大前研一「ロシア・ショック」感想。
ビジネス本。2008年11月17日読了。
大前研一 / 講談社 2008/11 ¥1,575 (税込)
◆私が信用する数少ない経済アナリスト大前研一の最新ビジネス書。
◆私はロシア株の現物取引をやっているので、ロシアの情勢にはものすごく関心がある。(ちなみに今も持っているのはノリリスク・ニッケルとルクオイル。ロシア統一電力も持っていたが、知らない間に上場廃止され、半年近く経つのに金が戻ってこない)
◆オルガリヒと呼ばれているロシアの新富豪が、どうやって国営企業の経営権を手に入れていったのか謎だったのだが、本書でようやく理解できた。本書から引用すると「1992年、政府は国有資産(国営企業)を平等に分配する目的で、12歳以上の国民に対してバウチャーと呼ばれる株式引換券を発行した。これにより、全ての国民は国営企業の民営化に際して、1万ルーブル相当の株式を受け取る権利を得た。だが、ほとんどの国民はバウチャーや株式の意味、将来の勝ちを理解できなかった。以下略」
◆利に賢い奴ってのはどんな世の中にもいるのだね。
◆大前せんせいはメドベージェフの任期満了後、プーチンが大統領に再任するだろうと書いている。まああちこちで書かれていることだから、誰しもがそう思うのだろう。プーチンの強権は、西側社会に強い反発を買っているけど、経済的に、とううかビジネスライクに考えると、プーチン政権というのは必ずしも悪いことばかりじゃない。西側マスコミや西側の人権団体などは、チェチェンで起きている人権弾圧は許せない、ようなことを言っているけど、アメリカはイラクを虐めているし、中国もチベットやウイグルを虐めている。政治の世界は、見る角度によって、まったく異なる評価になる。
◆ロシア株(モスクワ証券取引所上場株)は、リーマンショック以降世界でも相当下落率が激しいけど、ロシアの将来を考えると、ロシア株はまだまだ仕込み時って感じ。
7点/10点満点
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