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2007/03/30

桜井春彦「アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る」感想。
駄本。2007年03月29日読了。

アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る
桜井春彦 /洋泉社 2007/04出版 253p 19cm ISBN:9784862481306 ¥999(税込)

本屋で前書き部分を立ち読みし、シオニスト批判やネオコン批判が載っていたので、「お、結構いけるかも」と思い買いましたが....


「フリーメーソン世界征服のシナリオ!」のような本と同じレベルのトンデモ本でした。

著者は電波を出している人で、著者の言いたいことが理解できる人は、たぶん電波を受信できる人だと思います。

善良な方は、本書を読まない方が良いと思います。

1点/10点満点

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本書は、途中までまともだったのにだんだんおかしくなってくる、のではなく、ほぼ最初っから変です。そういう意味では良心的です。


というわけで、本書がトンデモ本であることの根拠を以下に記します。

◆1◆ 序章・疑惑のアメリカ帝国 のヘンテコ
911のテロのついて書いているのだが、唐突に以下のようなことが出てくる。

本書25ページから引用
『しかし、何が9月11日に起こったのかは正確にはわかっていない。
 南北2タワーに旅客機が激突する様子は撮影されているが、その後の崩壊は合理的に説明されていない。まして旅客機の激突と関係ない7号館がなぜ崩壊したのかは謎だ。そのあまりの不思議さに俳優のチャーリー・シーンも疑問を表明している。』

(1)ビル崩落後、様々なテレビ番組に築学者が数多く出演し、崩壊に至るメカニズムはじゅうぶん合理的に説明されていたと思うけど。もしかしたらビル崩落の理論が著者には難しくて理解できなかったのかな。

(2)チャーリー・シーンがいつそういう表明を出したのかが書かれていない。

(3)というか、チャーリー・シーンの意見などどうでもいい


◆2◆ 第1章【シミュレーション】イラン攻撃はアメリカ帝国崩壊への一里塚となる のヘンテコ
著者はアメリカがイランを攻撃する可能性に関連し、イスラエルがヒズボラ掃討を名目としてレバノンに軍事侵攻、する悪夢のシナリオを一例としてあげているのだが、

本書35~36ページより引用
『イスラエル軍はヒズボラ掃討を名目としてレバノンに軍事侵攻し、そのままシリアに攻め込んで大規模な軍事衝突に発展する。

中略

イスラエル軍の侵攻に対し、シリア側も応戦して戦闘が激化する。そうした中、イラクでは政府の施設が爆破され、少なからぬ閣僚が犠牲になった。
 イスラエルのシリア攻撃に反発したイスラム勢力による攻撃だと多くの人は理解する。アメリカ政府は「民主主義への挑戦」だと激しく「テロリスト」を非難する声明を出す。
 イラク政府が機能不全になる中、アメリカ軍は大規模な掃討作戦を開始する。

後略』

(1)イスラエルがレバノンに侵攻するのはまあいいとして、一体どういう名目でシリアを攻めるのだろうか。その理由が書かれていないと、いくらシナリオといったって説得力がないと思う。(イスラエルなら国際世論が納得する理由なく軍事侵攻をやりかねないけど)

(2)イラク政府、ってのは引用間違えじゃなくイラクなのである。何でイスラム勢力がイラクを攻撃するのか、シナリオとはいえ、よくわからない。


◆3◆ 第1章【シミュレーション】イラン攻撃はアメリカ帝国崩壊への一里塚となる のヘンテコ2
イラン侵攻と原油価格の関連性について言及している中で、

本書48ページより引用
『アメリカがイラクに侵攻する前は、1バレルあたり20ドル台の後半で推移していたが、2006年夏には70ドル台で推移している。2007年に入ると50ドル近くまで下落したが、もしイランに核攻撃があれば、急上昇して1バレル120ドルから200ドルに達すると見られている。代替エネルギーでもカバーすることは困難だろう。』(太字は本書でも太字になっているところ)

(1)原油は先物取引だから、イラク侵攻が原油価格上昇の主原因じゃないよ。世界全体で原油の需要が増えてきたから、投機筋が先買いしたという見方が主流だと思うよ。で、70ドルで買った連中は先読みしすぎて失敗したという意見が主流だよ。

(2)イランが核攻撃されても、イラン全土の全ての油田がダメになるわけじゃないから、イランの原油生産量が100%→0%になるわけじゃない。本書15ページに世界の原油推定埋蔵量が掲載されているけど、それによるとイランの埋蔵量は世界の約11%。イランからまったく原油がとれなくなっても、全世界で見たら11%マイナスなので、70ドル→200ドル、つまり3倍には絶対ならないよ。


◆4◆ 第4章 王政の時代 のヘンテコ
この章では、ペルシアの時代背景と、パーレビ王朝の確立経緯、ホメイニのイラン革命について書かれているけど、なぜか【ケネディ暗殺の瞬間を撮影したフィルムの隠蔽】という部分が出てくる。

なぜ王政の説明のところで書かなければならないのか、全く理解できない。


◆5◆ 全てに共通するヘンテコ

本書全体的にいえるヘンテコなところとして、やたらめったら人物名を出して読者を煙に巻く、というものがある。重要な人物も重要でない人物も関係なく、とにかく登場する人物数が多い。これは著者が「俺はこんなにいろんな人物を知っているのだ、貴様ら平凡な読者はその人物相関関係など知るまい、貴様ら愚民読者どもは俺様の意見を拝聴すれば良いのだ、俺様は正しいのだ、俺様の書くとことは絶対なのだ」という思想を持って書いているようなニュアンスに読み取れます。

