田崎晴明「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」感想。
タイトルの通り。2013年06月04日読了。
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この本は書籍としても販売されていますが、著者(学習院大学理学部教授)のWebサイトでPDF版をダウンロードすることも出来ます。
本書は、
・すべての物質は原子から出来ている。
・原子は、原子核と電子から出来ている。
・原子核は、陽子と中性子から出来ている。
・陽子と中性子の数のバランスが悪いと、その原子核は崩壊する(核分裂)。
・崩壊する際に、ヘリウムや電子や中性子を放出する。これが放射線となる。
・この放射線は、化学反応などと比べると桁違いのエネルギーがあり、DNAを傷つけ、癌や白血病を引き起こす。
という物理学の話から始まって、
・シーベルトとはなんぞや。
・ベクレルとはなんぞや。
・1ミリシーベルトは、何ベクレルに相当するの?
・バナナに放射能があるって本当?(カリウム40のこと。カリウムは人間の必須ミネラルで、体重の0.2%はカリウム。そのカリウムは一定の割合で放射性カリウム=カリウム40が混ざっており、体重1kgあたりおおよそ60ベクレル。人間は生きているだけで必ず内部被曝している。おおよその目安として0.18ミリシーベルト/年)
というようなことが書かれている。前半の物理学部分は、中学生程度の理解力があれば理解できるように書かれている。但し、ちょっと書き込み不足な部分もあり、そういうところはネットで調べつつ読みましょう。
(例:ヨウ素131の半減期は約8日。1gのヨウ素131があると仮定すると、8日後には0.5gに減っている。……と書かれているが、正確には0.5gのヨウ素131と、0.5gのキセノン131になる、と書いた方が良いような気がする)
興味のある方は読んでみるとよろし(PDFなら無料だし)。
7点/10点満点
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