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2007/07/28

栄陽子「留学で人生を棒に振る日本人」感想。
新書。2007年07月26日読了。

留学で人生を棒に振る日本人―“英語コンプレックス”が生み出す悲劇
栄陽子 /扶桑社 2007/04出版 190p 18cm ISBN:9784594053444 ¥735(税込)

留学コーディネーターの著者曰く、正しく留学しないと人生を棒に振る。

適当な留学コーディネーターに半分だまされ、いざ留学してみたら"州立大学"という名のスパニッシュ向け職業訓練校だった、ホームステイ先が離婚したチャイニーズの女の家で実際は会話のない下宿だった、ワーキングホリデーで働き場所を斡旋してもらったら農場でこき使われただけだった、なんてことはよくありちっとも珍しくない、らしい。

そういう現実をふまえて、英語を喋るようになることよりも、何を喋るのか、その中身がだいじなのだ、考えて喋る能力が身についていないうちに留学したって、単に英語を喋れるだけのおバカちゃんになっちゃうよ、てなことを著者はいいたいのだろう。

易しくわかりやすく丁寧に書かれており、ただし同じ話が何度も繰り返されるのでちょっとくどいけど、なかなか考えさせられる内容で、良書といえるでしょう。


7点/10点満点

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2007/07/27

のり・たまみ「2階でブタは飼うな」感想。
雑学本。2007年07月26日読了。

2階でブタは飼うな
のり・たまみ /講談社 2007/07出版 261p 15cm ISBN:9784062757997 ¥579(税込)

「敵は海賊・正義の眼」が思っていたより面白く、かつ神林長平にしてはすらすら読めてしまったので、帰りの電車で読む本が無くなってしまった。しょうがないから駅ナカの本屋でテキトウに物色。

で、肩の凝らない軽い本を探し、本書を選ぶ。

エッセイとしても中途半端、雑学本としても中途半端、扱っているネタもテーマがピンぼけで中途半端、何もかもが中途半端。買わなきゃよかった。こんな本を本棚に置いたら、本棚が腐る。さっさと捨てよう。

この本の金銭的価値:ダイソー100円文庫程度。

1点/10点満点

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神林長平「敵は海賊・正義の眼」感想。
SF小説。2007年07月25日読了。

敵は海賊・正義の眼
神林長平 /早川書房 2007/06出版 306p 15cm ISBN:9784150308933 ¥651(税込)


「敵は海賊」シリーズ、10年ぶりの新作。嬉しいぞ。

冒頭からヨーメイ大暴れ。うう、堪らん。

ところでセレスタンなんてキャラいたっけ?まあいいや、後で調べよう。

そうそう、そういやアプロの得意技は精神凍結だったなあ。
ヨーメイの武器はフリーザーだったなあ。
どっちも忘れてたよ。


でもなあ、ここまでくると最早「敵は海賊」ってより「無敵の海賊」って感じ。


7点/10点満点

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2007/07/26

高野秀行「怪獣記」感想。
怪獣探索ドキュメント。2007年07月24日読了。

怪獣記
高野秀行 /講談社 2007/07出版 281p 19cm ISBN:9784062140775 ¥1,575(税込)


何気なく本屋に行ったら、「怪獣記」なる珍妙なタイトルの本が、結構目立つ位置に平積みされていた。まるで高野秀行の本のタイトルみたいだなあ、と思って手に取ったら本当に高野秀行の本だった。

1年暗い前までは、高野秀行の本が本屋に置いてあること自体少なかったのに、今じゃ目立つ位置に平積みですか。そういや「ワセダ三畳青春記」はあちこちの本屋(の文庫コーナー)で平積みされているよなあ。今の出版界では売れている方に入るんだろうなあ。


さて本書は「未知の生物=UMA」が大好きな高野秀行が、トルコのワン湖(琵琶湖より大きい)に住むジャナワールというUMAを探しに行く話。誰にも知られていないUMAを探す殊が大好きな高野秀行。はじめは既に知られているUMAであるジャナワール探しに乗り気じゃなかったけど、トルコの大学教授が書いた真面目なジャナワール研究書を見つけてから俄然やる気になり、こうなったらトルコにひとっ飛びだ!

