武永賢「それでも日本人になった理由」感想。
人生記。2009年07月08日読了。
◆本書は、曾野綾子が「貧困の僻地」で紹介していた本である。
◆本書の著者武永賢氏は1965年生まれで、共産主義の北ベトナムから、アメリカが支援する南ベトナムへ政治亡命したキリスト教徒の父を持ち、ベトナム戦争終了、アメリカ撤退、北ベトナムが全土を支配するようになり、北から南へ政治亡命した父親への迫害、キリスト教徒であることに対する迫害などが続き、1982年(著者17歳のとき)に、ベトナムから難民として命からがら日本にやってきたボートピープル。
◆著者は、日本語など全く喋れなかったが、高校に行き、レストランででアルバイトし、努力して杏林大学医学部に合格し、しかし経済的に学費が払えなくて入学を断念するところを、キリスト教の縁で曾野綾子と知り合い、曾野綾子を通じて産経新聞にエピソードが紹介され、全国から支援金が集まり、無事入学することができた。そして今は日本に帰化し、日本人医師として活躍している。
◆本書は、ベトナム戦争の最中に起きていた様々な出来事や、その後に起きた社会主義政権による迫害、そして祖国を捨て他国に身を寄せなければならない切なさを、日本語で読み書きができるベトナム人が日本語で書いた本である。ベトナム人がベトナム語(もしくは英語)で書いた本を翻訳したものとは、ちょっと違う。
◆構成が少し悪いけど、努力は報われる、ということをストレートに伝えているところはとても好感が持てる本である。
7点/10点満点
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