例として、【第5章 イスラム帝国】にどれだけの人物が登場するのか記してみます。
第5章は170ページから220ページまでの51ページです。

P170
ムハマド・レサ・パーレビ(イラン国王)
アヤトラ・ホメイニ(シーア派指導者)
デイビッド・ロックフェラー(チェースマンハッタン銀行)
ジミー・カーター(アメリカ大統領)
ゲイリー・シック(NSC=国家安全保障会議スタッフ)

P171
森詠(日本人ジャーナリスト)
モシェ・ダヤン(イラン国防大臣)

P172は写真

P173
ウリ・ルブラニ(在テヘラン非公式イスラエル大使)

P174
ロナルド・レーガン(アメリカ大統領候補)
ジェームズ・ボウト(少将)
チャールズ・ベックウィズ(デルタフォース創設者・大佐)

P175
ジョン・K・シングローブ(少将)
オリバー・ノース(中佐)

P176
キルス・ハシェミ(武器商人)
ウォーレン・クリストファー(国務長官・どこの国の?)
レザ(ハシェミの兄)
ジャムシド(ハシェミの兄)
アーマド・マダニ(イラン海軍少将)

P177
アリ・アクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ(イラン国民議会議長)
イラン・ナジド・ランクニ(ハシェミ兄弟の連絡相手でラフサンジャニの義理の息子)
アーメド・ホメイニ(アヤト・ホメイニの息子)
ドナルド・マクヘンリー(国連大使)
ラムゼー・クラーク(もと司法長官)

P178
ウィリアム・ケーシー(レーガン政権時のCIA長官)
メーディ・カルビ(イランの宗教指導者)
ジョン・シャヒーン(ケーシーの友人)
ヤセル・アラファト(PLO議長)
アブデラジス・ボウテフリカ(アルジェリア外相)
アリ・ベンメナシェ(イスラエルの軍事機密を入手できる立場にあった人物)

P179
マイルズ・コープランド(元CIAオフィサー)
スタンフィールド・ターナー(CIA長官)
ロバート・マクファーレン(海兵隊元大佐)
カーミット・ルーズベルト(?)
アール・ブライアン(カリフォルニア州保険福祉局長)
メーディ・バザルガン(イスラム革命後の首相)

P180
ジョン・タワー(上院軍事委員会委員長)
ロバート・ゲーツ(?)
ジョージ・H・W・ブッシュ(パパブッシュ)

P181
ラファエル・エイタン(LAKAM指揮)
アドルフ・アイヒマン(ナチ親衛隊)


....すいません、P220まで全部抽出しようと思ったのですが、もう面倒なのでやめます。


この傾向はこの章に限った話じゃなくて、本書全編にわたってこんな感じです。


◆6◆ 写真の謎

本書にはいくつかの写真が掲載されています。

P19 ロシアの政商ペレゾフスキー
P21 ネオコンの代表的論客ポール・ウォルフォウィッツ
P26 911テロ直後のペンタゴン
P33 息子ブッシュ(バカブッシュ)
P39 B2ステルス爆撃機
P45 テヘランの反米運動で燃やされた星条旗とイスラエル国旗

等々です。(これも抽出に飽きた)

で、これらの写真には(C)マーク、すなわち誰が撮った写真なのか記載されていません。

無断使用ですかねえ。

◆7◆ 著者の経歴のバカっぽさ

裏表紙に著者の経歴が載っています。引用します。

『桜井春彦

調査ジャーナリスト。1955年生まれ。早稲田大学理工学部卒。
雑誌「軍事研究」(ジャパン・ミリタリー・レビュー)で
米情報機関の秘密工作に関する十数本のレポートを執筆している。
現在の状況と似ているとされる1930年代にアメリカで
ファシズム政権の樹立を目指すクーデター計画が存在した事実も、
9・11の直前に紹介した。また、雑誌「世界」(岩波書店)では、
「ブッシュ政権の内幕」としてジョージ・W・ブッシュ政権の実態に関するレポートを発表している。
後略』

だから?


※すいません、駄本けなしに疲れてしまいましたのでこれで終わります。

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2007/03/29

4月14日から公開される映画「サンシャイン2057」

真田広之が主役級で出るハリウッド映画「サンシャイン2057」というのが4月14日から公開されるらしい。

「アルマゲドン」系列の映画と思われ、WEBで公開されているトレーラーを見る限り「ザ・コア」に近いのではないかと推測している。(ちなみに宣伝WEBサイトは相当金かけてつくっていて、完成度が高い)

地核に近づいても融けない外壁に、ひとかけらの説得力もも感じなかった「ザ・コア」。

「サンシャイン2057」は太陽に近づくらしい。観る前から説得力の無さがぷんぷんするのだが、果たしていかなる映画に仕上がっていることやら。


で、今日書きたいことはそんなことではなく、「サンシャイン2057」というタイトルは失敗なんじゃないのかな。このタイトルを知った瞬間に「クライシス2050」という史上希に見る駄作映画を思い浮かべたんだけど。

ちなみに私は「クライシス2050」を劇場で観ました。開始10分で頭がくらくらしました。その「クライシス2050」は駄作すぎてDVD化されていません。レンタルVHSがあるらしいけど。

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2007/03/28

河内孝「新聞社 破綻したビジネスモデル」感想。
いわゆる新書。2007年03月27日読了。

新聞社(新潮新書 ) 破綻したビジネスモデル
河内孝 /新潮社 2007/03出版 220p 18cm ISBN:9784106102059 ¥735(税込)

