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2007/05/30

「ガイアの夜明け」を見て思う。

テレビ東京 「ガイアの夜明け」 5月29日放送
第265回 「よみがえれ!温泉街 ~老舗の熱海・地震が襲った能登~ 」
を見ての感想。

3月、能登半島地震が発生。地元温泉街「和倉温泉」を直撃。GWの宿泊キャンセルが相次ぎ、推定20億円の損失が発生。そんな中、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、27年連続で総合1位に輝く高級ホテル「加賀屋」の女将の奮闘ぶりが取り上げられていた。「加賀屋」は,自信で壊れた部分を直すため、10億円をつぎ込んで改修工事を行った。

地震が起きる前までの「加賀屋」は、客室数246室、平均客単価37,000円と高いにもかかわらず、客室稼働率80%以上と言うから驚きだ。


しかし私はそんなことには興味がなく、この驚異の稼働率で、一体いくらの売上げになるのかを計算してみた。

246室×37,000円×80%=7,281,600円/1日

7,281,600円×365日=2,657,784,000円 →約27億円/年間売上高


平均客単価37,000円もする高級ホテルなんだから、もっとどかーんと、年間100億円くらい売上ていそうな感じがしたけど、そんなことはないのだね。(ちなみに帝国ホテルの売上高は570億円)

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2007/05/29

金原ひとみ「ハイドラ」感想
恋愛純文学。2007年05月25日読了。

ハイドラ
金原ひとみ /新潮社 2007/04出版 137p 20cm ISBN:9784103045311 ¥1,260(税込)

概要(紀伊国屋BookWebより)
写真家の専属モデルであり、私生活でも密かに同棲をつづける早希。だが人形のような無機質さを求める男との暮らしに、次第に蝕まれてゆく。ある日、その閉ざされた部屋から彼女を引き出そうとする翳りのない男が現われるが……。堕ちてゆく痛みと無垢な愛への希求、自身への冷徹な眼差し。クールさと瑞々しさを湛えた、新境地を拓く傑作長篇。


あたくしにはよく判らないお話しでした。


7点/10点満点

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2007/05/28

菅原出「外注される戦争」感想。
ノンフィクション。2007年05月24日読了。

外注される戦争 民間軍事会社の正体
菅原出 /草思社 2007/03出版 261p 20cm ISBN:9784794215765 ¥1,680(税込)

概要(紀伊国屋BookWebより)
「民間委託」の流れはいまや軍事の分野にも及んでいる。
その主役が「民間軍事会社」と呼ばれる企業群だ。
戦闘地域での物流サービスから捕虜の尋問、メディア対策、はては実際の戦闘行為にいたるまで、そうした会社が提供するサービスは多岐にわたる。
イラクでは、なんと一国の軍隊と同規模の人員を民間軍事会社一社で派遣している例まであるのだ。
本書は、イラク戦争以降にわかに注目されている新ビジネスの実態を、企業側および最大の顧客である米軍関係者への取材をもとに描いた刺激的なノンフィクションである。


9.11以降、アメリカは先制攻撃を行う国になった。そしてアメリカ軍が派遣される国は大幅に広がっていった。戦場が拡大しているにもかかわらず、アメリカ軍の人手不足は深刻である。9.11以降、危険なミッションへの参加が増えているのに、賃金が高くないから、辞める兵士が続出しているのである。同じ意味で、新兵の集まりも悪い。このあたりは日本の自衛隊と同じ。米軍新兵の採用基準は従来より大幅に引き下げられ、英語を母語としない米国人(不法滞在者の子供のこと)も構わず採用、その数は急増しているとか。

優秀な兵士、中でも陸軍のグリーンベレーや海軍のSEALsなどで働く兵士たちも、賃金の面では不満を抱いている。問題を起こさず兵卒を勤め上げると、一生涯潤沢な年金を貰えるが、今貰える給料については不満であるらしい。

今アメリカ軍では、優秀な兵士が軍を辞め、続々と起業している。

業種はプライベート・ミリタリー・カンパニー、民間軍事会社だ。

民間軍事会社が手掛けるビジネスは様々で、
・危険地帯に赴く政府要人の警備。
・危険地帯で生活し働いている国連職員やNGO関係者の警備、建物の警備。
・危険地帯といっても全土が危険なわけではないので、特にどこが危険かを軍や現地警察から情報を得て、民間軍事会社同士連絡しあう連絡網の設置。
・危険地帯に設置される軍の宿舎の設営、および配食サービス。
・危険地域に設置されている軍の基地に、食糧や郵送物を運ぶトラック野郎。
・危険地帯に赴く軍関係者の訓練。
・危険地帯に行かなければならないNGO職員やジャーナリストなどに対する、テロや誘拐から身を守る訓練。

