浜田和幸「ウォーター・マネー」感想。
ペーパーバック。2008年09月09日読了。
◆以前NHKスペシャルで、ボリビアの上下水道管理は外資系民間企業に委託され、暴動寸前になったことがある、というエピソードを見た。フィリピンの上下水道も外資に民間委託されているとのことだった。
◆本書は、世界中に広がる水ビジネスを、ヨーロッパ資本の民間企業(著者はそれをウォーターバロン=水男爵)
と呼んでいる)が牛耳り始めている危険性を、世界各国の事例とともに本書を著した。世界の水は、思っていた以上に危うい状況にあるのだと認識させられる。
◆水は生きていくのに絶対必要であり、それを公共事業ではなく、ビジネスとして展開することが良いのか悪いのかは、その国の政治家の考え方次第なのだろう。貧しい国がインフラ投資する金がないから、外資に水利事業を任せるのは分かり易いが、アメリカ、イギリス、フランスなど豊かな国も、民間企業が水利事業を行っていると本書に書かれている。日本にも外資の門戸を開けよと、外資系水利企業は圧力をかけ始めているらしい。日本の政治家が、コスト中心の間違った判断をしないことを祈る。のだが、節約節約ばかりの民主党が政権を取ってしまったら、水利事業が外資任せになってしまうのかも知れない。
7点/10点満点
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