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2009/02/12

古川日出男「アラビアの夜の種族 II」感想。
ファンタジー。2009年02月12日読了。

アラビアの夜の種族〈2〉
古川日出男 / 角川書店  2006/07 ¥660 (税込)


◆あらすじ(紀伊国屋Bookwebより)
侵掠したフランス軍壊滅の奇策、「読む者を狂気へ導く玄妙驚異の書物」は今まさにカイロの片隅で、作られんとしている。
三夜をかけて譚られた「ゾハルの地下宮殿の物語」が幕を閉じ、二人めの主人公がようよう登場する頃、ナポレオンは既にナイルを遡上し始めていた。
一刻も早く『災厄の書』を完成させ、敵将に献上せねばならない。
一夜、また一夜と、年代記が譚られる。
「ひとりの少年が森を去る―」。
圧巻の物語、第二部。


◆出だしの取っつきにくさに読むのを躊躇っていたものの、いざ読んでみたらぐいぐい引き込まれてしまった第1巻。小学生の頃からSF・ファンタジー小説が大好きで、荒唐無稽なお話しもかなりのかず読んできているけど、この小説の荒唐無稽さは相当なもの。先の展開がまったく読めない。

◆第1巻の主人公アーダムの話は一旦幕引き。第2巻では、第2の主人公ファラーと、第3の主人公サフィアーンが登場する。ファラーの話もサフィアーンの話も、どちらもアーダムの話よりは予測可能な展開を見せるが、それでもやっぱり荒唐無稽だ。さいきん普通の小説(それが冒険小説であろうと推理小説であろうと純文学であろうと)、つまり人間が人間らしい行動を取ることが当たり前の小説を多く読むようになり、そのため本書のような荒唐無稽な展開と久しく接していなかったことに改めて気付かされた。自分自身の想像力を豊にするためにも、SFやファンタジーから離れすぎるのも危険だなあ、と思うのである。

◆本作は第23回日本SF大賞を受賞している。SF好きとしてSF大賞を受賞した本はかなり読んでいるけ(少なくとも『太陽風交点』 『吉里吉里人』 『最後の敵』 『童夢』 『幻詩狩り』 『笑い宇宙の旅芸人』 『岬一郎の抵抗』 『アド・バード』 『サラマンダー殲滅』 『ヴィーナス・シティ』 『言壷』 『蒲生邸事件』 『チグリスとユーフラテス』は読んでいる)、第20回に新井素子の「チグリスとユーフラテス」が受賞したとき、あんなレベルの低い小説(amazonではそれなりに高評価なんですが…)に賞を与えるようになったんだ、と賞の価値に大いに疑問を持つようになってしまった。だから『アラビアの夜の種族』には何の注目もしていなかったのだけど、自分の読書スタンスをちょっと変えないとまずいな、と自分自身に言い訳するのである。

◆というわけで、大いなる期待を抱きつつ、最終第3巻を読み始めるのである。


8点/10点満点


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