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2017/01/19

白石隆「崩壊 インドネシアはどこへ行く」感想。
近代史。2016年11月19日読了。

著者の白石隆氏は「海の帝国―アジアをどう考えるか」2013年01月10日読了。7点(難しかったー)。を書かれた人で、東南アジア、中でもインドネシア政治研究のエキスパート。現在はJETROのアジア経済研究所所長

本書は、インドネシアの独裁者スハルト政権が崩壊した(1998年)翌1999年に出版された本。

スハルト政権時、スハルトファミリー&取り巻きがどのようにインドネシアを食いものにしていったのか、スハルト退陣を受けて3代目大統領となったハビビが出版時点でどのような政治運営を行っているのか、などが書かれている。

インドネシア政治のディープな話なので内容紹介は割愛。

スハルト政権崩壊はもう19年も前のことになる。今のインドネシア経済の最前線にいる40代の人たちはスハルト政権下の良い面と悪い面を両方見ている。30代の人はスハルト政権末期の悪い面を覚えている。20代の人はスハルト政権のことをよく知らない。10代の人はスハルトを知らない。ハビビの後、ワヒド、メガワティ、そしてスシロ・バンバン・ユドヨノ(この第6代大統領は評価が高い)、そして現大統領のジョコ・ウィドドと、インドネシアは確実に西側民主主義政治が根付いてきている。

これからのインドネシアを担う人材は、政治の力で豊かな社会を作れると確信しているに違いない。

インドネシアなんてイスラムで子だくさんで貧乏人がたくさんいる、と思っているあなた。それは間違い。古い。

今のインドネシアは人口が2億5800万人(日本は1億2700万人)、
そのうち24歳以下が1億1000万人(日本は2900万人)、
大学進学率が32%(調査機関によっては40%を超えたとも)(日本は約50%)、

単純計算してください。大学生の数では、日本はすでにインドネシアに抜かれている可能性が高いのですよ。

また出生率が2.6(調査機関によっては2.13という数字も)(日本は1.41)と先進国の数字に近づいてきています。これの意味するところは、少ない人数の子供にたっぷり教育費をかける、ということがインドネシアでも起きているのですよ。


7点/10点満点

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