勝俣誠「アフリカは本当に貧しいのか」感想。
アフリカ人文書。2007年02月26日読了。

勝俣誠 /朝日新聞社 1993/09出版 258p 20cm ISBN:9784022595829 ¥1,470(税込)
1993年に出版された本。14年も前である。本書の奥付に載っている著者プロフィールでは、現在明治学院大学国際学部教授および同大学国際平和研究所所長、とあるが古いので2007年の今のことは判らない。
本書は、著者が1980年代初頭にセネガルの首都ダ・カールに2年間留学し暮らし体験したこと、その後本書が出版されるまでの10年間西アフリカについて研究したことがまとめられている。エッセイ的な要素が3割、研究書の要素が7割といった感じ。
14年前に書かれたにもかかわらず、今読んでも古さを感じさせない。
西アフリカに関する考察(研究)が的を射ていることと、西アフリカの開発が14年前と比べそれほど進んでいないことが古さを感じさせない理由と思う。最後の50ページは感心することが多く書かれていた。
NGOによる西アフリカへの物的支援も、場合によっては現地で商売をしている人たちの営業妨害となりうる。例として挙げられていたのは日本で捨てられた古自転車を回収し、わざわざ高い金をかけてアフリカへ輸送するプロジェクトである。NGOはその古自転車を無料もしくは格安で現地の人々に配るのだろうが、それにより現地で自転車を販売している商店主は大打撃を受けてしまう。また、日本から入ってくる良質な自転車が壊れた場合、変速機やディスクブレーキなどの部品が手に入らないことが多い。壊れてしまったら結局現地で捨てられることになってしまう。
このような主張は他の本で読んだような気もするが、本書ではなかなか説得力ある言葉で書かれていたのが印象的であった。
また、アフリカの砂漠緑化についても考えさせられる見解が載っていた。
曰く、日本人などが進行する砂漠化を防ぐため、紙おむつの保水材などを使い砂漠緑化を大金を注ぎ込んで実施している。最終的には砂漠を耕地に変えようという目論見らしいが、果たして砂漠が耕地に変わったとして、誰がそこに住んで作物を栽培するのだろうか、というものである。
砂漠緑化に大金をかけるよりも、砂漠化している土地に住んでいる人たちを豊饒な土地に移住させ、その国の農業生産性を上げた方がその国の人たちは豊かに暮らせるのではないだろうか。結局のところ砂漠緑化など先進国の勝手で行われている事業なのだな。
7点/10点満点
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