森清氏の撮った写真が多数掲載されているが、本文とはあまり関連性が無さそうに見え、なんだか写真がミスマッチだよなあ、と思いつつも読了。巻末を観たら写真の説明が全部載っていて、うおっ、本文とこういうつながりがあったのか! ちょっと驚いた。


高野好きにはたまらない本です。


7点/10点満点

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2007/07/22

栗本薫「グインサーガ外伝21 鏡の国の戦士」感想。
ファンタジー。2007年07月18日読了。

グインサーガ外伝21 鏡の国の戦士
栗本薫 /早川書房 2007/07出版 343p 15cm ISBN:9784150308940 ¥609(税込)

なんと悩ましい終わりかたをするんだろう。

また風呂敷を広げたのかな。


8点/10点満点

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2007/07/18

海外ドラマ「セックス・トラフィック」感想。
社会派ドラマ。2007年07月15日鑑賞。

セックス・トラフィック
allcinema ONLINEでの「セックス・トラフィック」はこちら。

粗筋(紀伊国屋BookWebより)
モルドバに住む姉妹エレナとヴァラはより良い生活を夢見てロンドンへ向け旅立つ。しかし、二人は手筈を整えてくれた妹の彼氏の裏切りでサラエボへと売春婦として売り飛ばされてしまう。そこで彼女たちを待っていたのは、性の奴隷としての生活だった。
そのころ、ボスニアでは国際平和維持活動のために現地へ部隊を派遣する米国民間軍事会社カーンウェルの若き隊員カルム・テイトが買春容疑で逮捕され、イギリスへ強制送還される。実はカルムはカーンウェルが組織ぐるみで人身売買に関わっている証拠のビデオを持っており、口封じのために汚名を着せられたのだ。ロンドンのNGO人権団体職員ダニエルはカーンウェルの人身売買の疑いを持ち調査を行うが、組織の壁に阻まれる。しかし、ダニエルはロンドンへ売られてきたエレナと出会うことで真相究明への糸口を見つけ、カルムのビデオを公表することに成功する。
やがて、アメリカのビッグ・ビジネス及びヨーロッパの国際平和維持連合部隊の底に潜む腐敗をえぐり出す衝撃の結末を迎える。




イギリスで放送されたテレビドラマで、前後編各90分、合計180分=3時間の長尺作品。

3時間もの長さであるが、ユーモアやおちゃらけの要素は一切無く、徹頭徹尾社会派ドキュメンタリータッチのドラマとして作られている。

また、演出が今ひとつのところも多く、カーンウェル社が民間軍事会社であることや、主人公ダニエルが所属する団体が人権保護を目的とするNGOであること、他にも女性教授(後にイタリア人の人権活動家とわかる)などが出てくるが、ことごとくどういう立場にいる人なのかが序盤ではわからない。では話が進めばわかるかというと、ある程度国際情勢とか国際協力機関についての予備知識がないと、最後までわからないまま終わってしまうかも知れない。(ボスニアの国際平和維持活動=PKOに民間人兵士がいること自体よく判らない人も多いのではないかと思う→2014/07/01追記:PKOに参加するのは国連加盟国の兵士だけではなく、国連から金で雇われた民間軍事会社が一部保安業務を担当する場合もある)

息つく暇すらない徹頭徹尾社会派な脚本、見る者に予備知識を必要とする複雑さ、胸くその悪くなる人身売買組織の描き方、エロビデオのような管理売春の様子。

ものすごく敷居の高いドラマだ。


細かな点で文句はいろいろあるけど、たくさんの人に見てもらいたいドラマです。


8点/10点満点

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2007/07/16

大沢在昌「影絵の騎士」感想。
近未来SFハードボイルド。2007年07月14日読了。

影絵の騎士
大沢在昌 /集英社 2007/06出版 508p 19cm ISBN:9784087748703 ¥1,890(税込)

