原田武夫「北朝鮮 vs アメリカ」感想。
なんだこれ。2008年01月29日読了。
原田武夫 /筑摩書房 2008/01出版 222p 18cm ISBN:9784480064059 \735(税込)
まあ、なんだ。
一言で言うとトンデモ本。
北朝鮮が精巧な米ドル札の偽物を作っている、という話はアメリカが仕掛けた嘘で、実態はCIAが活動費を得るために秘密裏に偽ドルを作っているのだ、と言いたのだろう。
なぜこんな曖昧な感想になるかというと、結論として何が言いたいのかよく分からない本なのである。
まず出だし。
インテリジェンス小説として傑作の誉れ高い(らしい)手嶋龍一の小説「ウルトラ・ダラー」で、偽ドルは北朝鮮が作ったと断定している。それに対して疑問を投げかけることから、本書は始まるのだが…
本書100ページを過ぎても、「ウルトラ・ダラー」ではうんたらこんたら、と小説に書かれていることと現実を比較している。「ウルトラ・ダラー」はあくまで小説でしょ。何で小説に書かれたことと現実を対比せにゃならんのだ?
そのほかにも、BRICSに続く新興国のリストとして、ゴールドマン・サックスが挙げたネクストイレブンという国々があるのだが、その中にKoreaと記載がある。著者はこのKoreaを、韓国+北朝鮮=南北統一であると解釈する。なぜかというと、韓国は既に新興国ではなく先進国に近い。その韓国をゴールドマン・サックスがBRICSの次に来る新興国としてあげるのは不自然であり、韓国+北朝鮮と考えるのが自然である、と言いきっている。
バカ丸出し。
ヘンテコなところに印をつけたけど、多すぎて多すぎて。
この著者は、この本を出したことによって、これからも世間から無視され続けるんだろうな。
1点/10点満点
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