などなど。本書には民間軍事会社の実態(の一部だろうが)が、事例を元にたくさん紹介されている。

アフガニスタン戦争や、イラク戦争初期では、潤沢な資金がアメリカ政府からばらまかれ、民間軍事会社は雨後の筍の如く設立された。中には当然質の悪い会社もあり、下請に丸投げなど当たり前のように起こっている。さらに、人件費削減のためフィリピン人、ネパール人、フィジー人、コロンビア人と、民間軍事会社の採用基準は、どんどん多国籍化していく。

もうこうなってくると、誰が何のための彼の地で誰と闘っているのか判らなくなってくる。

私がうだうだ感想書くよりも、この手の本に興味のある方は、ぜひこの本を読まれることをお薦めする。


7点/10点満点

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2007/05/25

青山潤「アフリカにょろり旅」感想。
紀行文。2007年05月22日読了。

アフリカにょろり旅
青山潤 /講談社 2007/02出版 281p 19cm ISBN:9784062138680 ¥1,680(税込)


ウナギの生態はまだまだ不明なことが多く、産卵地がほぼ特定されたのはつい最近のことである、ということを知ったのは、とあるテレビ番組だった。見たのは1~2年前だったと思う。

「生態がわからない?じゃあウナギってどうやって養殖しているの?」と思ったのだが、その番組によるとウナギの養殖方法は、天然のシラスウナギ(ウナギの稚魚)を捕まえてきて、稚魚から成魚へと育てることだと知った。その番組は養殖方法の紹介がメインではなく、ヨーロッパ(フランスだったかな)でシラスウナギの漁獲高が激減している、という話だった。理由は乱獲。ヨーロッパで獲れたシラスウナギは、中国の業者が買い付け、中国国内で養殖され、日本の食卓に上る。見事。

ちなみにその番組では、ニホンウナギの産卵地はグアム島付近の海で、ウナギは回遊魚であるということも放送された。成魚は川で獲れるから川魚と思っていたが、そうじゃないと知ったときは結構驚いた。

なぜウナギの話を書いたかというと,,,

本書の作者青山潤氏は、ウナギの産卵地をほぼ特定した東大海洋研究所「ウナギグループ」の一員で、本書によると、ウナギとは全世界で18種類しか存在せず、そのうち12種類はほとんど研究がなされていない。そこで東大ウナギグループは、18種類全ての生体を採集するべく世界中を奔走し、17種類まで集めることができた。だが、ケニア、マダガスカル、南アフリカ、タンザニアで調査したにもかかわらず、最後の1つ=ラビアータだけが手に入らなかった。そして、東大ウナギグループは、マラウィ、モザンビーク、ジンバブウェでの調査を行うのであった。

本書はウナギ研究のため、けっして行きたくて行ったわけではないアフリカの大地を、しかたなく駆け抜けた紀行エッセイなのである。


で、ようやく感想。

冒頭から凄いシーンである。マラウィの片田舎、サリマという町にバスで到着したウナギ一行が目にしたのは、一人の黒人が、何人もの黒人にリンチを受け血だらけになっているのである。マラウィってわりと平和なイメージがあったけどなあ。(リンチの原因は本文中に解説(推測)があるけど、ここでは割愛)

ラビアータ種を捕まえるのに何ヶ月かかるか判らないから、調査費を長持ちさせるため、移動はバス、宿は安宿。でもマラウィではバスに乗るのも一苦労。バスに乗る人が多すぎて、やっときたバスの乗れない。乗るまで2時間、乗っても立ちっぱなし、立っているのも現地のおばさんの異臭漂う鞄が目の前で臭い、そんな状況で3時間乗り、ようやく一つ目的地に近づく...

モザンビークでは、ポルトガル人が管理しているダム湖に行く。が、実はこの場所、外国人は普通は入れない。ダム管理会社にねじ込んで、何とか行く。行った現地で、これまた何とかダム湖で釣りをする。が、釣り場のキャンプ場は日中気温50度。アタマくらくらして水をがぶ飲み。でもその水は湖水。この湖には住血吸虫がうじゃうじゃ。でもあついから水を飲む...