あらすじ(紀伊国屋bookwebより)
「B・D・T」と呼ばれるスラム化に、東京はむしばまれていた。
新東京として何とか再生を果たすが、「ネットワーク」という強大なテレビ機構が、あらゆる産業を牛耳るまでに発展を遂げていた。
番組を通じての連続予告殺人が横行。
世間の関心を独り占めする。
事件の背後に浮かび上がる、謎のグループ「フィックス」、そして日本版ハリウッドともいうべき「ムービー・アイランド」。
探偵はひとり、人工島に乗り込む。




現代のテレビ局は、自分たちの都合の良いようにニュースを流し、世論を操作することができる。視聴率を稼ぐため、世間に迎合した、必ずしも正しいは思えない意見を垂れ流すことが多い。(新聞社は恣意的な傾向が昔から顕著で、朝日新聞は社会主義者もしくは共産主義者の集まり)

本書は、テレビ局が権力を持ちすぎたら世界は一体どうなってしまうのか、というテーマを、近未来SF設定で書いかれたハードボイルドの傑作。新聞社が権力を持てないところに、未来像を感じる。

大沢有昌は日本の(いや世界のか)テレビ局の行く末に、とても危機感を抱いているのではないだろうか。この小説で書かれている行き着くところまで行き着いてしまったテレビ局の姿は、実際に起こりえる姿だと思う。

本書の設定は、テレビ局の報道(ニュース)を無条件には信じない私には、とてもリアリティが感じられた。

2070年頃の設定なのだが、設定を理解させるためか、ところどころ妙に説明っぽいし、近未来の技術発展に関する想像力が甘い。そういうマイナス要因もあるけど、大沢在昌の最高傑作の一つではないかと個人的には絶賛するのである。


9点/10点満点

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2007/07/12

佐藤仁「パチンコの経済学」感想。
ビジネス書。2007年07月10日読了。

パチンコの経済学 内側から見た30兆円ビジネスの不思議
佐藤仁 /東洋経済新報社 2007/03出版 253p 20cm ISBN:9784492761632 ¥1,575(税込)


小説回帰月間、にするはずだったのになあ。
回帰した途端に×印の小説を読んじゃったんだよなあ。

キャラクターマーチャンダイジングのお仕事で、否応なしにパチンコ業界と関わっているような人にとって、とても参考になる本。

プレイヤー人口が減り続けているにもかかわらず、売上が30兆円弱で横ばいという歪んだ業界構造の一端が見えてくる。

筆者は、日本最大のパチンコチェーン「ダイナム」に15年勤めた元取締役。ダイナムの売上は1兆円を超え、経常利益も100億円を超えている。ダイナムを筆頭に、大手パチンコチェーンは株式上場を夢見ているが、現状のままではその夢が叶うことは"絶対に無い"。その理由は、法的根拠が不明確な"換金"。

パチンコホールの元経営陣が書いたという点と、書かれている内容が極めて真面目にパチンコ産業を見据え、現状分析、課題、将来展望、そして業界への提言、と構成も優れている。

第二弾、第三弾を期待したい。


7点/10点満点

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2007/07/11

宮部みゆき「ドリームバスター4」感想。
SF小説。2007年07月10日読了。

ドリームバスター〈4〉
宮部みゆき /徳間書店 2007/05出版 361p 20cm ISBN:9784198623272 ¥1,680(税込)



よし、今月は小説回帰月間としよう! と手に取った本書。


「ICO」よりマシ、って程度。


2点/10点満点

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吾妻博勝「 回転寿司「激安ネタ」のカラクリ」感想。
ルポ。2007年07月09日読了。

回転寿司「激安ネタ」のカラクリ
吾妻博勝 /宝島社 2007/01出版 127p 21cm ISBN:9784796656139 ¥899(税込)


