大沢在昌「Kの日々」感想。
ハードボイルド。2006年11月17日読了。
大沢在昌 /双葉社 2006/11出版 480p 20cm ISBN:4575235660 ¥1,785(税込)
ハズレ作品がほとんどない作家のひとり、大沢在昌の新作。
宮部みゆきですら時たま手を抜いたようなふぬけた作品を出すことがあることを考えると、大沢在昌の安定感は素晴らしい。
で、本作。
情けないようでいて頼りになるのかも知れない主人公木(もく)と、事件に巻き込まれる普通の女ケイ。簡単じゃないけど難しくもない事件の顛末、ハードな設定の脇役が多数出てくるけど修羅場は少なく、ちょっとこぢんまりした印象を受けるが設定が設定だけにしょうがないのか。でもテンポ良く進む話は読んでいて飽きることがなく、極めて魅力的に書かれているケイの存在も相まって、今回も十分堪能しました。この作品は映画化し易そうなつくりになっているので、そのうち公開されるかも(テレビむきではない)。
新宿鮫シリーズが早晩完結に向かいそうな今、大沢在昌は(ようやく)新たなシリーズ作品の執筆に成功したのかな。
8点/10点満点
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