下川裕治「5万4千円でアジア大横断」感想。
紀行文。2007年06月06日読了。
下川裕治 /新潮社 2007/05出版 271p 15cm ISBN:9784101315515 ¥499(税込)
ふと立ち寄った本屋に、平積みで置いてあった本書。「12万円で世界を歩く」の下川裕治の本だから、5万4千円でアジア横断、って嘘じゃないんだろうけど、いつの時代の話だよ、と思いながらも手に取った。
驚いたことに、2005年の旅行記だった。
私は知らなかったのだが、アジアハイウェイ(略称AH)という、アジア32カ国を横断する14万キロの高速道路網があり、アジアは陸路で横断できるらしい。
本書は、そのアジアハイウェイ1号線をバスで走破するという企画に、元祖バックパッカー旅行作家下川裕治氏(2005年時点で51歳)がチャレンジした(させられた)結果をまとめた本である。
走破ルートは下記。
日本橋→大阪→博多→韓国→北朝鮮を通過したかったけど断念して中国→ベトナム→ラオス→タイ→ミャンマー通過したかったけど断念してバングラデシュ→インド→パキスタン→イラン→トルコ
これだけの距離(2万キロくらい)をバスで移動し、かかった日数は27日。うちバス車中泊15泊!
で、5万4千円は移動費=バス代、船代、タクシー代の合計で、宿泊費は含まれていない。
そういう意味ではちょっと肩透かしをくらったような気がするけど、さすが下川氏。
私には絶対真似できない。無理だ。
それとこの本には、カラー図版が十数ページある。すげえ過酷な旅をしてますなあ、というのが目で見て判るのもグッド。でありながら、何と500円だ。昨今の出版界を考えると、信じられないくらい安いぞ。
でありながら、ちょっとだけ評点が辛いのは、著者下川氏も自分で書いているのだが、本書で実施された企画は基本的に旅ではなく、アジアハイウェイをバスで移動するだけの話なのだ。従って旅の要素が少なく、紀行文として読むにはちょっと。
もう一工夫あったらもっと面白かったのに、と思いつつも、下川氏のリッチな旅ルポなんて誰も期待していないんだろうなあ。
6点/10点満点
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