内容はタイトルの通り。著者の吾妻博勝氏は、「マフィアの棲む街」を書いた骨太ルポライター。


「回転寿司」に用いられる鮨ネタは、如何に安く仕入れて如何に客の舌を満足させるかが大事。

輸入物の冷凍サバが「関サバ」、なんて産地偽装は当たり前。
それだけじゃない正体偽装も当たり前。
鯛や鮃など白身魚の正体は深海魚。
穴子の正体はウミヘビ。
クルマエビの正体はブラックタイガー。
それだけならばまだしも、普通の人なら誰もが見向きもしない奇形魚も平気で使う。


また、無駄を徹底的になくすのも「回転寿司」の特徴。

客に食われることなく回り続けた皿(の上の鮨)は、表面が乾燥している。でもまだ食えるから勿体ない、霧吹きで水または安定剤を吹きかけ、再生。2~3回再生したらさすがに鮨ネタとして使うのは無理なので、ネタとしゃりを剥がし、ネタからわさびと洗い落とし、例えば鮪ならミンチにしてネギトロに再利用、もしくはボイルしてツナに再利用。


一部高級回転寿司屋は上記のようなことはしていない、と書いてあるけど。

元々回転寿司は嫌いな私、ますます行きたくなくなった。

食肉偽装と根っこが同じ。消費者が安い食材を求めるところに、モラルの低い企業が存在したことで発生した、食品問題ですな。出来合いのウナギの蒲焼きがスーパーで安売りの目玉商品として売られている、こういう商品を消費者が求める限り、産地偽装、正体偽装は続くのでしょう。


6点/10点満点

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2007/07/10

映画「ディパーテッド」感想。
暗黒刑事映画。2007年07月08日鑑賞。

ディパーテッド
allcinema ONLINEでの「ディパーテッド」はこちら。

粗筋とかはallcinema ONLINEなどをご参照下され。


なんでああも簡単に女医は主人公二人とくっつくのかね?

デカプリオが「CITIZENS」と書くところ、何であの場所に行ったのかよくわからないや。どこか見逃したのかな。でも前に戻って見直すほどじゃないからいいや。

ジャック・ニコルソンが何だかすげエステレオタイプなマフィア。

これがほんとにアカデミー作品賞なのか?


5点/10点満点

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映画「ダーウィンの悪夢」感想。
ノンフィクション。2007年07月08日鑑賞。

ダーウィンの悪夢
allcinema ONLINEでの「ダーウィンの悪夢」はこちら。

粗筋とかはallcinema ONLINEなどをご参照下され。


タンザニアなどにまたがる巨大な湖、ヴィクトリア湖。
1960年代、ヴィクトリア湖に外来魚であるナイルパーチが放流された。
巨大に成長し、白身で美味しく食べられるナイルパーチは、ヴィクトリア湖周辺の漁民の生活を一変させた。
漁民はナイルパーチを獲り、水産加工場に売り、加工場はEUや日本に向け輸出するため近代的な設備を整る。
ナイルパーチ漁で活況を呈する湖岸の街には、周辺の食い詰めたタンザニア人が我も我もと押しかける。しかし技能を持たないそれらの人々は、一日1ドルで命がけの夜警を行い、売春を行い、親をエイズで失った子供達はストリートチルドレンとなり、日々の食糧としてナイルパーチのアラを干す。
ナイルパーチの切り身を運ぶ飛行機は、EUから空荷でやってきて、白身を満載にしてEUへ戻る。誰もがそう思っていたが、EUからは大量の武器弾薬が運ばれているのだった…



