下川裕治「鈍行列車のアジア旅」感想。
紀行文。2011年10月09日読了。
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フィリピンには何冊か日本語の本を持っていったが、読んだのはこの本だけ。主に飛行機の中で読み、ダバオ→マクタンの飛行機の中で読み終わった。
◆内容(紀伊國屋Bookwebより)
第1章 マレー鉄道―バンコクからシンガポールへ
第2章 ベトナム―ホーチミンシティからハノイへ
第3章 台湾―台湾一周
第4章 韓国―釜山からソウルへ
第5章 中国―北京から上海へ
第6章 フィリピン―マニラからビニャンへ
第7章 中国東北部―大連から長春へ
◆感想
1990年、「12万円で世界を歩く」を上梓し、世間をあっと言わせた1954年生まれの下川裕治。氏は以降、貧乏旅行ライターとなり、貧乏旅行を楽しんでいる本を多数出版している。
本書はタイトルのまま、鈍行列車でアジアを旅する紀行エッセイである。
世界中どこに行っても、街から街への移動はバスが中心になっていて、列車での移動自体が珍しくなっているこのご時世に(鉄道網が発展しているのって日本とヨーロッパくらいじゃないのかなあ)、敢えて鈍行列車で旅をするという企画本である。
元は朝日新聞社のWebサイトに2010年3月から12月まで連載されていた記事に、加筆と写真を追加した文庫書き下ろし本。
本書は、鈍行列車でアジアを旅し、旅先で起こる出来事や苦労話を発生した順番に書いていている。多少の下調べはしたけど、実のところ細かな計画無しの行き当たりばったりの旅っぽく感じる。とはいえ、これは下川裕治の典型的な作風でもある。
わざわざ鈍行列車で旅するなんて苦労しただろうなあ、と思いながら読んでいると、本文中に「時刻表の文字は小さい、五十代も半ばにさしかかり…」とか言いながらも、けっきょく貧乏旅行を楽しんでいる著者がいる。そして、悪戦苦闘しながら貧乏旅行をしている著者のことを、読者である私は時にクスっと笑いながら、時にバカだなあと思いながら、でも五十代になってもこういう旅ができるのは良いなあと思いながら読むんでいる。
で、個人的には、今まで読んだ下川本の中で一番面白かった。
著者が辿った7つのルートのうち、私は台湾鐵道の一部分、たった2時間しか乗ったことがないけど、でも鉄道旅ってワクワクするんだよね。私が鉄道好きだからだろうけど。だから面白く感じたのかもしれない。
8点/10点満点
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