フランソワ・ラファルグ「ブラッド・オイル」感想。
ルポ。2009年07月03日読了。

フランソワ・ラファルグ/藤野邦夫 / 講談社 2009/01 ¥1,995 (税込)
◆貧弱な性能のノートパソコン(ネットブック)、ようやく使い慣れてきたので、ブログを再開します。
◆石油を中心とした資源は世界中で争奪戦が始まっており、中国は貿易で得た豊富な資金力をバックに、政府主導で貪欲なまでに他国の資源を開発しまくっている。というような、よくある話をまとめた本かと思って買ったらちょっと違った。
◆ルポもしくはドキュメンタリーとして本書を読むと、物語性が少なく、おもしろみはない。どちらかといえば資料的な内容に偏っており、たとえば、スーダンの内戦は(すさまじくおおざっぱに言うと)石油が取れ非アラブで反政府な南部と、石油が取れなくてアラブ系で政府な北部の争いだが、そんなダルフール戦争なんかお構いなしで、中国は官民挙げてスーダンの石油開発に乗り出している。CNPC=中国石油天然気集団公司が中心となっているのだが、カナダのタリスマン社、マレーシアのペトロナス社なども半分以上の金を出している。カナダのタリスマン社は、アメリカの人道団体の批判を浴びスーダンから撤退したが、代わって入ったのはインド石油天然ガス公社である。
◆歴史上まれにみる失敗国家ジンバブエ。アフリカで有数の農産地であり、白人農場主が効率のよい農業を展開し、農産物を近隣諸国に輸出できるくらいの国であったが、現大統領で独裁者のムガベが、白人から農地を強制収容し、農業の知識のない黒人に土地をばらまいた。その結果、ジンバブエの農業は崩壊し、輸出できるほど豊富に取れていた農作物は、自国の国民を食べさせることができないくらい取れなくなった。しかし、そんなジンバブエにも経済的に優位に立てるものがある。ジンバブエはプラチナの埋蔵量が世界第2位なのだ。しかし鉱物資源を採掘するためには、電気や道路などのインフラ開発が必須となる。インフラ開発を無償(もしくは借款)提供することと引き替えに、中国とインドが採掘権を得ている。
◆というような話が、ただ単にデータを書き連ねるという非常に退屈な形で展開される。それが本書。
◆資料的な価値が高く感じたので、個人的に8点をつける。しかし、普通の人は十中八九つまらない本と感じると思う。
8点/10点満点
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