というようなことを事前に宣伝されていたので、なるほどそういう映画なのかと思い観たのだが……



予備知識無しでこの映画を観たら、とてもそうは感じなかっただろう。
不必要なほどタンザニアの貧乏な部分、闇の部分を強調している。

最後の方で、一日1ドルの夜警が「俺たちは戦争を望んでいる、戦争は儲かるから」というようなことを言うのだが、言わされてる感じがしてしらけちゃった。


出来の悪い映画だなあ。


3点/10点満点

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2007/07/07

DAYS JAPAN 7月号

DAYS JAPAN 7月号に、「まだ間に合うのなら 日本の原発」という記事が載っていた。

原発の安全管理意識の低さを説き、原発の必要性を問う記事だ。執筆者は高木章次氏。

その意見、主張には頷ける部分も多いのだが、最後がいただけない。

「原子力発電は電気の1/3をまかなっていると宣伝されています。それなら私たちは「原発をやめて、2/3の電気で暮らそうよ」といいましょう。」



できるわけがない。

絶対無理、とまでは言わないけど、電気使用量を1/3も減らすなんて、まあまず無理。電気代を1/3に減らすことはできるだろうけど、電気の使用量そのものを減らすなんて無理。だいたい発電設備は、真夏の最高気温更新時にエアコンをガンガン使うときのピーク電力を確保するためのものなんだから。

そういう主張をしたいのなら、日本の電気の使用量は家庭用と事業用のどちらが多いか、経済を停滞させずに事業用電力消費量を減らせることができるのか、ピーク時の電力使用量はどのくらいで、これから更に温暖化が加速する中で、エアコンを使わないで自分の主張が実現できるのかどうか、そもそも自分が1/3削減できているのか、そのくらい検証(実証)してから主張すべき。


こういう阿呆な主張をする輩がいるから、原発廃止論は世間の歓心を引かないんだよ。



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小若順一「リサイクルは資源のムダ使い」感想。
環境問題啓蒙書。2007年07月06日読了。

リサイクルは資源のムダ使い―地球に正しい生活マニュアル
小若順一/食品と暮らしの安全基金 /講談社 2007/06出版 253p 21cm ISBN:9784062140812 ¥1,470(税込)

すごく自己矛盾した本。

最初に「地球温暖化」に関してのウソを暴く。

風力発電や太陽光発電、原子力発電は、発電設備を作るのに大量の石油が使われているから、必ずしもCO2削減には寄与しない。また風力発電の設備が山頂に設置される場合、山を切り開く必要があるので、逆に自然破壊の一因となり得る。太陽光発電は、発電パネルの表面ガラスが必ず汚れてしまう。汚れがひどくなるとそのうち発電しなくなる。それやこれやを考慮すると、今のところ天然ガスを使った火力発電が一番いいだろう。

と書いてあるのに、「在日スウェーデン人に聞くスウェーデン流エコとは」のところで、スウェーデンでは風力発電(再生可能=グリーンエネルギー)を使っている、と自慢げに語る話を載っけている。



どっちなんだよ。




合成洗剤が環境汚染の大きな原因の一つであるとして、自然素材でできた石けんと、重曹で洗濯することを提案している。だが、油汚れを落とすにはベンジンを使う必要があります。

が、そのベンジンは中枢神経抑制作用が強く吸引すると高い毒性を示す、とも書かれている。

毒性ある方法ならダメじゃん。




なんだか自分たちの主張が正しいと思いこんで、結果的に支離滅裂になっている部分もあるのに、そんなことお構いなしに書き殴ってただ単に出版されたような印象を受ける本。

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」が結構売れているみたいなので、便乗本か。


買わなきゃよかった、読まなきゃよかった、かなりがっかり。


3点/10点満点

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2007/07/06

中津孝司「アフリカ世界を読む」感想。
アフリカ分析書。2007年07月04日読了。

アフリカ世界を読む
中津孝司 /創成社 2006/10出版 196p 18cm ISBN:9784794450135 ¥840(税込)

本書で最初に出てくるのは、アメリカがなぜスーダン(ダルフール)の大量虐殺を無視し続けたかについての分析である。

著者曰く、アメリカは隣国のチャドから石油を輸入しており、スーダンからは輸入していない。だからスーダンが内戦に陥ろうと大量虐殺が起きようと、アメリカ経済には関係ない。だが人道的支援の声が高まったことと、スーダン難民が大量に(おおよそ200万人)チャドに流れ込み、その難民を更に攻撃する連中が国境を越え、チャドで戦闘が行われるようになり、チャドで働くアメリカ人石油ビジネスマンが危機にさらされてきた。さらにAU(アフリカ連合)の能力が低く、ダルフール紛争をAUが独自単独で解決できる見込みがなくなったので、ダルフール紛争の解決にアメリカ政府が介入したのだ。(かなり抄録)

