桃井和馬「破壊される大地」感想。
岩波フォトドキュメンタリー。2007年02月22日読了。

桃井和馬 /岩波書店 2003/12出版 77p 22cm ISBN:9784000269674 ¥1,890(税込)
「DAYS JAPAN」の広河隆一が総編集長となって発刊された「岩波フォト・ドキュメンタリー世界の戦場から」というシリーズの一冊。
このシリーズは、約40ページのモノクロドキュメント写真と、写真家自らが書く約30ページの解説で構成されている。撮影者である写真家は、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の会員である(らしい)。
本書の内容(岩波書店ホームページから引用)
有限の天然資源をめぐって,投機ゲームが人間の欲望を爆発させ,自然破壊が進行し,慢性的な飢餓,戦争と殺戮が過熱化している.深刻化する砂漠化,消えゆく森林,土壌流失,終わらない紛争.破壊されていく地球の現場を求めて,アフリカ,アジア,シベリア,中南米とジャーナリストは撮り歩き,環境と人間との共存を考える.
先進国の傲慢さで切り開かれていく発展途上国の森林。
砂漠化する大地。
スラム化する都市。
ゲリラに両手を切断されたシエラレオネの人々。
人民を抑圧する独裁者。
内戦がきっかけで引き起こされた虐殺の跡。
本書に載っている写真のテーマは、もしかしたら陳腐なのかも知れない。
しかし、限られたページ数の中にテーマを絞って盛り込まれた写真は、強烈なメッセージを伴っている。
本書の解説ページに、ルワンダの大虐殺は食糧不足が原因だった可能性について書かれている。
ルワンダは1950年から1990年までの40年間で、人口が200万人から800万人に4倍増となった。1家族あたり2ヘクタールの農地は人口増により0.7ヘクタールに減った。1990年の国民一人一日あたり1000キロカロリーまで農作物の収穫が減っていた。人が増えると、煮炊きに使う薪の使用量も増える。薪を作るため森林を伐採する。森がなくなると保水力が失われ、雨が降るたび土壌が流され、大地は作物を育てる栄養素を失っていく。
虐殺を行ったフツ族は人口の84%を占め、農耕を中心としている。
虐殺されたツチ族は人口の15%で、牧畜を行い、ルワンダでは支配階層だった。
ルワンダ大虐殺のきっかけは、フツ族出身の大統領が乗った飛行機が墜落したことにはじまる。墜落直後から「ツチを殺せ」という流言が広まる。
満足に食べることが出来ていたら、フツ族の普通の人たちは流言に惑わされただろうか?
というのが著者の問いかけである。説得力のある説だ。
8点/10点満点
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コメント
はじめまして。
ルワンダの大虐殺の裏には食糧難といった事実もあったのですね。
はじめて知りました。
貴重は情報をありがとうございます。
あと、「ルワンダ大虐殺」という本のTBさせていただきました。
迷惑でしたら消してくださってかまいませんんので。
投稿: シン@偽哲学者 | 2007/02/27 13:24