概要(紀伊国屋bookwebより引用)

新聞という産業は今、様々な危機に直面している。
止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し―そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。
いったい新聞は大丈夫なのか。
生き残る方策はあるのか。
元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。

第1章 新聞の危機、その諸相(朝日と読売の「共闘宣言」;異常な販売コスト ほか)
第2章 部数至上主義の虚妄(新聞は「あちら側」;言論と企業活動のギャップ ほか)
第3章 新聞と放送、メディアの独占(相次いだメディアの「不祥事」;空文化した「放送政策の憲法」 ほか)
第4章 新聞の再生はあるのか(産経新聞の実験―夕刊廃止と低価格;携帯電話と読者の高齢・無職化 ほか)
第5章 IT社会と新聞の未来図(新聞版のロングテール;ポータルサイト争いで完敗 ほか)

著者:河内孝[カワチタカシ]
1944(昭和19)年東京都生まれ。慶応大学法学部卒業。毎日新聞社会部、政治部、ワシントン支局、外信部長をへて編集局次長。その後、社長室長、東京本社副代表、中部本社代表など経営の要職を歴任し、常務取締役(営業・総合メディア担当)を2006年に退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





とても惜しい気がする本です。

著者は毎日新聞社に勤め常務にまでなった方です。その立場で知り得たもしくは肌身に感じた新聞の危機を、自己批判を含め余すことなく伝えているような内容です。

新聞に未来はあるのか、新聞社が抱える問題とは何かという提起から始まり、問題の根幹は新聞社がテレビ局の大株主であるところ、つまりメディアの寡占化であるという一つの結論を出し、新聞業界の再編を提案しています。

その内容にはそれなりに説得力があり、ナベツネを筆頭とした世の中を動かしてると勘違いしている老害人物が未だ実権を握っている新聞社の阿呆ぶりがよく判ります。

しかし、本書で提案される改善案は所詮身の回りにいる人たちの意見を聞きそれを元に新聞社出身の著者が考えた意見に過ぎません。薄っぺらいわけではありませんが、この著者はインターネットの本質が見えていないように思えます。(ちなみに私はNiftyに入って今年で15年になります。アナログモデム・パソコン通信の時代です。インターネットはmosaicというブラウザの頃から始めていますし、会社ではテレビ番組制作の傍らインターネット&携帯コンテンツ供給も行っていますので、そんじょそこいらの人より詳しいという自負はあります)

著者は、新聞の発行形態が紙であろうとネット配信になろうと、記事を書く段階では記者の取材力および構成力がものをいう、という意見を述べています。私もそう思います。

さらに著者はネット先進国であるアメリカや韓国の新聞社事情を分析し、今後新聞社が進まざるを得ない未来として、ネットを使った記事の有料配信にたどり着きます。

近い将来の新聞社は、抱える記者の多さを活かし、例えば経済ニュース、株式ニュース、農業ニュース、漁業ニュース、社会ニュース、など専門領域ごとに数十種類にカテゴリー分けし、それぞれに有料購読者が5,000~10,000人いれば、新聞社としてペイすると述べています。

そこまで分析できていながら、なぜもう一歩踏み込めないのか。

とても惜しい気がする本です。

インターネットのニュース配信は今は無料で読めますが、近い将来、有料でなければ読めなくなる時代がくるような気が私はしています。無料配信記事には必ず広告がつきまとってくるため、有料配信記事に人々が流れるように思えるのです。今ソネットM3という会社がやっているAskDoctorという医療相談サイトが先駆的存在と考えられます。

その前提に立った上で、インターネットの有料配信記事に対して、一ヶ月に払える金額はいくらくらいなのか。私なら1カテゴリー300円まで、月3~5カテゴリーが上限と考えています。

では月額300円としたとき、記者が新聞社から独立したときのペイラインを考えます。最低1,000人の有料購読者がいれば、月間売上は30万円になりますので、個人として働くにはぎりぎりやっていけます。

著者の言葉によると、企業として運営するためには最低5,000人がペイラインです。

5,000人の有料購読者を集めるのは企業の看板のおかげか、記者の取材力の賜物か?

新聞社の看板がなければ取材できない記者は所詮その程度の記者なのです。

世の中の人々から金を取れる記者は、新聞社(やテレビ)の看板がなくても自前の行動力でがんがん取材し、知られざる出来事を世の中に伝えます。

私の予想する近未来での新聞社は、有能なフリーランスジャーナリストと何人独占契約をしているか、によって優劣が決まってくるように思います。


話変わります。今日テレビのニュースでミャンマーの遷都のことを放送していました。それに関連した感想として、なぜ日本のメディア(新聞テレビその他)は、アウン・サン・スー・チーがミャンマーではそれほど人気がないことを伝えないのでしょうか。少なくとも私が知っている限り、父親のアウンサン将軍ほどは人望がないということです。そういうことを伝えないから、日本のメディアは信頼を失っていくのではないでしょうか。


※すいません、かなりまとまりのない感想になってしまいました。気が向いたら後日手直し入れます。


5点/10点満点

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佐藤拓「1万円の世界地図 -図解-日本の格差、世界の格差」感想。
データブックに近い。2007年03月26日読了。

1万円の世界地図(祥伝社新書 ) 図解日本の格差、世界の格差
佐藤拓 /祥伝社 2007/03出版 260p 18cm ISBN:9784396110635 ¥819(税込)

