北岡伸一「国連の政治力学」感想。
政治。2017年10月11日読了。
著者北岡伸一氏は、東大法学部卒後、立教の教授、東大の教授を経て、2004-2006年、外務省へ出向し国際連合日本政府代表部次席代表・特命全権大使を務めた方。
国連時代の経験をもとに書かれたのが本書。2007に出版され、私が買ったのは2016年の第3版。
国連も政治の場である。
国内政治と違って、与党がいない政治の場である。
したがって、政策ごとに各国の全権大使と連携を取り、多数派工作をする。
このあたりの話は、中小民間企業に勤めている人にとっては、実にくだらない。小役人(言葉が悪くてすまん)の世界である。しかしながら、国連は世界中の国を代表している人たちの集まりである。やっていることは小役人と変わりがないのだが、結果のスケールが違う。国連軍を武力介入させるとか、一国の経済に大ダメージを与える経済制裁を科すとか、一国の大統領を名指しで批判するとか。
そういう現場にいた著者が、現場でしか味わえない臨場感(?)を出して書いているのが本書。
自己肯定のために手前味噌になっている部分は多々見受けられるが、なかなか面白かった。
7点/10点満点
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