菅原出「戦争詐欺師」感想。
ドキュメンタリー。2009年07月02日読了。
◆タイトルから想像していた内容は、戦争をネタに様々な詐欺を働く輩の実態を暴いた本なのかと思っていたが、まったく違った。
◆本書は買ったときに考えてた内容とは異なり、アメリカによるイラク戦争を分析した本である。
◆イラクから政治亡命したアフマド・チャラビ イラク国民会議議長(実は自己の権力拡大にしか興味のないエセ政治家)が、如何にして、好戦的なネオコン(=ネオコンサバティブ=新保守主義)であるチェイニー副大統領、国防総省のラムズフェルド長官・ウォルフォウィッツ副長官に取り入り、アメリカ政府を好戦的な国に仕立て上げていったのか、その政治的プロセスと、
リアリスト(=現実主義)と呼ばれるパウエル国務長官やCIAとの暗闘、
そしてネオコンが負け、リアリストが、つまりはオバマが政権を取るようになったのかを、克明に描き出している。
◆本書の著者、菅原出は「外注される戦争」7点/10点満点を書いた、戦争を冷静に分析できる優れたライターである。
◆本書は、アーミテージ国務省副長官(パウエルの部下)とのインタビューを筆頭に、ブッシュ政権に於けるキーマン数人とインタビューし、その他アフガン戦争やイラク戦争などに関する膨大な書籍にしながら本書を記した。巻末に記載されている参考文書の一覧は14ページにも及び、そのリストは資料的価値も高い。
◆日本のマスメディアが如何に役立たずなのかを、如実に示す良書であると思う。
8点/10点満点
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