田中真知「へんな毒 すごい毒」感想。
毒の解説。2017年03月27日読了。
読み終えた本が貯まったのでブログ再開します。
本書の著者田中真知さん(男性)は、アフリカのコンゴ川の川下りなど冒険も行う旅行作家兼サイエンスライター兼翻訳家の方です。というか、本書で初めてサイエンスライターもやっていることを知りました。
氏の本は「たまたまザイール、またコンゴ」2015年07月10日読了。など数冊読んでいます。
本書は毒に関して広く浅く解説している本。なかなか興味深く読みました。
毒はざっくりと、植物由来のもの(化学物質)、動物由来のもの(化学物質)、動物(細菌やウィルス)、鉱物由来や人工生成されたもの(ヒ素やVXガスなど)に分けられ、毒の強さは半数致死量(LD50)という数値で表される。
人工毒で最も強力なのはVXガス。LD50は0.015mg/kg (/kgは体重1kgあたりを示す。体重60kgの人間なら数値を60倍する)
サリンは0.35mg/kg
フグのテトロドトキシンは0.01mg/kg
破傷風菌が出す毒素テタノスパスミンが0.000002mg/kg
ボツリヌス菌が出す毒素ボツリヌストキシンが0.0000003mg/kgで地上最強の毒。
フグの毒テトロドトキシンはフグが生成しているのではなく、フグの体内にいる緑膿菌という細菌が出していることが研究の結果分かった。緑膿菌は、フグの餌であるカニやヒラムシに寄生しており、それを食べることでフグの卵巣や肝臓にテトロドトキシンが濃縮されるのだそうだ。さらに言えばカニやヒラムシは緑膿菌が付着しているプランクトンを食べている。
なるほどなあ。
6点/10点満点
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