高野秀行「ビルマ・アヘン王国潜入記」感想。
ドキュメンタリー。2005年09月15日読了。

高野秀行・たかのひでゆき
草思社 1998/10出版 277p 20cm ISBN:4794208499 ¥1,995(税込)
高野秀行という無茶な人辺境ライターが、阿片の密造を行っているビルマの奥地に潜入、現地に6ヶ月暮らし、潜入前後譚を含め細大漏らさず取材したドキュメンタリー。
高野が中国語やビルマ語を話せるという語学の才能の持ち主だからなせた潜入記。
しかも高野自身が阿片中毒になるというおまけ付き。
迫真のドキュメンタリーになり得るほどの取材を行いながら、緊迫感は薄く、ほんわかした内容になっている。
これは悪い意味ではなく、高野秀行にしか出せない味であり、魅力であり、特色である。
そしてそのほんわか感は、読者に不思議な安らぎを与える。
この本と同じテーマを「戦争広告代理店」の高木徹が書いたら、別の角度から取材を行い、ビルマの国としての問題点、薬物汚染の問題点、関係人物の背後関係などを中心とした全く別な作品ができあがることだろう。少なくとも高木徹が書いたら紀行文風の記述はないだろう。(お断り:この本でもビルマの問題点はいっぱい指摘されています)
しかし、高野作品にそんなことは求めていないから、高野は高野らしく突っ走って欲しい。
この本の金銭的価値:1,995円以上。
9点/10点満点
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