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2007/03/28

河内孝「新聞社 破綻したビジネスモデル」感想。
いわゆる新書。2007年03月27日読了。

新聞社(新潮新書 ) 破綻したビジネスモデル
河内孝 /新潮社 2007/03出版 220p 18cm ISBN:9784106102059 ¥735(税込)

概要(紀伊国屋bookwebより引用)

新聞という産業は今、様々な危機に直面している。
止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し―そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。
いったい新聞は大丈夫なのか。
生き残る方策はあるのか。
元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。

第1章 新聞の危機、その諸相(朝日と読売の「共闘宣言」;異常な販売コスト ほか)
第2章 部数至上主義の虚妄(新聞は「あちら側」;言論と企業活動のギャップ ほか)
第3章 新聞と放送、メディアの独占(相次いだメディアの「不祥事」;空文化した「放送政策の憲法」 ほか)
第4章 新聞の再生はあるのか(産経新聞の実験―夕刊廃止と低価格;携帯電話と読者の高齢・無職化 ほか)
第5章 IT社会と新聞の未来図(新聞版のロングテール;ポータルサイト争いで完敗 ほか)

著者:河内孝[カワチタカシ]
1944(昭和19)年東京都生まれ。慶応大学法学部卒業。毎日新聞社会部、政治部、ワシントン支局、外信部長をへて編集局次長。その後、社長室長、東京本社副代表、中部本社代表など経営の要職を歴任し、常務取締役(営業・総合メディア担当)を2006年に退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





とても惜しい気がする本です。

著者は毎日新聞社に勤め常務にまでなった方です。その立場で知り得たもしくは肌身に感じた新聞の危機を、自己批判を含め余すことなく伝えているような内容です。

新聞に未来はあるのか、新聞社が抱える問題とは何かという提起から始まり、問題の根幹は新聞社がテレビ局の大株主であるところ、つまりメディアの寡占化であるという一つの結論を出し、新聞業界の再編を提案しています。

その内容にはそれなりに説得力があり、ナベツネを筆頭とした世の中を動かしてると勘違いしている老害人物が未だ実権を握っている新聞社の阿呆ぶりがよく判ります。

しかし、本書で提案される改善案は所詮身の回りにいる人たちの意見を聞きそれを元に新聞社出身の著者が考えた意見に過ぎません。薄っぺらいわけではありませんが、この著者はインターネットの本質が見えていないように思えます。(ちなみに私はNiftyに入って今年で15年になります。アナログモデム・パソコン通信の時代です。インターネットはmosaicというブラウザの頃から始めていますし、会社ではテレビ番組制作の傍らインターネット&携帯コンテンツ供給も行っていますので、そんじょそこいらの人より詳しいという自負はあります)

著者は、新聞の発行形態が紙であろうとネット配信になろうと、記事を書く段階では記者の取材力および構成力がものをいう、という意見を述べています。私もそう思います。

さらに著者はネット先進国であるアメリカや韓国の新聞社事情を分析し、今後新聞社が進まざるを得ない未来として、ネットを使った記事の有料配信にたどり着きます。

近い将来の新聞社は、抱える記者の多さを活かし、例えば経済ニュース、株式ニュース、農業ニュース、漁業ニュース、社会ニュース、など専門領域ごとに数十種類にカテゴリー分けし、それぞれに有料購読者が5,000~10,000人いれば、新聞社としてペイすると述べています。

そこまで分析できていながら、なぜもう一歩踏み込めないのか。

とても惜しい気がする本です。

インターネットのニュース配信は今は無料で読めますが、近い将来、有料でなければ読めなくなる時代がくるような気が私はしています。無料配信記事には必ず広告がつきまとってくるため、有料配信記事に人々が流れるように思えるのです。今ソネットM3という会社がやっているAskDoctorという医療相談サイトが先駆的存在と考えられます。

その前提に立った上で、インターネットの有料配信記事に対して、一ヶ月に払える金額はいくらくらいなのか。私なら1カテゴリー300円まで、月3~5カテゴリーが上限と考えています。

では月額300円としたとき、記者が新聞社から独立したときのペイラインを考えます。最低1,000人の有料購読者がいれば、月間売上は30万円になりますので、個人として働くにはぎりぎりやっていけます。

著者の言葉によると、企業として運営するためには最低5,000人がペイラインです。

5,000人の有料購読者を集めるのは企業の看板のおかげか、記者の取材力の賜物か?

新聞社の看板がなければ取材できない記者は所詮その程度の記者なのです。

世の中の人々から金を取れる記者は、新聞社(やテレビ)の看板がなくても自前の行動力でがんがん取材し、知られざる出来事を世の中に伝えます。

私の予想する近未来での新聞社は、有能なフリーランスジャーナリストと何人独占契約をしているか、によって優劣が決まってくるように思います。


話変わります。今日テレビのニュースでミャンマーの遷都のことを放送していました。それに関連した感想として、なぜ日本のメディア(新聞テレビその他)は、アウン・サン・スー・チーがミャンマーではそれほど人気がないことを伝えないのでしょうか。少なくとも私が知っている限り、父親のアウンサン将軍ほどは人望がないということです。そういうことを伝えないから、日本のメディアは信頼を失っていくのではないでしょうか。


※すいません、かなりまとまりのない感想になってしまいました。気が向いたら後日手直し入れます。


5点/10点満点

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