宮村智「貧しくとも魅力溢れる アフリカの大地から」感想。
アフリカ紀行記。2008年05年02日読了。

宮村智 /毎日新聞社 2008/03出版 213p 22cm ISBN:9784620318776 \1,890(税込)
◆1946年生まれ、東大卒、大蔵省入省、ハーバードロースクール修士卒、名古屋税関長、世界銀行東京事務所長、世界銀行日本代表理事、大蔵省退官、NTT取締役、NTT常務取締役、という華々しく挫折を知らない経歴を経て2004年7月から在ケニア日本大使を拝任した著者が、上から目線で「アフリカって貧しいけど魅力溢れる大地なんですよ」とアフリカの魅力を伝えようとしている間違った本。
◆前ケニア大使なので、まずはケニアの魅力を語るのである。ケニアと言ったらまずはサファリ。著者はとくとくと語る。そしてケニアの経済。ケニアの産業などを記すのである。上から目線で。
◆ケニアの紹介が半分以上を占めているが、その後プライベートで行った「エリトリア」「セーシェル」「ルワンダ」「エチオピア」「タンザニア」「南アフリカ」「モロッコ」「チュニジア」「ウガンダ」の旅行記が記載されている。どこもかしこも数日の旅行記で、上から目線の書き方は変わっていないが。
◆私もケニアのサファリに行って人生観がかわったから著者のいいたいことはわかる。挫折なき人生を歩んできた著者ではあるが、アフリカの大地は過酷であっただろうと思う。本書ではそういうマイナスな部分は記載されていない。アフリカは魅力ある大地であると記載されているのである。私もアフリカは魅力ある大地と思うので、著者の姿勢は素晴らしいと思うのである。しかし、だ。やっぱり著者は挫折を知らずに生きてきた人間なのである。むかつく「上から目線」が随所にあるのである。
◆海外に自由に渡航できなかった数十年前ならこの本は価値があったかもしれないが、バックパッカーが危険を顧みず、というか危険を認識しないまま中央アフリカやコンゴ(旧ザイール)に行く現代において、その「上から目線」は腹立たしい感じすらするのである。
◆まあ良い本ですよ、著者はアフリカが好きみたいだし、実際読んでいるとアフリカに対する愛が感じられるし、アフリカ大陸が抱える問題点も多少わかるし。でもやっぱり「上から目線」で書かれている時点で、この本はダメだな。
6点/10点満点
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