蔵前仁一、高野秀行、岡崎大五とは違った大爆笑エピソードがてんこ盛り。でも、紀行作家と呼ばれる人たちや、バックパッカーの紀行文と違うところは、その地に行きたくて行っているわけではなく、研究のため(仕方なく)行っているのだ、というところ。

ううむ、こういう本も面白いなあ。


6点/10点満点 (ちょっと辛めなのは、著者がエッセイストとしてこなれていないから)

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2007/05/24

大沢在昌ほか「小説こちら葛飾区亀有公園前派出所」の出版に(読んでないけど)物申す。

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所
秋本治/大沢在昌 /集英社 2007/05出版 158p 19cm NDC :913.68 ¥1,050(税込)


こういう本が出版されるそうである。
内容は以下(紀伊国屋BookWebより)

超人気作家7人
大沢在昌/逢坂剛/今野敏/東野圭吾/石田衣良/京極夏彦/柴田よしき

が『こち亀』を小説化!

『新宿鮫』の鮫島&晶が浅草初詣で両さんと遭遇。『池袋ウエストゲートパーク』のマコトは両さんと一緒に結婚詐欺師退治。大原部長と悪ガキ両さんの知られざる出会いなど、両津勘吉大活躍の短編が7本!



この本は、「こち亀」ファンや普段マンガしか読まない人たちに、小説も面白いんだよもっと興味もってね、という意図で出版されるのかと思うのだ。違うのかもしれんけど。

最近世間で囁かれ出していることに、今時の若者は活字離れしていない、書籍離れを起こしているだけだ、今時の若者はケータイメールを中心に、中高年よりよっぽど活字に触れている、というのがある。ニュースはネットで配信される無料記事か読まず、新聞を購読しなくなった私は、この説にごもっともと頷くのである。

だからマンガのノベライズは、出版社が生き残っていくための術として、今後もますます活性化していくだろう。私自身はマンガのノベライズはほぼ読まないので、こういう本が出版されることに関して、普段なら何とも思わない。


が、この「小説こちら葛飾区亀有公園前派出所」に関してだけはひとこと言いたい。


なんで『鮫』を使うんだよ。

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2007/05/22

船戸与一「風の払暁 満州国演義1」感想。
歴史冒険小説。2007年05月18日読了。

風の払暁 満州国演義1
船戸与一 /新潮社 2007/04出版 383p 20cm ISBN:9784104623020 ¥1,890(税込)


浅田次郎の「中原の虹」は、龍玉を手に入れた若き張作霖が満州を掌中に治めていく物語である(まだ続刊刊行中だけど)。

船戸与一の新作は、(以下紀伊国屋bookwebより)
麻布の名家に生まれながら、それぞれに異なる生き方を選んだ敷島四兄弟。
奉天日本領事館の参事館を務める長男・太郎、日本を捨てて満蒙の地で馬賊の長となった次郎、奉天独立守備隊員として愛国心ゆえに関東軍の策謀に関わってゆく三郎、学生という立場に甘んじながら無政府主義に傾倒していく四郎…ふくれあがった欲望は四兄弟のみならず日本を、そして世界を巻き込んでゆく。



時代としては張作霖が死ぬ前後である。

浅田次郎の「中原の虹」も相当長い話になりそうで、船戸与一の本作「満州国演義」もまた、相当長い話になりそうだ。日本史が嫌いだった私は、満州の歴史をほとんど知らない。だから話の展開がどうなるのか、歴史上の人物がどのような動きをするのか全く知らないまま、両作を読んでいる。

浅田次郎と船戸与一、どちらも癖はあるけど筆力折り紙付きの作家で、年齢とともに筆が枯れることなく、旺盛に小説を書いている。この両作家がほぼ同時期に満州を題材に持ってきたのは、満州で起こった出来事が魅力的なのだろうな、と思い、両作とも期待しつつ読むのである。


7点/10点満点

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2007/05/21

中谷美紀「インド旅行記3 東・西インド編」感想。
紀行文。2007年05月16日読了。

インド旅行記3 東・西インド編
中谷美紀 /幻冬舎 2006/12出版 227p 15cm ISBN:9784344408777 ¥519(税込)

