浅田次郎「地下鉄に乗って」感想。
ファンタジー。2007年03月05日読了。
浅田次郎 /講談社 1999/12出版 313p 15cm ISBN:9784062645973 ¥579(税込)
私が浅田次郎を読み出したのは「蒼穹の昴」からなので、それより前に出された浅田作品は読んだり読まなかったりである。「プリズンホテル」は当時の浅田作品で一二をあらそう評判の本だったので読んだが、あまりにも「蒼穹の昴」と系統が違うので、浅田次郎の昔の本を読みあさってもしょうがないや、と思い本書「地下鉄に乗って」も読まずのままだった。
これは「新宿鮫」を読んで、こりゃ面白い、とばかりに昔の大沢在昌作品を根こそぎ読みあさったけど、「新宿鮫」以前と以後では全くといっていいほど作風が変わってしまっていて、有り体にいえば「新宿鮫」以前の大沢作品はつまらんということなのだけれども、浅田次郎ももしかしたら同じかもしれないなあ、と思うに至った経緯があったので「プリズンホテル」以外の浅田作品はほとんど読んでいなかった。
昨年映画化されて話題になったので買うだけ買ってほったらかしにしていた本書、ファンタジーとして読んだらありきたりの設定とどこかで読んだことのあるような結末なので、そこを深く突っ込んではいけないのだろう。やはり浅田作品は人間味溢れるキャラクターと泣かせるストーリーがメインなのだなあ、と再認識した次第。
それにしても浅田次郎って作家は年々話の作り方がうまくなっていく。年齢とともに惰性で書いてしまう作家が多い中、これは素晴らしいことだなあ、と評論家のようなことを書いてみる。
6点/10点満点
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