1万円がどの程度の価値を持っているのか、を皮切りに、世の中のいろんなことをデータで示す本。

見開き右ページに解説、左ページにグラフが必ず載っている構成で、全部で109ネタの様々なデータが掲載されています。前出のデータブック・オブ・ザ・ワールドは凄まじい量のデータが並んでいる本で、そこからいろんなデータを引っ張り出すのは、まさしく調べる行為になります。本書は、調べることが面倒な人たちに代わって、読者が興味を持ちそうなネタ(1万円という切り口から始まる)に関しいろいろと調べた結果が掲載されている本です。



初っぱなに出てくるのは、
・1958年と2005年を比べて、国内の物価はどの程度上がったのか?
新聞購読料、週刊朝日、食塩1kg、砂糖1kg、あんぱん、チキンラーメン、江戸前すしの外食、天丼並の外食、カレーライスの外食、を比較しグラフを掲載。


国内編が続いた後は世界との比較。
・世界各国の消費税率は何%?
デンマーク、スウェーデン、ノルウェーは25%、フィンランド22%、アルゼンチン21%、タンザニア20%....日本の5%はかなり低い方。

・成人識字率が低い国は?
ブルキナファソ13%、ニジェール14%、マリ19%、チャド26%、シエラレオネ30%、ベナン34%....世界平均78%....先進国平均100%

などなど。地理好きには結構良いネタいっぱいです。

でもこの本の主眼(?)はいろんなデータの掲載とその解説にとどまっています。
新書なんだからもうちょっと突っ込んだ解説がほしかったなあ、という意味で辛口採点。

5点/10点満点

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2007/03/27

「データブック オブ・ザ・ワールド2007年版」感想。
教材と思われる。2007年03月27日散見。

データブックオブ・ザ・ワールド vol.19(2007年版)
二宮書店 2007/01出版 479p 21cm ISBN:9784817603005 ¥649(税込)

また今年も買ってしまいました。

毎年毎年買ってもそんなに中身は変わらないけど、でも少しの変化の積み重ねが地理を知るには大切なことだと思うのです。まあ単に地理好きだから買っているだけなんですけど。


で、去年も書いたのですけど、私はVol.1から揃えようとネット古本屋を探し回っています。Vol.1~2、Vol.5~19まで買いましたしかしVol.3~4がまだ買えていないので、誰か持っている方、売ってください。定価+送料で買います。

9点(内容が充実しているから)/10点満点

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「ガイアの夜明け」食品リサイクルの話。2007年03月27日。

テレビ東京「ガイアの夜明け」で、コンビニ食材のリサイクルについて放送しています(今放送している真っ最中)。

ローソンが、売れ残り弁当を(どこぞのNGOが低所得者向けに経営する)格安食堂の食材として無償提供している、という話です。

放っておいたら廃棄されてしまう食材を有効利用するのだから実に有益な取り組みではないか、という意図でローソンは取り組んでいるのかも知れませんが、放送を見た限りでは、ローソンの無為無策ド間抜けぶりを世間に自ら晒しているだけのような気がします。

POSをもっと有効活用して廃棄食材が出ないような販売戦略を練れば良いのに、売り上げを優先するため廃棄食材を出しても売り切れを出さない戦略をとっているのはローソン自身です。それなのに、廃棄食材がもったいないからリサイクル、とは笑止千万。

今日の放送を見て「ローソンってバカ」と思ったのは私だけではないはず。

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2007/03/25

山本美香「ぼくの村は戦場だった」感想。
戦場ドキュメント。2007年03月25日読了。

ぼくの村は戦場だった
山本美香 /マガジンハウス 2006/11出版 255p 19cm ISBN:9784838716852 ¥1,575(税込)

著者は1967年生まれの女性戦場ジャーナリスト。CS放送の記者からフリーに転身し、現在は独立系通信社ジャパンプレスに所属しているとのことです。ジャパンプレスの代表は佐藤和孝氏で、彼の著書「戦場でメシを食う」は以前当ブログにて取り上げました。

本書にはアフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラクでの戦場ドキュメントが掲載されています。それぞれ戦時下もしくはそれに近い状態の時に取材しています。平易かつ優しい文体で書かれているためか、書かれている内容をさらっと読んでしまうと戦時下であることを感じさせないのですが、じつはとんでもない時期に取材をしていることが判ります。911のテロが起きた日にアフガニスタンの北東部ファイザバードで取材をしていた、というのはその最たるものでしょう。


そういうことをふまえた上で本書の感想を書くと、

誰に読ませたいのか判らない本

と思います。タイトル「ぼくの村は戦場だった」からは中高生に読んでほしいように思うのですが、必ずしも全ての章各節が「ぼくの村は戦場だった」というテーマで書かれているわけではないため、タイトルの割に焦点が絞り切れていない感じを受けます。

また書かれている順番に一貫性がなく、例えばアフガンの章では、1996年のアフガン初取材→たぶん96年のマザリシャリフの女学生への取材→97年バーミヤン取材→01年バーミヤン大仏破壊後の取材→00年頃?のマスード総司令への取材→ファイザバードの女学生への取材→911テロ、カブール空爆の取材、等々。著者は一貫性を持って書いているつもりなのかもしれないのですが、読んでいる私はときどき「このエピソードはいつの話なんだ?」とか「ここでこのエピソードが必要なのか?」と感じるのでした。

