんな状況下、ゼムはウラディミールの妻ソーニャと浮気。
そしてゼムは、「ニューヨーク地下共和国」のメンバーと思われる人物と警察の銃撃戦に巻き込まれ死ぬ。

▼所感
結局の所、「ニューヨーク地下共和国」の正体は全く判らずじまい。

話の流れから読み取るに、最初は黒人3兄弟を主役にして、テロリストになる気など全くなかった青年が、いかにしてテロリストになっていくのか、を描こうとしたのだろう。

しかし、何らかの理由でその話はヤメにしてしまい、カウフマンを主人公に9.11で大儲けした会社を糾弾する経済小説的な話に大転換する。

しかし、経済の知識が薄っぺらく満足な仕上がりにならなかったためか、カウフマンの話も途中でヤメにして、作者としては魅力ある人物として書いたと思われるゼムを主人公にした反戦、そして反戦勢力を弾圧する政府や警察との対峙を軸とした話に変わっていった。

弾圧シーンは、説得力がありそうな書かれ方をしているが、ゼム側、警察側、両方ともむちゃくちゃ幼稚な理論で闘っており、読んでいて呆れることしばしば。

更に言えば、今の世の中のインターネットパワーを全くと言っていいほど軽視ししているため、話の展開に重みが全くない。

■呆れ
最初のアフガン戦争(ソ連侵攻の時)の時、戦場カメラマンジャックはアフガンへのビザを(アメリカで)申請したが半年待たされた、というエピソードが出てくる。戦場カメラマンが取材地へのビザを自国で申請するんだ。へえ。

というような細かな疑問がわんさか出てきて、うさんくささが増すこと増すこと。


★感想
梁石日は耄碌したのかね。今年で70歳らしいが。

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