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2010/04/01

セルジュ・ミッシェル/ミッシェル・ブーレ/中平信也訳「アフリカを食い荒らす中国」感想。
ルポ。2010年03月07日読了。

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アフリカを食い荒らす中国

本書は2月18日にヨハネスに到着した頃から読み始め、Airport Grand Hotelのバーでビール飲みながら読み終えました。


◆本書の概要(紀伊國屋Bookwebより)
すさまじい勢いでなだれ込む中国人たちの巨大な波!暗黒大陸の新たな征服が始まった。
巨大公共事業をはじめ“経済的利益”という新しい視点をかざした中国の国家戦略とは?―世界秩序を揺るがす実態を取材した衝撃の緊急ルポ。
(中略)
今、中国人はアフリカで何をしているのか? 各国政府と手を結び、大規模な公共事業など、あらゆるビジネスを急速に広げる75万の中国人。暗黒大陸の新たな征服を描く衝撃のルポ!


◆二人の著者はアルジェリア、セネガル、ギニア、ニジェール、ナイジェリア、カメルーン、ブラザビル・コンゴ、エジプト、スーダン、エチオピア、アンゴラ、ザンビア、中国、台湾で取材を行い、この本をまとめたとある。

その取材成果が十分に発揮されており、
第一章で北京で開かれた中国アフリカサミットのルポから始まり、
第二章はナイジェリアでパトカーを借りて道路を我が物顔で走る(ことができるくらい権力を持った)中国人ビジネスマンの成功物語、
第三章はブラザビル・コンゴのジャングルで違法伐採の同行取材(伐採をしているのが政府と癒着した中国企業)、

秘密警察が跋扈するスーダンで、立ち入り禁止の石油備蓄基地に入り込み写真を撮り警察に捕まったが何とか逃れた話とか、

大臣の地位を利用し、選挙区に住宅1万戸を建築し、選挙区での人気を不同にするブラザビル・コンゴの政治家へのインタビュー(と選挙区への取材)、

カメルーンに入り込む中国製の廉価な日用品と、それによって打撃を受けている地場産業の取材、

もうてんこ盛り。


なぜ中国が、中国企業が、多くの中国人がアフリカに入り込んでいるかというと、儲かるから。なぜ儲かるかというと、アフリカ諸国の多くは経済援助に頼っており、世界銀行の指針で、経済援助する代わりに競争入札を義務づけられている。競争入札となると中国企業に敵う先進諸国はどこもない。だから中国企業が落札する。

アフリカで働く多くの中国人は、働き始めるまで働く場所が危険(たとえばナイジェリアの石油紛争地域)だと言うことを知らない。働く前は良いことしか言われないから。報道されていないだけで、アフリカで働く中国人は何人も誘拐されたり殺されたりしている。でも、もし危険だと知っていても働きたがる中国人はたくさん居る。中国の農村で燻っているより、多くの金が稼げるから。


そして、アフリカで成功している中国人は利に賢い。成功した中国人は、一族郎党を呼び寄せ、更なる成功を自らの手で引き寄せる。賄賂を使おうが、強引な手を使おうが、環境だの何だのを無視しようが、一族の利益になればいいのだ。


南アフリカやナミビアで中国人の悪口をよく聞いた。なぜ悪口を言うのか、その理由の一端がわかった。


9点/10点満点


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