結局のところ、何をテーマに書いたのか、誰に読んで貰いたくて書いたのかが判らず、とてもピンボケな印象を受けてしまうのです。

実にもったいない。

普通の人、いや普通のジャーナリストでは経験できない貴重な場にいたのだから、もっとテーマを絞って書いた方が数倍良い本になったのに。


5点/10点満点

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2007/03/20

大迫秀樹「アフリカのことがマンガで3時間でわかる本」感想。
地域解説本。2007年03月20日読了。

アフリカのことがマンガで3時間でわかる本 多民族がひしめく無限の大陸
大迫秀樹 /明日香出版社 2006/12出版 199, 21cm ISBN:9784756910288 ¥1,575(税込)

最近小説を読まなくなり、こういう本の感想ばかり書いているせいか、当ブログのアクセス数がピーク時の1/3くらいにまで減ってしまっています。何のためにブログを書き続けているのかというと、やっぱり私の感想(意見)を見知らぬ方々に知っていただきたいからなので、アクセス数が減ってしまうのは堪えます。何か考えないといけないのだろうなあ、と思う今日この頃。とりあえず、「だ」「である」調をやめ、ソフトな語り口で書いてみる、というのを実践してみようかと思います。



さてこの本、タイトルは「マンガで3時間でわかる」となっていますが、アフリカに関する基礎知識がなければ、とても3時間じゃ読めません。普通の人が内容を理解しながら読んだら5時間くらいかかると思います。見開き2ページが一つのテーマとなっており、右ページに本文解説、左ページに解説の内容を示したイラスト、という構成になっています。私の感想では、左ページはマンガじゃありません。イラストです。

書かれている内容は真面目かつ丁寧で、判りやすい説明文章になっています。南アフリカ共和国に関する記述に多くページを割いていて、その他、エイズ問題、中国の進出、各国の紛争、食事やファッションなど、いろいろなテーマで語られています。

この本一冊でアフリカを知るというには無理がありますが、アフリカが抱える問題点がよくまとまっていて、発行日が最近であることも含め、アフリカ入門書としてはかなり良い本に思えます。

私が知らなかったことも多く書かれていて、その一つはジンバブウェが今相当ひどい国内状態に陥っていることです。白人の土地を接収する政策がとられていることは知っていましたが、接収した土地は官僚に貸し与えられ、官僚はその土地を使って儲ける、つまり腐敗政治が横行しているとのことです。白人が農場主だった頃は、貧富の差や人種差別などがあったにせよ、国内需要を賄えるだけの農作物が収穫できていたのに、今は官僚が高い値段でしか土地を貸し出さないため、農業を営んでも利益が出ない状況になり、結果として農作物の収穫が減少し国内需要すら賄えなくなってきているみたいです。

ジンバブウェの観光名所であるヴィクトリア・フォールズも、政情不安に伴う治安悪化で環境客が減り、ザンビア側に流れているようです。

そう遠くないうちにヴィクトリア・フォールズに行こうと思っている私には、気がかりな内容です。


7点/10点満点

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2007/03/19

中村繁夫「レアメタル資源争奪戦」感想。
ビジネス書。2007年03月19日読了。

レアメタル資源争奪戦 ハイテク日本の生命線を守れ!
中村繁夫 /日刊工業新聞社 2007/02出版 163p 19cm ISBN:9784526058134 ¥1,680(税込)

今年2月7日に読んだ「レアメタル・パニック」の著者が同じテーマで書いた新作。

「レアメタル・パニック」より本書の方が細かなデータが載っていて、その点は前著より良いのだが、誤字脱字があったり、詳しい説明のないままレアメタルの商社名が出てきたり、先物取引の用語が出てきたり、記載されているデータの単位が判らなかったり、前著を読まずにいきなりこっちを読んだらわけわからんことになっていたかも。

本書でもレアメタルの受給逼迫が日本経済界の致命傷になりかねないという著者のメッセージは伝わってくる。そのためには政府もしくは政府外各団体などの公的資金を投入し、中国やロシアのように国策として資源確保に努めなければならない、それも一刻も早く! その警鐘を鳴らすために、著者はいますぐこの本を出版したかったのではなかろうか。構成の見直し文章校正の時間を惜しむほどに。


3点/10点満点

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2007/03/16

清水義範・西原理恵子「いやでも楽しめる算数」感想。
お勉強エッセイ。2007年03月15日読了。

いやでも楽しめる算数 (講談社文庫 )
清水義範/西原理恵子 /講談社 2004/12出版 281p 15cm ISBN:9784062749831 ¥539(税込)

以前サイバラにやたら凝っていた時期があった。「恨ミシュラン」が出た頃(1992年)から読み始め、「ぼくんち」が出た頃(1997~8年)個人的にピークを迎えたが、「どうころんでも社会科」(1998年)が予想以上につまらなく、またその頃を境に、それなりに売れているけどマニアックな毒舌漫画化だったサイバラが広く一般に認知され、いろんな作家とのタイアップとか企画ものが多くなってきてしまったので、飽きちゃったもういいや、と。

で久しぶりに本書「いやでも楽しめる算数」を買ったのだが、やっぱり読む気がせずに3年積ん読。

何の理由もなく本棚から出し今回読んだけど、やっぱり面白くない。本書が面白くないというのは清水義範の算数エッセイが消化不良全開であるところが大きいけど、サイバラのマンガもイマイチ。これはやっぱり私がサイバラものを読み過ぎて飽きてしまったからなんだろうなあ。

3点/10点満点

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2007/03/15

宮崎学「右翼の言い分」感想。
インタビュードキュメント。2007年03月12日読了。

右翼の言い分
宮崎学 /アスコム 2007/03出版 270p 20cm ISBN:9784776203919 ¥1,680(税込)