中谷美紀3冊目のインド旅行記は、1、2冊目で見られた堅さが抜け、とてもいい感じ。

映画「嫌われ松子の一生」に主演したおかげで身も心もぼろぼろになったから、リフレッシュするためにインド旅行に出るのだ、という理由で始まった(ような印象を受ける)本書シリーズ。旅をるるからには何か目的がなければならない。それはヨガだったり、歴史的建築物を観光することだったり、おいしいものを食べたりと色々あるのだろうが、1、2巻では、目的のために旅をしているのか、旅するために目的を作っているのか判らないところがあった。

3巻目に当たる本書の16ページに、空港の待ち時間に出会ったミャンマー生まれアメリカ育ちのインド人から、タージマハルもいいけどラナクプール(アディナート寺院)も負けず劣らずいいよ、と会話するエピソードが出てくる。

このエピソード自体はたいした話じゃないけど、こういう話が書けるようになったんだ、と旅行作家中谷美紀の成長が如実に感じられるエピソードと感じた。

その後94ページには、とても良い印象を持った現地ガイドとの別れに際し、「出会っては別れるばかりの旅の切なさが、また会おうと言いながら恐らく二度と会わない切なさが私は好きだ」、という感想にまとめている。違う作家の書いた本にも、似たような文章はあるのだろうが、こうもストレートに書かれた本を私は知らない。

旅先で出会った人たちとは、特に少しでも仲良くなった人たちとは、別れ際に「いつかまた会おうね」と言葉を交わす。その言葉は多分に儀礼的な言葉なのだけれども、その言葉には旅の思い出が凝縮されているような気がする。


バックパッカーに憧れて、バックパッカーに近いことまでは出来たけれども、女優という職業を抜きにしてやっぱり自分はバックパッカーにはなれないや、と自らの旅のスタイルを確立させたような中谷美紀の本書は、旅行作家中谷美紀の誕生を感じさせる。

1巻、2巻、3巻と、巻を重ねるごとに内容が良くなっていくところなど、今後まだこういう本を書くのなら、結構期待が持てる。


7点/10点満点

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2007/05/17

中谷美紀「インド旅行記2 南インド編」感想。
紀行文。2007年05月14日読了。

インド旅行記2 南インド編
中谷美紀 /幻冬舎 2006/10出版 229p 15cm ISBN:9784344408562 ¥519(税込)


インド旅行記1ではヨガのことがやたらと書かれていて、ヨガに興味のない私は、女優が書いたインド旅行記という感覚で読んだ。

2冊目となる本書、この旅ではヨガではなく、旅そのもので感じたことが書かれている。

中谷美紀は当たり前だけど作家ではなく、トラベルライターでもない。だからなのか、普通の旅行記ではあまり書かれないことが書かれていて、それがちょっと新鮮な感じがした。

移動には飛行機を使ったけど、フライトが遅れ空港で待たされ、待っている間空港のレストランでご飯を食べたらまずかった、とか、陸路の移動では現地旅行会社が手配した車に乗ったけど、サスペンションが堅くて乗り心地が最悪、とか、相も変わらず大都市ではバクシーシを求める子供が多いけど、すがるようでいて健気ででも未来を感じさせる目を見ていると、ついついお金をあげてしまった、などプロのトラベルライターが書くと怒られそうなことが何度も出てくる。

だけどそれはバックパッカーでもツアーでもない、普通の一人旅をしている人が感じたこと体験したことを、飾ることなく文章にしたためているため、読んでて不愉快な感じはなく、一人旅ってこういう感じなんだなあ、ということがよく判る。

また、本を一冊書き上げたことで文章力が上がったのだろうか、読んでいてその地は一体どういうところなのか、WEB上で写真を探し見てみたくなることがままあった。(見てみたくなるということは、情景描写の書き方がまだまだってことなのだろうな。上手いトラベルライターが書く文章なら、文章を読んだだけで情景が目に浮かぶから)

なかでもクリシュナのバターボールという地名(奇岩)が出てくるのだが、これは一体なんだろう、とWEBで探した。

探すまでもなく、クリシュナのバターボールの写真は幻冬舎のWEBマガジンに載っていた中谷美紀のインド旅行記の第4回に写真が載っていた。なるほどなあ。こういう形か。

これは、ミャンマーにあるチャイティーヨ・パゴダのゴールデンロックに似ているなあ、と思った。


このバターボール、実物を見てみたいなあ。


6点/10点満点

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2007/05/16

岡崎大五「アジア飯店」感想。
グルメ(?)紀行文。2007年05月11日読了。

アジア飯店
岡崎大五 /青春出版社 1999/12出版 246p 15cm ISBN:9784413091251 ¥550(税込)


