林克明「プーチン政権の闇」感想。
ルポ?2007年11月13日読了。

林克明 /高文研 2007/09出版 158p 19cm ISBN:9784874983904 \1,260(税込)
本書の冒頭を引用する。
2002年秋、出張先のモスクワでのことだった。
あるロシア人がこう言ったのである。
「私が日本で働いていたとき、林さん(注:著者のこと)が出る集会や講演会に行って、どんな話をするか聞いて報告しろ。そう命じられていたんです」
私の動向調査を命じられていたのは、FSB(ロシア連邦保安局=旧KGB)だ。もちろん、私の話だけでなく、私が発表したチェチェン戦争関連の記事や写真も収集されていた。
わかっていたこととはいえ、こうストレートに言われて、私は戸惑った。
なんかね、この冒頭の文章を読むと、"俺はロシア政府からマークされている、ロシア政府にとって危険なジャーナリストなんだぞ"、という印象を受けてしまう。
林克明氏のことを全く知らなければ、トンデモ本の類かと思えてしまうような出だしだ。
本書の内容も、日本ではあまり報道されない(関心がない)プーチンの闇の部分を照らし出しているのはいいのだが、他著の引用や、他者が行ったインタビューの翻訳などがあり、自分の足で稼いだ記事が少ないなあ、と思ってしまう。
プーチンがロシアで独裁体制を築き上げているのは事実だと思うし、それに伴う闇の所業は多数あるのだろう。が、本書はプーチンの負の部分を必要以上に強調したため、ルポ・ドキュメンタリーの本としてはあまり出来がよくない。
林克明氏は、日本屈指のチェチェン取材者なのだから、この本の出来の悪さはとても残念。
4点/10点満点
| 固定リンク
« 栗本薫「グインサーガ117 暁の脱出」感想。
ファンタジー。2007年11月12日読了。 |
トップページ
| 林克明「岩波フォトドキュメンタリー チェチェン 屈せざる人々」感想。
フォトドキュメント。2007年02月ころ読了。 »
「◇ノンフィクション」カテゴリの記事
- ブライアン・サウソール/ルパート・ペリー「ノーザン・ソングス―誰がビートルズの林檎をかじったのか」感想。
ノンフィクション。2012年05月24日読了。(2012.05.25) - 一橋文哉「ドナービジネス」感想。
ノンフィクション……?2011年02月16日読了。(2011.02.24) - 小松美彦「脳死・臓器移植の本当の話」感想。
生命倫理の書。2012年03月29日読了。(2012.03.30) - 金子達仁「28年目のハーフタイム」感想。
サッカーノンフィクション。2012年03月27日読了。(2012.03.28) - ノジュオド・アリ/デルフィヌ・ミヌイ「わたしはノジュオド 十歳で離婚」感想。
自伝的ノンフィクション。2012年03月21日読了。(2012.03.26)
コメント