ううむ、説得力のある説明だ。


また、本書16ページに著者のスタンスらしき記述があるのだが、これがまたすごい。

「イスラム原理主義者の坊主が牛耳るイランを抹殺しておくことが21世紀を生きる我々の責務であることだけは確かである。」

これはイランが北朝鮮やパレスチナのハマスに、武器や資金、核技術の提供を行っているので、西側資本主義経済を生きる我々にとっては敵だ、という主張に基づく意見なのだが、言い切り方が意見というレベルを超えていて、なというかまあすごい。

私は「世界平和を乱している諸悪の根源はイスラエル」と思っているので、著者のこの意見には賛同できない部分も多々あるのだが、人の意見は百人百様、こういう考え方もあるのだな、と深く考えさせられた。


この本は、私にとって斬新な見解が多く記載されていて結構面白く読めたのだが、全体的に見ると、表を1枚添付すれば事足りるような事柄、例えばアンゴラの何とか油田にはシェルが○%、BPが▲%出資していて、エチオピアのなんちゃら油田にはエクソンモービルが□%、シェブロンが★%出資してていうんたらこんたら、みたいな知識のひけらかしが随所に見られ、そんなことはどうでもいいよ、肝心の中身をさっさと書き進めろよ、と飽きてくる。

惜しい本だな。


6点/10点満点

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2007/07/04

泉谷渉「日の丸半導体は死なず 黄金の80年代復活か?」感想。
ビジネス書。2007年07月02日読了。

日の丸半導体は死なず―黄金の80年代の復活か?
泉谷渉 /光文社 2007/06出版 317p 19cm ISBN:9784334934132 ¥999(税込)

著者泉谷渉氏は、半導体産業新聞編集長で、「電子材料王国ニッポンの逆襲」を書いた人。

本書は、一般ビジネスマンが読んでも理解できるように書かれた前著と違って、もっと読者層を限定している。著者曰く、「DRAMって何ですか」と聞かれて1秒で答えられる人が対象読者である。従って内容はかなりハードルが高い。

ひらたくいえば日経マイクロデバイスを読んでいるような層が対象で、半導体製造工程の専門的な話が多数出てくる。だから日経エレクトロニクスをひーひー言いながら読んでいる人にはわからないことが多いかも知れない。けど、半導体製造工程の専門的な部分を読み飛ばし、日本の半導体メーカーの動向が書かれている部分だけ読んでも十分面白いと思う。



例えば、本書75ページに、「日本の半導体メーカーとインテルはどっちが立派な会社だと思う?」という質問に対する東芝の取締役の回答が面白い。以下引用
「インテルは世界中から最も優秀な人間を集め、必要がなくなればリストラをして少数精鋭で固める。しかし国内半導体大手メーカーの多くは、インテルよりはるかに劣る人材で戦い、余剰人員を抱え、リストラもままならない。高い人件費コストを抱え、それでもインテル、サムスン、TIなどを相手に回し、互角とは言わないまでも見事に戦っているのだ。どっちが偉いかはすぐわかるだろう」



本書292ページでは、半導体も作っている大手総合電機メーカーに対するの提言がある。

世界の携帯電話は年間10億台出荷されるが、ノキアのシェアは約35%。
パソコンのシェアはDELLやHPが上位。
携帯音楽プレーヤーではiPodがシェア70%。

ノキア、DELL、HP、アップルに共通していることは、半導体を作っていないこと。

半導体を内製化しなくても、儲かるビジネスは可能なのである。

日本の大手総合電機メーカーは、このことをよく考えて欲しい。



厳しいことも数多く書かれているけど、基本的には日本人として元気が出る本。
良書と思う。


7点/10点満点

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2007/07/02

ジェシカ・ウィリアムズ「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」感想。
世界問題の易説書。2007年06月30日読了。

みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実
ジェシカ・ウィリアムズ/酒井泰介 /草思社 2007/05出版 157p 21cm ISBN:9784794215888 ¥1,470(税込)


私は当ブログに載っけているような本ばかり読んでいるので、本書に載っている衝撃的な真実は聞いたことのあるような話ばかり。けど、本書は小中学生向けに書かれた本みたいなので、初めてこういう話に接する子どもにとっては(私と違って)とても新鮮にかつ衝撃的に感じると思う。

そういう意味ではとても良い本で小中学生には是非とも読んで欲しいのだけれども、この本の価格が1470円と高額なので、著者(イギリス人)の思惑に相反して日本の対象読者の手元に届かないだろう。

出版社(日本)の思惑としては、学校の図書館に入ってくれれば、とか思っているのかも知れないけど、図書館に入ったってこういう堅苦しい感じのする本は、なかなか読まれないのではないかと思う。

装丁とか紙質とか徹底的に無駄を省き、500円くらいで売らないと、本当に読んで欲しい年齢層には届かないような気がする。

もったいない本だ。


4点/10点満点

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2007/07/01

原康「新版 国際機関ってどんなところ」感想。
国際機関解説書。2007年06月29日読了。

国際機関ってどんなところ
原康 /岩波書店 2007/06出版 231p 18cm ISBN:9784005005703 ¥819(税込)

本書は岩波ジュニア新書である。
今回はジュニア新書であることを分かった上で買った

岩波ジュニア新書の対象年齢ってよく判らないけど、たぶん中高生向けなんだろう。

で、そういうことをふまえた上で感想を書くと、かなりひどい相当ひどいダメダメ本です。



著者は本書の冒頭で、21世紀の国際機関の出番を促すキーワードを3つ挙げます。
IT革命、グローバリゼーション、グローバル・ガバナンスの3つである、と。

で、IT革命の説明が「楽天」。

この著者はバカなのか?

楽天がやっていることはIT革命はじゃないだろ、単にインターネットを用いたショッピングモールを運営しているだけで、楽天が成功したのは運と営業努力のたまものであって、そこには技術的な斬新さなんかかけらもないだろうに。マイクロソフトとか、JAVAを作り出したサンマイクロシステムズとか、やっぱりインターネットで行くとgoogleとかを紹介するなら分かるけど、よりによって楽天かよ。この著者はバカか無知のどっちか。

その後もヘンテコな内容がてんこ盛り。

EU=ヨーロッパ連合の説明に124ページから140ページまで割かれているのだが、そのうち132ページから140ページはASEANなどアジアの説明になっている。この著者はバカなんだな。

219ページには、韓国と北朝鮮が分断していることは、1950年の朝鮮戦争に始まったわけではなく、1910年の日韓併合が遠因なのです、と書いている。
まあそりゃあそうだろうけど、そんなことを言い出したら、何で日本が日韓併合をするようになったのか、その遠因にも言及しなきゃいかんでしょうに。

220ページには、最初のイラク日本人人質事件の被害者(人質になった3人)に対し日本中がバッシングし、日本政府も救助(自衛隊撤退)を拒否した事件に関して、「ボランティアの人を責めるという発想は水平的な思考が欠けていることから出てきます」と述べているのだが、今さら?そんなことを書くの? 人質になったボランティアが本当にボランティアのためにイラクに行ったのかどうかもよくわからないのに? 



読みながら本書に折り目を付けたヘンテコな主張は20カ所に上る。

あまりにも偏った主張が多いので、なんだこいつバカじゃねえのか? と思うことしばしば。読み終わった後、著者経歴を見たら、1933年生まれの元朝日新聞記者、元東洋大学教授、とある。

無条件に日本を卑下し、無条件にボランティア精神が大切とのたまう、朝日記者らしい実にくだらない本だった。

読む価値なし、中高生に読ませる価値なし。


2点/10点満点

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