宮嶋茂樹・勝谷誠彦「不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス」感想。
南極ルポ。2008年05月15日読了。

宮嶋茂樹/勝谷誠彦 /新潮社 2001/08出版 279p 16cm ISBN:9784101242316 \539(税込)
◆何だか最近、すっかり宮嶋茂樹にはまってしまっている。シリアスなルポのはずなのだがお気楽に読める。シリアスな場所で取材をしているのだから、シリアスな内容にしようと思えばいくらでもできるのだろうが、シリアスな内容にしたら読む人が減ってしまうのだろうなあ。ここ数年シリアスな内容の本をやたらと読んでいる私でも、シリアスばかり続くと激しく疲れてしまう。だから宮嶋茂樹の各著書くらいお気楽に読めるルポというのも読んでいて楽しいのである。
◆南極は「いつか金貯めて絶対に行くぞ」と心に決めている場所であるが、普通に日本から出発するツアーで一人参加だと100万円以上するのである。そう簡単には行けない場所だ。生まれも育ちも北海道で、学生時代は釧路に5年住んでいたから、マイナス30℃くらいまでは普通に生活した経験がある。ツアーで行く南極は、最も寒いところでマイナス40℃~50℃くらいでとパンフに書いてあったので、防寒着をたくさん着ればたぶん耐えられる。
◆で、本書。宮嶋茂樹が南極観測隊に4ヶ月も同行し、南極観測隊がいかに厳しい環境下で働いているかをルポしている。
◆南極観測基地に物資を運ぶのはただひたすら人力で荷をヘリからソリに、ソリから雪上車に、雪上車から基地にひたすら人力で積み替えなくてはならない。基地に行くまで雪上車で移動するが何もない南極の大地をただひたすら運転し続けること19日間、基地に近づくとそこはマイナス40℃。観測基地では水を作るためにひたすら雪を運んでひたすら雪を溶かさなくてはならない、屋外で大便をするとき油断していると肛門から大便が出ている最中に大便が凍ってしまって肛門が痛い、その大便小便は南極の生態系に影響を与えるから垂れ流しは不可で専用のドラム缶に保存しなければならない。
◆南極観測隊というのはここまで過酷だったのか。南極観測隊に関する真面目なルポはそれなりに出版されているのだろうけど、今まで興味がないから読んだことがなかった。だから本書に書かれていることはなかなか新鮮に感じた。おちゃらけているけどバリバリの保守主義という不肖宮嶋の文体が、本書の場合はいきいきと感じられて絶妙。
◆しかしまあなんだ、宮嶋茂樹ってすごいね。
8点/10点満点
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