宮崎学が15の右翼団体幹部に直接インタビューし、本書のタイトル通り「右翼の言い分」をまとめた本。

登場する右翼は以下の通り(紀伊国屋bookwebより引用)

●正氣塾塾長代行・中尾征秀郎
  抗議や質問に筋の通った返答をしたら、テロなんてやりませんよ
●日本皇民党党主・大島竜〓(みん)
  政財界の人間を名指しで追い回せば、日本を変えることができる
●忠孝塾愛國連盟会長・藤元正義
  加藤邸焼き討ちは、なぜ起こったのか。事件の背景に疑問を持って欲しい
●大日本一誠会会長・渡邊謙二
  シマ(縄張り)のためじゃなく日本のために体を張る。いわば日本全部がシマ(縄張り)なんです
●敬天新聞社社主・白倉康夫
  私は恐喝屋ではなく「恐喝家」です。しかし、金だけが目的ではありません
●松魂塾塾長・直隆志
  任侠右翼、経済右翼、純粋右翼、右翼には3つのタイプがあるんです
●大日本朱光会名誉顧問・阿形充規
  ヤクザは親分に忠誠を誓うけど、右翼民族派は天皇陛下なんです
●護國團元團長・石井一昌
  憲法改正なんてとんでもない。天皇批判は「天皇の國」「神の國」をつくるため
●二十一世紀書院代表・蜷川正大
  朝鮮や中国が嫌いでも、仲良くすべき。日本が引っ越すわけにもいかないから
●日本青年社理論文教局長・杉山洋
  かつては最大のテロ集団でしたが、それについての反省をしています
●大行社理事長・岡樹延、本部長・丸川仁
  昔は公安警察と飲みに行ったりしましたが、すっかり時代は変わりました
●大日本愛国党総隊長・舟川孝
  最近の入党希望者には、「給料はいくらですか?」と聞く人もいます
●一水会代表・木村三浩
  自堕落なので会社まわりができなかった。それがわれわれの歯止めだったのです
●統一戦線義勇軍議長・針谷大輔
  この国を変えるには、クーデターしかない。自衛隊が蜂起すると信じる
●行政調査新聞社社主・松本州弘
  戦後の日本を汚したのは、日本の政府、政治家なんです
▲巻末対談―なぜ右翼は生まれ、どこに向かうのか? 猪野健治(ジャーナリスト)×宮崎学



宮崎学はインタビューの際、15人全員に同じ質問をしている。
・自民党加藤紘一の自宅が元右翼に放火された事件についてどう思うか。
・マスコミが右翼の暴力に対して「言論には言論で」と反暴力キャンペーンを張ることについてどう思うか。
・あなたの信条(信念、理念、主張)は何か。
・ネット右翼についてどう思うか。
などである。
15人に同じ(ような)質問をしているが、当然ながら回答は全員違う。その回答の違いにより、右翼とは何を考えているのか、右翼は何に怒っているのか、右翼は今後どのような活動をしていくのか、などが見えてくる。(ま、細かな内容は読んでください)




私は常々左翼的な人々、中でも平和主義者、環境運動家、動物愛護団体などの活動に疑問を抱いている。

平和主義は理解できるが、自衛隊全廃論は理解できない。自衛隊がなくなったら有事の際誰が守ってくれるのだ?

環境破壊を止めるには人類の消費活動を抑えることが必須なのに、それに触れずリサイクルを推進しましょうというのは言葉のまやかしではないか、だいたいがリサイクルをするのに作るよりエネルギーを要する(=石油を消費し二酸化炭素をより多く排出する)方法でリサイクルしてどうするのだ?

動物を保護する前に飢えて死んでしまうアフリカの子供たちを何とかしようと思わないのか?

などなど。



このように左翼的な人々の主張には全く共感できないのだが、本書に登場する15人の右翼幹部の言い分はとても筋が通っており、私はかなり共感した。共感した、つまり私の思想はきわめて右翼に近いということなのだろう。


そんな私が書くと嘘くさいかも知れないが、本書に登場する右翼幹部の言い分は実に興味深く、読んで損しない本だと思うのだ。


7点/10点満点

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乙一「GOTH 僕の章」感想。
本格ミステリ?。2007年03月14日読了。

Goth 僕の章
乙一 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2005/06出版 253p 15cm ISBN:9784044253059 ¥499(税込)

この本を読んでいてひたすら腹が立ち怒りがこみ上げてきた

この小説はライトノベルとして書かれた。ということは、ターゲットは中高生なのだろう。私がこの小説を読んで感じた腹立ちはそこにあり、コンビニで平然と売られているエロ雑誌を見るときと同じ腹立ちだ。売れりゃあ何でもありというモラルの低下に対する腹立ちだ。

ましてやこの小説が本格ミステリ大賞を獲るなんて、痴漢集団野外強姦のようなオモテエロビデオが日本ビデオ大賞を獲るようなものだ、と思う。

こんなことやっているからミステリは人気が無くなっていくんだよ。


2点/10点満点

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2007/03/13

乙一「GOTH 夜の章」感想。
本格ミステリ?。2007年03月12日読了。

Goth 夜の章
乙一 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2005/06出版 190p 15cm ISBN:9784044253042 ¥459(税込)



個人の好みの問題なんだろうけど。


なんだ、この不愉快な話は?