私の通勤時間は、自宅から駅まで歩き18分→常磐線各駅停車に32分乗って乗り換え→山手線に15分乗って乗り換え→地下鉄に6分乗って→会社まで歩き6分、乗り換えに要する時間を含め約100分である。(以上片道)

私の通勤時間帯では、常磐線各駅停車(地下鉄千代田線乗り入れ)は、平日5日のうち4日は座れる。だから快速乗らずに各駅停車に乗っているのだが。

2007年5月11日の朝。私はいつもの時間に自宅を出て、会社に向かった。

この日は、座れない日だった。

ちっ、4月に新入社員新入学生が増えてから座れなくなってきたなあ、とへたれ中年っぽい腹立たしさを感じながら会社へ向かった。

この日はものすごい強風だった。

駅まで歩いている最中、駅で電車を待っている最中、強い風を感じていた。

常磐線各駅停車の電車は、強風のため途中の駅で止まってしまった。

止まって20分を過ぎた頃、「前に電車が5本つかえていますが、先頭の電車が動き出しました。この電車もまもなく発車する見込みです」とアナウンスが流れた。

まあ自然災害だからしょうがない、動くまで待つか、と心頭滅却して立ったまま動き出すのを待っていた。

そして電車が動いたのは、それから

113分後

だった。

つまり、電車は20分+113分=133分=2時間13分遅れで、私がいつも乗り換える駅に到着したのだった。


本書は、その2時間13分+いつもの常磐線各駅停車に乗っている32分=2時間45分の間に読んだ。

もっと平常心の時に読んでいれば、もっと面白く感じたのかも知れないけど、こんなくそイライラしているときに読んだら、どれだけ面白い本でも面白く思えねえよっ!

5点/10点満点

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2007/05/14

とまこ「気がつけば南米」感想。
紀行文。2007年05月09日読了。

気がつけば南米―いきなり結婚→南米へ!おきらくカップル180日間の旅 <br />
とまこ /アスペクト 2007/03出版 139p 22cm ISBN:9784757213647 ¥1,680(税込)

著者とまこ、その旦那なおQの新婚旅行を兼ねた南米180日間バックパック旅行記。
旅程は2003年10月27日~2004年4月23日まで、ペルー&ボリビア76日、パタゴニア31日、チリ&アルゼンチン&ウルグアイ25日、パラグアイ11日、ブラジル37日、と書かれている。

旅のポリシーがなんかいい。
メシは安い大衆食堂か自炊。
宿はその街の最低ランク、でもドミトリーは避け、温水シャワー必須。
移動の基本はバス。
地元ガイドによる観光には金をケチらない。
滞在に使った金は、飛行機代を含めて一人762060円だとか。一日4200円くらい。

写真と、著者自ら描いたイラストと、著者のストレートな旅の感想がほぼ同じ量で構成されている。

著者のストレートな感想は本当に素直な感想が多く、メシがまずけりゃまずいと書き、町がしょぼければしょぼいと書く。あまりに素直なので読んでいて”あはは”と笑えるのだが、全体的なバランスから見るとイラストの量が多すぎるような感じ。まあこれは完全に好みの問題だけど。

5点/10点満点

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2007/05/12

岡崎大五「バンコク危機一髪」感想。
紀行文調の小説。2007年05月08日読了。

バンコク危機一髪
岡崎大五 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2006/11出版 349p 15cm ISBN:9784043654086 ¥579(税込)


岡崎大五の添乗員シリーズにどっぷりとはまってしまったこの一ヶ月、総じて楽しく読めた。一気に読みすぎたと思わないではないが、天気がはっきりしなくて鬱々とした気分が続いたので、お気楽に読めてしまって後味も良いく気分も軽くなるから、まあいいか。未読の岡崎本も残り少なくなってきたので、あんまりちゃっちゃと読んでしまうと、今後の楽しみが少し減ってしまうな、と思いつつも、また今日も手を出してしまった。それが本書「バンコク危機一髪」だ。

