野地秩嘉(のじつねよし)「ビートルズを呼んだ男」感想。人物伝。2022年6月19日読了。
1966年(私の生年)に、ビートルズは来日した。
ビートルズの来日公演を手掛けたプロモーターは永島達司(タツ)氏といい、本書の主人公である。
永島氏はキョードー東京、ウド―音楽事務所の創立者、音楽出版社大洋音楽の代表とのこと。
本書の著者野地氏は、本書の執筆にあたりポール・マッカートニーにインタビューしている(プロローグ)。インタビュー前年に妻を亡くしたばかりのポール・マッカートニーが、「タツ(永島氏)のためならいくらでも質問に答えよう」というくらい、永島氏はビートルズに信用されていた。これがプロローグである。
著者の筆致も心地よく、とても軽快である。音楽出版=著作権の世界は難しい(参考ビートルズの楽曲著作権がどのように売り買いされていったのかその詳細を書いた「ノーザン・ソングス」)のだが、本書はその難しさを表にあまり出さず、一般読者にわかるように丁寧に書いている。
丁寧かつ軽快。ノンフィクションの良いところがすべて詰まった、素晴らしいノンフィクションであった。
9点/10点満点
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