ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳「犬の力・下」感想。<br />メキシコ麻薬戦争小説。2014年04月14日読了。
上巻は4~5日かけて読んだが、下巻は一日で一気に読んだ。
ストーリーは文句なく面白い。ノンストップで先を読みたくなる面白さだ。
だが、不満もたくさんある。
後半になればなるほど、映画のシナリオ的な神様視点の描写が増え、ちょいと白ける(好き嫌いなので個人差があると思います)
メイン主人公のアート・ケラーのクソ甘っちょろい考え方は、アホ、ボケ、殺されてしまえ、というくらい甘っちょろくて、こいつをメイン主人公に据えたのはなぜなのか理解に苦しんだ。たぶん、キリスト教徒アメリカ人の標準的な考え方なのだろうが。
※訳者あとがきによると、本書のタイトルである「犬の力」とは、旧約聖書に出てくる言葉なのだそうだ。
主人公クラスの登場人物が多数いるので、誰に感情移入して読めばいいのかなあ、アート・ケラーは自分の目的のために仲間の命を奪われてしまうくそったれ(個人の感想です)なので感情移入できないなあ、などとも思ったり。
カランは、バイクを始末するという思考に至りながら、同じ場所に1ヶ月も滞在した。何でだ?なんでそんなバカな行動をしたのだ?
大桃、小桃、オバップは、なぜ手下と化したのか?どこか読み落としたかなあ。
下巻p265
ノーラはラウルに電話して、その旨を伝え、切った後で、リーに言う。「うちのボスにも電話して、予定変更の了解を取らないと」
なんでリーはこれをOKするのかなあ。それまでの慎重な行動からは理解できないなあ。
という細かい好き嫌いはあるけど、ストーリーは面白かった。
人を殺す描写が多すぎるが。
7点/10点満点
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