長谷川まり子「少女売買-インドに売られたネパールの少女たち」感想。
ルポ。2008年11月20日読了。

長谷川まり子 / 光文社 2007/11 ¥1,680 (税込)
◆ネパールから毎年7,000人以上の少女が誘拐され、インドに売られているらしい。大半が最底辺の売春宿に売られ、可愛い少女は客付きが良いため、一日に100人の客を取らされる場合もある。少女たちが逃げ出さないように売春宿の経営者によってほぼ軟禁状態に置かれ、時が経つにつれ、少女たちは諦めていく。このネパール政府は50年以上もこの問題を放置し続け、累計30万人以上の少女が餌食になっているという。
◆本書の著者は、誘拐されたネパール少女を救出し社会復帰を助けるネパールのNGOに協力している。本書は、ネパールで起きている現状の深刻さと、著者自身がなぜこのような問題に興味を持ち、なぜNGOとして活動しているのかを、交互に書き記している。従って、半分は著者の自伝のような話である。
◆著者が女性であるため、売春宿の潜入取材は失敗、売春宿からの少女救出同行取材もイマイチであり、ハードな潜入ルポを期待していると肩すかしを食らう。また、著者がこの問題に深く関わるまでの自伝的な部分も、バカOLのような生き方をしていて何となくライター稼業を行うようになって何となく金になりそうだから取材をはじめた、というような内容なので必ずしも共感できるとは言えない。
◆しかし、今世界で何が起こっているのか、貧困と無知がどういう結果を引き起こすのか、とても深く考えさせられるのである。
◆インド好きが高じてインド人と結婚したマンガ家・流水りん子の「インドな日々」というマンガに、日本人バックパッカーがインドの最底辺の売春宿を試そうとする話が出てきたし、山松ゆうきちという還暦を超えたマンガ家がインドで自分のマンガをヒンディー語で出版するまでの顛末を書いた「インドへ馬鹿がやって来た」で、最底辺の売春宿での体験談をマンガに書いている。彩図社のくだらない旅の恥は掻き捨て本とか、エロ系の雑誌でもインドの売春宿体験記がいくつも載っているだろう。たぶん探せばきりがないくらい。そういうところで働いている売春婦が、実は誘拐されたネパール少女なのかも知れない。
10点/10点満点
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