池上彰「ニッポン、ホントに格差社会?」感想。
社会問題解説書。2007年01月23日読了。

池上彰 /小学館 2006/11出版 207p 21cm ISBN:9784093897051 ¥1,470(税込)
「邪魅の雫」があまりにもアレなので、一旦脇に置いてしまいましたとさ。
「週刊こどもニュース」の池上せんせいの易しい社会問題解説書。
・日本の政府は(諸外国と比べて)巨大である?
・日本の財政赤字は(諸外国と比べて)多い方?
・日本の原子力発電は普通の先進国並み?
・日本は小さな島国?
・日本の医療は(諸外国と比べて)レベルが低い?
などの結構興味深い30個のテーマに関して、公表されているデータから、「その認識は正しい」「間違っている」「どっちとも言えない」に分類していく。
なかでも、
・日本の生徒の学力は低下している?
に関しては、私もその記事をニュースで読み、「やっぱりゆとり教育なんて間違っとるねえ」とか「ゆとり教育っちゅうのは教師が休みたいだけじゃろ」などと思っていたのだが、池上せんせいに依ると、
1981年に日本は数学学力1位だったが、1999年には5位になってしまった、そりゃ大変だ、
と簡単に結論づけるのは間違いで、同じ土俵での比較なのか調べないとあかん、となる。
で、調べる。すると、1981年の調査参加国は20カ国、対して1999年の参加国は38カ国で、1999年に日本より上位になった国はすべて1981年の調査に参加していない国なのだ、ということは、1981年の1位は強豪国が参加していない中で取った1位であって、1999年に順位が下がったからといって、日本の生徒の学力が低下しているとは言えんぞな、と本書では述べられている。(ちなみに日本より上位なのはシンガポール、韓国、台湾、香港)
こういう統計データの誤った引用が問題であるというのは、「データの罠」でも指摘されていることなので、統計は正しく使わないと世論操作につながり兼ねないのだなあ、と思う次第です。
7点/10点満点
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