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奥野修司「ナツコ 沖縄密貿易の女王」感想。
ルポ。2009年03月19日読了。

ナツコ 沖縄密貿易の女王
奥野修司 / 文藝春秋 2005/04 ¥2,250 (税込)

◆概要(紀伊国屋Bookwebより)
1946年から51年まで、沖縄はケーキ(景気)時代と呼ばれていた。
誰もがこぞって密貿易にかかわる異様な時代。
誰にも頼れないかわりに、才覚、度胸ひとつで大金をつかむことができた時代であった。
彼らから「女親分」と呼ばれた夏子は、彼らの上に君臨したわけではない。
貧しかったが夢のあった時代の象徴だった。
十二年におよぶ丹念な取材で掘りおこされた、すべてが崩壊した沖縄の失意と傷跡のなかのどこか晴れ晴れとした空気。
大宅壮一ノンフィクション賞に輝いた占領下の沖縄秘史。

◆買ったのは2005年の10月頃。3年以上積ん読でしたが、今年は積ん読本消化年間にすべく、積ん読本を読むのです。

◆第二次世界大戦が終結した1945年から、1972年に返還されるまで、沖縄はアメリカに占領されていた。その事実は知識としては知っているが、それ以外のことはほとんど知らなかった。本書によると、占領下の沖縄では、B円なる軍票が使われていたという。一族郎党まったく沖縄に縁がない私は、そんなことすら知らない。

◆終戦直後から1952年くらいまでの数年間、沖縄には物資がとにかく何もなく、戦争に使われた薬莢をかき集めたり、占領米軍がまだまだ使えるものを簡単に捨てる(直せば動く車両も捨てられていた)のでそれを拾い集めたり、米軍基地に入り込んで物資を盗んだりし、そうしてかき集めた物を珍物しそうなボロ船に乗って台湾や香港に持っていき、かわりに砂糖やたばこ、ペニシリンに綿など、生活に必要な物資と物々交換し、交換した物を本州に持っていって莫大な金を得る。それが沖縄密貿易だったとある。

◆本書は、沖縄密貿易において並み居る屈強な男を使い、莫大な利益を得ていた女帝ナツコについて、ナツコを知る人々からのインタビューと、歴史書や様々な記録から、ナツコという人物と戦後の沖縄を浮かび上がらせる本である。

◆取材期間が12年、大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブルで取った本であり、読み応えじゅうぶんである。であるが、各章ごとに数年前後する構成のため、やや読みづらかったのが唯一のマイナスである。


7点/10点満点


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