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真山仁「虚像(メディア)の砦」感想。
現代小説。2008年02月28日読了。

虚像(メディア)の砦
真山仁 /講談社 2007/12出版 511p 15cm ISBN:9784062759250 \820(税込)

テレビ局の報道ディレクターが、中東で誘拐された日本人の行方を報道するうちに、自局内の内輪もめに巻き込まれてしまう話。対極的な存在として、お笑い番組プロデューサーの悲哀も描かれている。

ストーリーの元ネタとなっているのは、オウムで不祥事を起こしたTBSとイラク人質事件。舞台となっているテレビ局もTBSを下敷きにしている。


私はテレビ番組製作業を営む会社に勤め、プロダクションマネージャーとして13年働いている。私が仕事をしたことがないのはテレビ朝日だけ(キー局に限る)。テレビ神奈川やWOWOWの仕事もした。ドラマ・バラエティ・報道ドキュメント・スポーツ関係・アニメ等々の番組作りに関係し、諸々の仕事をしている。でも報道局とは仕事をしたことがない(音楽番組も関わったことがない)。


そんな私が思うに、まあかなり良くできている話ではないかと思う。


テレビ局の営業担当の姿がないとか、代理店の影が薄いとか、今のテレビ局にこんなに気骨のある人がいるのかなあという疑問とか(ま報道局の人とは仕事したことないから実態は知らないけど)、

親子の会話が凄まじく不自然であるとか、お笑いプロデューサーと部下のディレクターの会話があり得ないくらい不自然で異常とか、

イラクがモデルの国を「イスラム共和国」というネーミングにするとか、アルジャジーラをメソポタミア放送とネーミングするとか、毎朝新聞という毎日新聞がモデルなのか朝日新聞がモデルなのかわからないようなべったべたなネーミングするとか凄まじいまでのセンスの無さ(あるいはステレオタイプなわかりやすさを示したかったのか?)とか、

そのくせヨルダンはヨルダンと実名を出しているアンバランスさとか、

報道局の37歳のディレクターが運転手付きの車で取材に行くなんていくら局とはいえそんな贅沢できるんですかい?とか、

まあいろいろと文句はあるけど、


まあ結局夜中の1時まで読みふけって一気読みしたので、面白かったんだろう。


それと、明らかに古舘伊知郎(がモデルとなっている数行だけ登場する人物)のことを問題外のバカと断言しているところに、著者の気概を感じる(大袈裟)。


5点/10点満点

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