山本美香「ぼくの村は戦場だった」感想。
戦場ドキュメント。2007年03月25日読了。

山本美香 /マガジンハウス 2006/11出版 255p 19cm ISBN:9784838716852 ¥1,575(税込)
著者は1967年生まれの女性戦場ジャーナリスト。CS放送の記者からフリーに転身し、現在は独立系通信社ジャパンプレスに所属しているとのことです。ジャパンプレスの代表は佐藤和孝氏で、彼の著書「戦場でメシを食う」は以前当ブログにて取り上げました。
本書にはアフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラクでの戦場ドキュメントが掲載されています。それぞれ戦時下もしくはそれに近い状態の時に取材しています。平易かつ優しい文体で書かれているためか、書かれている内容をさらっと読んでしまうと戦時下であることを感じさせないのですが、じつはとんでもない時期に取材をしていることが判ります。911のテロが起きた日にアフガニスタンの北東部ファイザバードで取材をしていた、というのはその最たるものでしょう。
そういうことをふまえた上で本書の感想を書くと、
誰に読ませたいのか判らない本
と思います。タイトル「ぼくの村は戦場だった」からは中高生に読んでほしいように思うのですが、必ずしも全ての章各節が「ぼくの村は戦場だった」というテーマで書かれているわけではないため、タイトルの割に焦点が絞り切れていない感じを受けます。
また書かれている順番に一貫性がなく、例えばアフガンの章では、1996年のアフガン初取材→たぶん96年のマザリシャリフの女学生への取材→97年バーミヤン取材→01年バーミヤン大仏破壊後の取材→00年頃?のマスード総司令への取材→ファイザバードの女学生への取材→911テロ、カブール空爆の取材、等々。著者は一貫性を持って書いているつもりなのかもしれないのですが、読んでいる私はときどき「このエピソードはいつの話なんだ?」とか「ここでこのエピソードが必要なのか?」と感じるのでした。
結局のところ、何をテーマに書いたのか、誰に読んで貰いたくて書いたのかが判らず、とてもピンボケな印象を受けてしまうのです。
実にもったいない。
普通の人、いや普通のジャーナリストでは経験できない貴重な場にいたのだから、もっとテーマを絞って書いた方が数倍良い本になったのに。
5点/10点満点
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