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2010/04/30

石弘之「キリマンジャロの雪が消えていく」感想。
いわゆる新書。2010年03月28日読了。


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キリマンジャロの雪が消えていく ― アフリカ環境報告


キリマンジャロの雪がだんだんと解けてきている、という象徴的な現象を切り口に、アフリカ大陸に起きている環境問題およびアフリカ大陸が抱える様々な問題を解説する良書。

著者石弘之氏はザンビア大使も務めたことがあり、アフリカに精通している。以前同氏の著書「子どもたちのアフリカ」を読み、10点満点をつけた。丁寧かつ分かり易い文章で、しかしかなり深刻なテーマ(例えばケニアでは男性教師が教え子をレイプするケースが多々ある、など)について記していた。


本書も、アフリカの抱える問題点がみっしりと記されている。著者が提示する問題点は多岐にわたり、一言で言い表せるようなものではないのだが、少し例を出す。

アフリカ諸国では昔も今も多産である。しかし、今は医療が劇的に進歩しており、国際機関の援助に頼る部分も多いが、予防接種を受けることが出来る子供たちの数は増え、昔より乳幼児死亡率は大きく改善された。昔は多産多死であったが、今は多産少死である。

それが故にアフリカ諸国は人口増加が激しく、人口が増えると今まで以上に食料を消費し、食事を作るために今まで以上に燃料を消費する。

人口が増えると、面積の小さな国では一人あたりの耕作面積が減る。減ると、自分の食い扶持すら作れなくなるかも知れない、という意識から食糧危機が起こりかねない。(桃井和馬「破壊される大地」では、ルワンダ内戦の一因として人口増加による耕作地減少を挙げている)

石油や鉱物資源の発掘には技術が必要だが、木材の伐採は技術をあまり必要としない。伐採された木材は燃料として利用する他に、家具や建材として使うために輸出される。(「アフリカを食い荒らす中国」の84ページには、イケアの木材調達先は中国が最も多く、その中国はアフリカ諸国から多くの木材を伐採していると書かれている)


人口問題のほかには、事実上政府が無くめちゃくちゃな国のソマリアで、政府がないのをいいことに、ソマリア近海に産業廃棄物を違法投棄する連中や、EU諸国、中国、韓国、タイの漁船が違法操業していたらしい。


また、アフリカへの援助として「井戸を造る」行為は一般認知度も高い。しかし、井戸掘りもその全てがよいわけではなく、水が極端に少ない砂漠傾向にある場所で井戸を掘ると、井戸の周辺に遊牧民が住み着き、井戸周辺の草を根こそぎ食べてしまい、砂漠化に拍車がかかる。


非常に興味深く読めた。良書である。


9点/10点満点


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