本書の奥付を見ると、本書は2001年に刊行された「だましだまされ生きるのさ」を、文庫化した際に改題した本とのこと。何で改題するのかねえ。「だましだまされ生きるのさ」は買っていなかったからいいけど、ネットで作者とタイトルで検索して本をぽいぽい買ってしまう私は、改題されたことに気付かず同じ本を買ってしまうことがよくあるのだ。何で改題するのかねえ。


さて本書。

大まかな内容は、旅行中バンコクで金がなくなってしまった主人公岡崎君は、金を稼ごうとバンコクで働く決意をする。が、現実は甘くなく、ようやく就職した先は山師のような日本人長峰社長が、バンコクの警察官ワロップと組んで経営している怪しげなコンサルティング会社だった。世間を知らない主人公岡崎君は、バンコクで働く日本人の中でも最も安い給料で雇われることになった。コンサルティング会社、聞こえは良いが実態は何もないに等しく、先輩日本人社員はやる気なし。そして先輩はクビ。入社早々に先輩がいなくなってしまった岡崎君は、自分の食い扶持を稼ぐため、バンコクの役人達を訪ね歩き、役人とコネを作るところから始めるのだった……

という感じで始まり、終始一貫、バンコクでのどたばたライフが書かれている。

主人公が岡崎君なので、岡崎大五若かりし日々を綴った青春回想録と思いながら読んでいたのだが、エッセイにしてはフィクション要素が多くないか?と疑問に思い、本書の奥付をよく見たら「この作品はフィクションです」と書かれている。小説だったのか。

こういう紀行文のノリをそのままフィクションとして書かれたもので、私が以前読んだことがあるものでは、高野秀行「アジア新聞屋台村」が該当するけど、出版年度は岡崎大五の本書の方が早いんだよな。

高野秀行や蔵前仁一の紀行文は、主役はあくまであくまで作者本人で、作者本人が体験し感じた旅の話が詰まっている。対して岡崎大五の添乗員シリーズは、どちらかと言えばツアー客が話の主役で、岡崎大五は狂言回しに役割になっている(ように思う)。

添乗員シリーズは、まあ面白く読めるのだけれども、やっぱり冷静に考えるとちょっと脚色がはいっているようにも思えるし、それは別になにも悪いことではないんだけど、本書はフィクションとして割り切っている感じがして、結果、添乗員シリーズよりも完成度が高くなっていると思うのです。




本書は、岡崎大五の本で一番面白く読めました。


8点/10点満点

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2007/05/08

岡崎大五「添乗員漂流記」感想。
紀行文。2007年05月07日読了。

添乗員漂流記
岡崎大五 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2006/07出版 317p 15cm ISBN:9784043654079 ¥579(税込)


私が紀行文を好んで読むのは、旅という比較的平和な日々の中で起きるドタバタが面白く、よほどひどい紀行文でない限り、読んでいてイライラすることもむかつくこともあまりなく、まあ要するに穏やかに読書を楽しめるのである。今年は生活の中でイライラすることが多く、読書くらいはイライラしない本を多めに読もう、と意識してお気楽な本を多めに読んでいる。

ここ1ヶ月で読みまくった岡崎大五の他書は、平和なツアー客の平和なぼけっぷりが面白かったのだけれど、この本では本格的に変な人が出てきたように感じ、今までの岡崎他書とはちょっと傾向が違うのかなあ、と思う。


5点/10点満点

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2007/05/06

岡崎大五「添乗員疾風録」感想。
紀行文。2007年05月03日読了。

添乗員疾風録
岡崎大五 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2005/11出版 318p 15cm ISBN:9784043654062 ¥579(税込)


飽きてきたわけではなく、韓流とかミステリーツアーとか私が嫌いな話が中心だったので今回は辛く。

いや、やっぱ流石に飽きてきたのか?


5点/10点満点

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2007/05/02

岡崎大五「添乗員撃沈記」感想。
紀行文。2007年05月01日読了。

添乗員撃沈記
岡崎大五 /角川書店(角川グループパブリッシング) 2004/12出版 295p 15cm ISBN:9784043654055 ¥579(税込)


我ながら4月はやけに本を読んだなあ、と思って調べたら16冊も読んでいた。これで今年に入ってから読んだ本は52冊。例年の倍くらいのペースで本を読んでいる。今年は例年よりも更に更に仕事が暇なんだよな。ああ、首筋が寒い。