2点/10点満点

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「Google Earth 裏 perfect」感想。
PC関連本。2007年03月09日試す。

Google Earth裏perfect 極秘地帯をパソコンでのぞき見!
インフォレスト 2007/03出版 95p 29cm ISBN:9784861902147 ¥979(税込)

金曜の夜、ビールを買うために寄ったコンビニの雑誌売り場に、ビニールにくるまれて本書が売られていた。ビニ本だ。こういうムック本をタイトルにつられて買うと、ハズレだったということがよくある。本書には「Google Earth グーグルアース」で見ることの出来る特異な座標がいくつも掲載されているらしい。裏表紙にサンプルが載っている。若干いやーな予感もするのだが、やっぱり興味があるよな、ええい買ってしまえ。

というわけで買ったのだが、やっぱりというか案の定というかめちゃくちゃ凄げえっ、というようなものは掲載されていなかった。googleの英語サイトやユネスコのサイトやファンのブログを探せば見つけられるようなものが多かった。

まあそれはそれで予想の範囲内なのだが、「Google SketchUp」で3Dモデルを作りそれを掲載する方法が載っていた。これは嬉しい。というかこれだけで買った甲斐があった。

ついでに「Google Mars」「Google Moon」のことも載っていた。googleはこんなのも作っていたのか。googleで働いているやつらってのは飽くなき暇人集団だよなあ。で、はたと思い調べてみたら「Google Jupiter」「Google Saturn」も既に公開されていました。そう遠くないうちに「Google Venus」「Google Uranus」「Google Neptune」なんかも公開されそうだし、「Google Deep Sea」なんてえのも考えていそうだ。


5点/10点満点

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2007/03/12

中村亨「数学21世紀の7大難問」感想。
数学解説本。2007年03月08日難解。

数学21世紀の7大難問 数学の未来をのぞいてみよう (ブルーバックス)
中村亨 /講談社 2004/01出版 198p 18cm ISBN:9784062574297 ¥861(税込)


「コマ大数学科」に、「99.9%は仮説」の竹内薫と隔週交代で出演している中村亨の、易しい数学難問解説書。

「コマ大数学科」で宣伝していたので中身も見ないで買ってしまったのだが、これが大失敗。

これを解いたら(証明したら)100万ドル! と賞金が出ているほど難しい現代数学の難問を、高校生でもわかるように易しく解説した本なのだが、どんなに易しく解説されていても難問は難問。

本書、読むには読みましたが、結局問題の意味すら理解できずに読み終わったような。

初っぱなから「ζ(ゼータ)関数」と言われても、ζ関数自体を知りませんがな。


「コマ大数学科」で取り上げているような易しい易しい問題を多少解いたくらいで、現代数学の難問に挑もうなんて100年早い、もっと高等数学を勉強して出直してこい、と言われているようで無性に悔しい。


評点付けられず/10点満点

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2007/03/07

村上春樹「アフターダーク」感想。
純文学。2007年03月06日読了。

アフターダーク
村上春樹 /講談社 2006/09出版 294p 15cm ISBN:9784062755191 ¥539(税込)

私は今まで村上春樹を読んだことがなかった。

村上春樹の小説がベストセラーになっても、雑誌やネットのブックレビューで粗筋を読み、即座にこれは私の好みではないと感じ敬遠していた。10年近く前「ねじまき鳥クロニクル」に挑戦したが、最初の数行でやっぱり私には合わないと感じ、読むのを諦めた。

私は純文学は嫌いではない。さすがに明治大正の純文学は苦手だが、現代純文学では安部公房、井上光晴(心優しき叛逆者たち)、曽野綾子、五木寛之、村上龍などはよく読んだし、大江健三郎や加賀乙彦にも手を出している(黒岩重吾もよく読んだのだが、彼の小説は純文学なのだろうか)。これらの多くは10代の頃に読み、20代以降はあまり読まなくなっていた。20代は仕事を任され残業も多くなり、読書とは娯楽のために行う行為と考えるようになっていたからである。純文学を読み、読後その小説の意図することが判らずもやもやとした気分になったまま過ごすのは、私にとっては娯楽ではなかった。


さて村上春樹である。

数年前、日本に帰化した上海人シャ(Xa)さんと小説について話をしていた。金庸(きんよう)を何冊も読んでいた私は深い意味もなく「金庸って面白いよね」とXaさんに言った。その言葉に対するXaさんの反応はちょっと意外で、「金庸は現代政治に関係なく娯楽を追求した武侠小説として書かれているからだよ」と言うのだ。Xaさんは中国の言論統制について言いたかったのかも知れないが、その後は言葉を濁した。日本語がぺらぺらで、今は帰化し日本国籍を持っているXaさんでも、中国政府に対する遠慮のようなものを持っているのだなと私は感じた。Xaさんは帰化したが、Xaさんの両親は上海に住み続けなければならない、そういうことも関係あるのかも知れない。

昨年そのXaさんと久しぶりに会い、また小説の話になった。そのXaさんから
「ところであなたは村上春樹を読んでいるの?」と聞かれたので
「いや読んでいない」と返答したら、
「日本人なら村上春樹を読まなきゃダメだよ」
「何で?」
「村上春樹は現代日本文学を代表する小説家の一人じゃないか。ノーベル文学賞を取るという噂もあるんだよ」
「そうなの?」
「日本人なのにそんなことも知らないのかい?」
「そういえばそんなニュースを見たような記憶があるなあ」
「中国人だって読んでいる人多いんだよ」

村上春樹の小説が中国語に翻訳されているのかどうかは知らない。日本語を読める中国人が日本語で村上春樹を読んだのかもしれない。

20代の頃と違い、今はそれほどあくせくした生活をしていない。娯楽性の薄い小難しい本を読む余裕もできた。40代になり文章読解力も増した。中国人のXaさんがそこまで言うのなら読まねばなるまい、と思い書店で平積みされていた本書「アフターダーク」を買い、読んだ。私にとって初めての村上春樹作品だ。


