ジーン・マリー・ラスカス/田口俊樹訳「コンカッション」感想。
ノンフィクション。2017年08月07日読了。
脳震盪は今まで思われていた以上に、脳に深刻なダメージを与える。
脳震盪で脳にダメージを受けた人は、奇行が目立ち、死後に脳を解剖すると、特定の痕跡がみられる(CTEと呼ばれる)
本書は、ナイジェリアからアメリカに医学留学し、その後アメリカに定住、検視官の職を得、数多くの遺体を解剖してきたベネット・オマルが、偶然NFL(アメフト)のスーパースター(引退後奇行が目立った)の脳を解剖したところ、顕著な特徴がみられたことから、従来ボクシングのパンチドランカー特融と思われていた脳障害は、実は脳震盪によって引き起こされるということを突き止めた実話を、ベネット・オマルを主人公に据え、オマルの半生を描きながら、脳震盪が引き起こす様々な悪影響を解明したノンフィクション。
脳震盪に関する部分は面白いのだが、主人公があまりにも変人(人と接することが嫌いな鬱病持ちの異邦人)なので、イマイチのめりこめない。
悪くはないのだが。
6点/10点満点
| 固定リンク | 0
« 加藤文元「ガロア 天才数学者の生涯」感想。
ノンフィクション。2017年08月04日読了。 |
トップページ
| 稲田十一「紛争後の復興開発を考える ‐アンゴラと内戦・資源・国家統合・中国・地雷‐」感想。
国際情勢。2017年08月10日読了。 »
「●海外作品(原著英語)」カテゴリの記事
- サイモン・シン/青木薫訳「数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち」感想。2023年7月11日読了(2024.01.03)
- ジミー・ソニ/櫻井祐子訳「創始者たち」感想。2023年6月14日読了(2024.01.03)
- ダニエル・ヤーギン/黒輪篤嗣訳「新しい世界の資源地図」感想。2023年5月14日読了(2024.01.03)
- パラグ・カンナ/尼丁千津子訳「移動力と接続性(下)」感想。2023年3月22日読了(2023.05.29)
- パラグ・カンナ/尼丁千津子訳「移動力と接続性(上)」感想。2023年3月7日読了(2023.03.26)
「◇ノンフィクション」カテゴリの記事
- 河野啓「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」感想。2023年2月21日読了(2023.03.26)
- 野地秩嘉(のじつねよし)「ビートルズを呼んだ男」感想。人物伝。2022年6月19日読了。(2023.01.20)
- 大西康之「ロケット・ササキ」感想。伝記。2019年05月07日読了。8点/10点満点(2020.01.04)
- トム・クラインズ/熊谷玲美訳「太陽を創った少年」感想。
人物伝。2018年06月23日読了。(2018.09.23) - ジーン・マリー・ラスカス/田口俊樹訳「コンカッション」感想。
ノンフィクション。2017年08月07日読了。(2017.09.17)
コメント