4月に初めて読んだ岡崎大五も、これで5冊目。

5冊目だけど、毎回毎回異なるエピソードが書かれているため、飽きがこない。

毎回異なるエピソードってのは当たり前に思えるかも知れないけど、出来の悪いビジネス書作家は同じネタで何冊も書くことがよくあり、それはなぜかというとビジネス書は作家名で買うことよりも、刺激的なタイトルや前書き、帯の惹句に惹かれて買うことが多いから。

そういう背景を考えると、私が今岡崎大五にはまり2005年は高野秀行にはまり2004年は蔵前仁一にはまっていたように、紀行文を書く方々は、ビジネス書を書いている方々(の多く)とは違ってやっぱり作家なのであって、作家というのはやっぱりファンがつくのであって、ファンを裏切らないためにはやっぱり同じネタは一回しか使わないのであろう。(とはいっても総集編的な本では同じネタが出てくることがなきにしもあらず)

というわけで飽きもせずに岡崎大五を楽しんで読んでいるのである。


7点/10点満点

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逢坂剛「相棒に手を出すな」感想。
ミステリ系連作短編集。2007年05月01日読了。

相棒に手を出すな
逢坂剛 /新潮社 2007/04出版 302p 20cm ISBN:9784103649069 ¥1,680(税込)


そんなに深く考えて作ったキャラクターじゃなかったけど、書いてみたら意外と気に入ったので、いつの間にか短編シリーズとして成立していました、てな感じの話。

二本柳ツル、という婆さんキャラが主人公よりも良い。

逢坂剛って本当にハズレが少ないので、読者としては安心できるよ。(除く西部劇)


6点/10点満点

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映画「ナイロビの蜂」感想。
社会派ミステリ映画。2007年04月29日鑑賞。


クラッシュ

allcinema ONLINEでの「ナイロビの蜂」はこちら。

粗筋とかはallcinema ONLINEなどをご参照下され。


この映画はDVDで見た。DVDの入手価格は約5万円である。


何のこととはない、GAGAの株主優待で貰ったDVDなのだが、GAGAの株価が目眩がするほど急落したため5万円損をし、貰った優待商品はこれ1枚だったのだ。

というような腹立たしさもあったため、このDVDが届いてから放置していたが、ようやく見たのである。


世間一般ではなかなか評判が良い映画なのだが、そんなに絶賛するほどいい映画だとは思わなかったんですけど。

殺された妻がなぜ慈善活動にのめり込むようになったのか、その背景が描かれていないため、人物造形が薄っぺらい気がしたし、というか妻役のレイチェル・ワイズは公開当時34歳なのに、映画の中で妻の年齢が24歳と出てきたとき「えっ?!」と唸ってしまったし、それから主人公の周りに都合良く裏街道に顔の利く便利な弁護士の親戚がいたり、そのほかにも御都合主義的な展開が多いし、なんだかねえ。

この映画を恋愛映画として観るか、サスペンス系の映画として観るか、それとも社会派ドラマとして観るか、で感想は違うのだろなあ。


6点/10点満点


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2007/05/01

蔵前仁一「各駅停車で行こう」感想。
紀行文。2007年04月29日読了。

各駅停車で行こう
蔵前仁一 /旅行人 1998/12出版 238p 19cm ISBN:9784947702166 ¥1,470(税込)

雑誌「旅行人」の最新号に、本書の広告が載っていた。蔵前仁一の本はほとんど読んだと思ったけど、この本は読んだ記憶がないし、実際本棚にも存在しなかったので、ああこれは読み逃していたのだな、と思っていつものように紀伊国屋bookwebに注文した。

で、届いたので読んでみたら、む?読んだことがあるエピソードばかりだぞ。

どうにも読んだことがあると思って蔵前仁一の文庫をざっと読み直したら、ああなんということでしょう、本書(単行本)は、幻冬舎文庫から出ている「いつも旅のことばかり考えていた」の元本でした。


「いつも旅のことばかり考えていた」のあと書きによると、「各駅停車で行こう」というタイトルが鉄道関連本だと勘違いしてしまった、という読者のクレームがあったので、文庫化に当たってタイトルを変えたそうだ。だったら元本となる本書を絶版にして欲しかったよ、といいたいところだけど、旅行人のような小さな出版社は断裁なんて悲しい処分はそう簡単にはできんのだろうなあ。棚卸の問題とかあるし。


そういうことなので本書は再読になるのだが、再読であるけれどもいつもの蔵前本と同じく楽しめたので、まあいいか。


7点/10点満点

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