私には、村上春樹がこの作品で何を伝えたかったのかまったく判らなかった。

予想どおり村上春樹の作品は私には合わなかった。あと数冊村上春樹作品を読む予定だが、それらも合わないと感じたら、村上春樹は私にとってどうでもいい作家になるだろう。そうなる予感がぷんぷんするのだが。


2点/10点満点

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篠原菊紀「脳を鍛える!書き込み式地図ドリル世界編」感想。
蘊蓄クイズ本。2007年03月06日完遂。

地理ドリル脳を鍛える! 世界編
篠原菊紀 /永岡書店 2007/01出版 191p 15cm ISBN:9784522424391 ¥579(税込)

まあ、なんだ、最近やたらと出版されている書き込み式ドリル本の一種で、後発のためか値段が安いだけで問題が洗練されていないのだ。

世界地理好きの私はこういう本を見つけると買ってしまうし解答してしまうけど、この本はひとつの設問の中に簡単な答えと難しい答えが節操なく同居しているため、何だかなあ、という印象が強い。

83問目の設問を例として引用すると、
(1)7つの丘にの上に栄えたトルコ最大の都市(答え・イスタンブール)
(3)アメリカとメキシコの国境沿いの高知にある都市(答え・シウダーファレス)
(7)漢江の下流の盆地に発達している韓国の首都(答え・知らない奴がいるのか?)

(7)のバカっぽさと(3)の難しさ。何この出題レベルの違いは?

私は旅エッセイの本けっこう読んでいますが、(3)の答えの地名は今まで知りませんでしたよ。こういう蘊蓄雑学知的好奇心を満たすドリル本は問題のレベルを統一しましょうよ、というかバカ問題は出さないでくれい。

と思うのは私だけでしょうか。


私ならもっと地理好き一般人の知的好奇心をくすぐる本を作れそうなのですが、どこかの出版社の方、お誘いいただけませんか。


3点/10点満点

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2007/03/06

浅田次郎「地下鉄に乗って」感想。
ファンタジー。2007年03月05日読了。

地下鉄(メトロ)に乗って(講談社文庫) <br />
浅田次郎 /講談社 1999/12出版 313p 15cm ISBN:9784062645973 ¥579(税込)

私が浅田次郎を読み出したのは「蒼穹の昴」からなので、それより前に出された浅田作品は読んだり読まなかったりである。「プリズンホテル」は当時の浅田作品で一二をあらそう評判の本だったので読んだが、あまりにも「蒼穹の昴」と系統が違うので、浅田次郎の昔の本を読みあさってもしょうがないや、と思い本書「地下鉄に乗って」も読まずのままだった。

これは「新宿鮫」を読んで、こりゃ面白い、とばかりに昔の大沢在昌作品を根こそぎ読みあさったけど、「新宿鮫」以前と以後では全くといっていいほど作風が変わってしまっていて、有り体にいえば「新宿鮫」以前の大沢作品はつまらんということなのだけれども、浅田次郎ももしかしたら同じかもしれないなあ、と思うに至った経緯があったので「プリズンホテル」以外の浅田作品はほとんど読んでいなかった。

昨年映画化されて話題になったので買うだけ買ってほったらかしにしていた本書、ファンタジーとして読んだらありきたりの設定とどこかで読んだことのあるような結末なので、そこを深く突っ込んではいけないのだろう。やはり浅田作品は人間味溢れるキャラクターと泣かせるストーリーがメインなのだなあ、と再認識した次第。

それにしても浅田次郎って作家は年々話の作り方がうまくなっていく。年齢とともに惰性で書いてしまう作家が多い中、これは素晴らしいことだなあ、と評論家のようなことを書いてみる。

6点/10点満点

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青木逸平「旧字力、旧仮名力」感想。
日本語の本。2007年03月01日読了。

旧字力、旧仮名力 (生活人新書)
青木逸平 /日本放送出版協会 2005/06出版 222p 18cm ISBN:9784140881477 ¥714(税込)

旧漢字、旧仮名遣いに関する知識を深める本。



「旧」の旧漢字が「舊」とは知りませんでしたよ。

漢検準1級合格のためには、こういう知識を身につけないといかんのだなあ。

ちなみに先日受験した漢字検定準1級は、200点満点で合格ラインが160点に対し、私は85点でした。申し込んでからレベルの高さに気づいた私、実際受験後の自己予想では60点くらいかと思っていたので、85点は上出来なのだが、それにしても2級と準1級のレベルが違いすぎ。


6点/10点満点

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2007/03/03

悲しきかな齢四十。

目の玉日記
小学館 2006/04出版 166p 21cm ISBN:4093890560 ¥1,050(税込)

2006年3月に紹介した本書「目の玉日記」は、小林よしのりが両眼白内障になっているのに気づかず、濁った目でマンガを書き続け日常生活を送り続けたエッセイマンガである。

既に紹介した本をなぜまた紹介するのかというと、

私も白内障になってしまったようなのである。

以前から右目でものがよく見えず、以前行った眼科医から老眼と言われたので、「ああそうなのか、右目だけ老眼になってしまったのか、不便だなあ」と思っていたのだが、あまりにも焦点が合わなくなったので本日違う眼科医に行ったら、「老眼は両眼同時に進行するのが普通なのだよ、あなたの場合は右目が初期白内障になって水晶体乱視になったと考えられるね」だってさ。

齢四十、白内障になるには早いよなあ。

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