谷口正次「次に不足するのは銅だ」感想。
資源減少警鐘本。2009年04月28日読了。
谷口正次 / アスキ-・メディアワ-クス (角川グル-プパブリッ) 2008/12 ¥789 (税込)
◆概要(紀伊国屋Bookwebより)
問題は、レアメタルではない!「産業の血管」である銅さえも、あきらかに生産のピークを迎えた。
あらゆるメタルを爆食し世界中の鉱山を買い占める中国と、超大型合併で寡占が進む資源メジャーが死闘を繰り広げるなか、日本はどのようにして「ものづくり」を続ければいいのか?新しい資源ナショナリズムと資源獲得競争を生き抜く道を探る。
◆以前「レアメタルパニック」という本の感想を書いた。この種の本がかなり好きで、石油を含めたエネルギーの奪い合いが起こると予測する「エネルギー争奪戦争」、水の取り合いが始まる「ウォーター・ビジネス」「ウォーターマネー」「水戦争」なども読んでいる。今回読んだのは、レアメタルや石油や水などではなく、銅など普通の金属がだんだんと手に入らなくなってくるというもの。
◆本書で指摘されている警鐘内容は、かなりの説得力を持って展開しており、また鉱物資源の採掘に関する基礎の基礎的な知識も得ることができ、アスキーから出た本とは思えない優れた内容であった。
◆タイトルが示すとおりの内容が丁寧に書かれており、そういう意味では読者の期待を裏切ることはない。さいきんは読者の期待を裏切るような中身のない本が多い中、この手のテーマに興味を持っている人は買って損のない一冊と言える。
8点/10点満点
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