手嶋龍一「ウルトラ・ダラー」感想。
本邦初のインテリジェンス小説。2008年02月05日読了。
手嶋龍一 /新潮社 2007/12出版 448p 15cm ISBN:9784101381152 \660(税込)
こんな駄作に手間書けるのが面倒なのでamazonに書いたレビューをそのまま転載。
本邦初のインテリジェンス小説、といわれている本書を今さらながら読了。
・心理描写がほとんど無く薄っぺら、かつ魅力に乏しい人物像。
・登場人物が多すぎて主人公が誰か判らないくらい。
・話が予想できてしまう陳腐な展開。
・たびたび発生する神様視点での描写。
・呆れるくらいつまらないラスト。
小説として読んだけど、すさまじく期待はずれのダメダメ駄作。
これはですな、ミステリファンが「密室ミステリの最高傑作」と絶賛している小説を、ミステリファンじゃない私が読んだとき、ちっとも面白くねえじゃねえか、と感じるときと同じがっかり感ですな。(例:私は、ミステリファンが絶賛している山口雅也の『生ける屍の死』のあまりのつまらなさに、200ページくらいで読むのをやめた)
そんでまあ、文庫版である本書の巻末には、佐藤優の解説が付いているのだが、
・冷戦後、日本人によって書かれた初のインテリジェンス小説だ。
・この小説は細部が実に面白い。
・『ウルトラダラー』はインテリジェンス小説の古典となった。
などと書かれている。
が、この佐藤優の解説をよーく読むと、どこにも「この小説は面白い」「この小説は傑作だ」のようなことは書いていないのだな。
絶賛しているのかと思えてしまうような書き方をしているけど、実はちっとも誉めていないのではないか? とも思えるこの解説は、佐藤優の精一杯の表現なのかな。
1点(駄作だってこと)/10点満点
| 固定リンク | 0
「◆小説・冒険小説」カテゴリの記事
- 船戸与一「残夢の骸 満州国演義9(完結)」感想。
歴史冒険小説。2015年05月11日読了。(2015.07.22) - 船戸与一「南冥の雫 満州国演義8」感想。
歴史冒険小説。2014年02月28日読了。(2014.03.12) - 大沢在昌「鮫島の貌-新宿鮫短編集」感想。
冒険小説。2014年01月30日読了。(2014.02.06) - 逢坂剛「さらばスペインの日日」感想。
イベリアシリーズ7(完結)。2013年12月17日読了。(2014.01.04) - フレデリック・フォーサイス/篠原慎訳「戦争の犬たち(下)」感想。
クーデター実行作戦小説。2012年10月08日読了。(2012.10.17)
「★惚れ惚れするほどの駄作」カテゴリの記事
- 宮田律「イスラム潮流と日本」読了断念記。
便乗本。2015年07月23日読了断念。(2015.08.14) - 佐藤良彦「ようこそタンザニア」感想。
駄本。2013年10月21日読了。(2013.11.06) - 船戸与一講演録「『満州国演義』に見る中国大陸」感想。
講演録。2012年09月15日読了。(2012.09.21) - 岡田理恵/長尾弥生/柳沢有紀夫「極楽アジアの暮らし方 マレーシア/インドネシア・バリ篇」感想。
ガイドブック。2004年09月08日読了。(2004.09.08) - ラブルース/クトゥジス「麻薬と紛争」一行感想。
ルポ。2003年10月16日読了。(2003.10.17)
コメント