里見清一「偽善の医療」感想。
エッセイ。2009年06月10日読了。
◆本書は、現役の肺癌治療内科医である著者が、医療に関する問題点を列挙した本である。しかし、あえて言う。本書は、医者が医療に関して書いたエッセイである。
◆本書の概要(紀伊国屋Bookwebより)
「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。
医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。
「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。
毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。
◆このテーマの本は、小松秀樹という医師が書いた「医療の限界」3点/10点満点および「医療崩壊」8点/10点満点という2冊と、アメリカ製薬業界は広告まみれで金まみれの実態を暴いたマーシャ・エンジェル「ビッグ・ファーマ」8点/10点満点を読んでいる(記憶に残っている本のみ列挙)。数冊の書籍から得ている知識ではあるが、今の日本の医療の問題は医師不足などではない。産科医や小児科医の不足は、医師を増やしたって解決できない。使命感溢れる医師がいたところで、訴訟リスクから逃れられるわけではない。急患を受け入れて治療の甲斐無く患者が死んでしまったら、医療ミスではないかと訴えられる。世の中間違っているよなあ。
◆そういう考えを持っている人には、納得いく話が多数載っている。
◆とはいえ、本書は医学をテーマにした新書というより、冒頭に記したように、医者が書いたエッセイと捉えるべきだろう。
8点/10点満点
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