石井光太「絶対貧困」感想。
世界の貧困ルポ。2009年04月13日読了。

石井光太 / 光文社 2009/03 ¥1,575 (税込)
◆世界各国の大都市のスラムに行き、(どういう方法で実現しているのかはよくわからないが)スラムに暮らし、暮らすことで住民と仲良くなり、そしてスラムに住む人たち同じ食べ物を食べることで、1ドル以下で暮らす人々=絶対的貧困層をルポしている石井光太の最新作。
◆本書は中高生を対象としていると思われ、全編を通し著者が中高生に語りかけるような口調(文体)になっている。それが良いか悪いかは読者の受け止め方次第なのだと思うが、私は嫌いだ。著者の狙いもあるだろうから否定はしないけど。
◆デビュー作「物乞う仏陀」、2作目の前著「神の棄てた裸体」を読んでいると、同じような話が繰り返される部分もあるが、著者が今までに取材をしたスラムという存在の集大成であり、とても良くまとまっている。本書で初めて石井光太を読んだ人には、かなりショッキングな内容が含まれているだろう。
例えば、
インドでは乞食が商売として成り立っており、より見窄らしい乞食が金を得ることができる。それは子供であり、障害を持った子供ならうんと稼げる。だから、乞食を商売にしている連中は、インドの田舎から子供を誘拐してきて腕を切り落とし、または目玉をつぶし、乞食をさせる。
スラムに暮らす人々だって性欲はある。そういう連中を相手にする売春婦だっている。好きで売春婦をやっているのではなく、スラムで生まれ育ち、学校に行くこともなく従ってなんの知識もなく、他に稼げる手段がないから売春婦をやっている。スラムの連中以外を相手にすれば、(売春とはいえ)スラムにいるより金を稼げるはずなのに、スラムの連中以外と接したことがないから、スラムの連中相手の安い売春婦になる。
◆本書を読むと、日本のマスコミが騒いでいるワーキングプアなどたいした話ではない。というか、日本という国はなんと恵まれた国なのかと思う。
7点/10点満点
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