高野秀行「メモリークエスト」感想。
使命遂行型旅行記。2009年04月20日読了。

高野秀行 / 幻冬舎 2009/04 ¥1,470 (税込)
◆幻冬舎のWeb上で一般読者から募集された様々な思い出。美しい思い出もあれば、むかつく思い出もある。思い出のその後を調べるため、高野秀行が世界各地に赴くのであった……
・タイの田舎村で大人を仕切る「スーパー小学生」のその後。
・タイの不良警官に絡まれて困っているところを助けてくれたミャンマー人のその後。
・セーシェル諸島で世界各国の春画を集めているインド人商人のその後。
・露骨に嫌な顔をした南アフリカの現地ガイドのその後。
・アメリカで知り合ったセルビア人留学生のその後。
この5つのミッションをこなすため、高野秀行はまずはタイに出かけるのである。
◆Web読者からのどうでもいいような依頼内容をまじめにこなす高野秀行。実に高野秀行っぽくて、読む前は期待大であったが、単に私の好き嫌いが理由なのだが、いつもの高野本より楽しめなかった。
◆いつもの高野秀行は、「どうして彼はこんな馬鹿馬鹿しいことにまじめに取り組むのだろう」と思えるような内容、例えばビルマに住んでアヘンを栽培するとか、インドに怪魚を探しに行くとか、そういうことを高野秀行自身は馬鹿馬鹿しいと思わず、純粋に自分自身が知りたいからやるのであり、端から見ると馬鹿馬鹿しいようなことでも、高野本人の真剣さに引きずり込まれてしまうのが、いつもの高野本の醍醐味だと思うのだ。
◆しかし本書は、基本的には高野本人が探したいと思っていることではないので、そこいらがイマイチ私の琴線に触れなかった。本書の第4章は、ネタバレになるから詳しくは書かないけど、上記のような理由も相まって、本書の中で一番面白かった。
5点/10点満点
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