臼杵陽「中東の世界史」感想。中東史。 2020年01月19日読了。
一冊の本で中東史の概略を学べる。これは素晴らしいことである。
・P104に「子供の誕生」という概念が出てくる。
1800年代、子供は労働力であるという考え方から、子供を保護して大人になるまで育て、次の子供を育てる。労働力の再生産という概念である。こういう考え方があるのかと素直に驚いた。
私個人的には、本書は第6章以降、興味深い内容が次から次へと書かれている。
・P246
(1948年の第一次中東戦争以降)ヨルダンにとって邪魔者は誰かというと、パレスチナの指導者であったフサイニーである。ヨルダン国王アブドゥッラーは現在のシリアレバノン、ヨルダン、パレスチナ自分の支配下に置きたいという野望があり、(イスラエルの)シオニストと握手できても、フサイニーとは握手できない。
パレスチナに対するイスラエルの横暴に、なぜアラブ諸国は助けを出さないのか。理由の一例である。
7点/10点満点
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