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2010/06/25

5月21日 ダージリンで政治テロに巻き込まれ、目の前で政治家が射殺される。

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朝焼けの青い空を見ることができた。今日はヒマラヤ登山学校の見学があるから、昨日一昨日より良い景色が見られるだろうし、エベレストがどこか、カンチェンジュンガがどれなのかもわかるだろう。

早朝の目覚めのあともう一度眠りにつき、7:00に起きて飯。

朝から、近所で音楽をガンガンかけながらわいわいがやがや騒がしい。平日なのに祭りでもやっているのかな?と、のんきな私。

8:30、ホテルのスタッフが部屋にやってきて、「君は今晩も泊まって3泊なんだよね。でもツアーエージェントのマイクからは2泊で依頼を受けているんだ。まずいことに、君が泊まっている部屋は今晩別の予約が入っているんだ、それでマイクを呼び出した。今晩どうするかをマイクと相談する」

あら、まあ、そうなの。今と同じグレードの部屋なら別に構わないけど、ドミトリーはイヤだよ。それにさ、9:30にホテルの向かいにあるマイクの会社前でドライバーと待ち合わせしてるから、とりあえず荷物を移動しやすいようにまとめておくから、昼過ぎに戻ってきてから詳細を相談しよう。

と答え、急遽荷造り開始。リュック一つでインドに来たのが幸いしたね。


9:20頃、スタッフをドアの所に呼び、

荷物はまとめたよ、このリュックと濡れたタオルとウィスキーのミニボトルの3点ね、じゃあ私は観光に行くよ。

スタッフは「OK」と言いつつ、部屋に入ってきて窓を開ける。音楽がじゃんじゃん鳴り響いていて、スタッフは窓から身を乗り出しその様子を見る。(窓枠がけっこう高い位置にあり、身を乗り出さないと道路が見えない)


急に音楽が鳴り止んだ。


「Aohhhh」

スタッフが叫ぶ。

どうしたのだろうと私も窓から顔を出す。


人の首から1mくらい血が噴き出している。


私「What?」

スタッフ「Murder」

私「Why?」

スタッフ「I don't know」

私「How?」

スタッフ「Gun shoot」

撃たれた人が、血を吹き出しながら崩れ落ちていった後から、私は撮影を始めてしまった。

以下、限定公開のyoutube。それなりにグロい映像なので、動画埋め込みはしません。(リンクを開けば普通に見ることができます)
http://www.youtube.com/watch?v=z8VhbZK54kQ


その後、警察と軍が入り乱れ野次馬を強制排除。殺害現場は保存された。
After_murder


目の前で人が血を吹き出しながら殺された。現実感が伴わない。

首筋をやられると、ものすごい勢いで血が噴き出るんだなあ。


あ、もうすぐ9:30だ。観光に行かなきゃ。


私「時間だから待ち合わせ場所に行かなきゃ」

スタッフ「何を言っているんだ、今は外に出るな、軍に捕まるぞ」

私「じゃあどうしたらいいんだろう」

スタッフ「とにかく、今は外に出るな、窓から顔を出すな、ツアーエージェントのマイクが来ると思うから、それまで待っててくれ」


そりゃそうだよな。人が殺されたんだもんな。

スタッフを呼ばずにそのまま外出していたら、襲撃現場に居合わせて、私も射殺されていたかも知れない。そのくらいの時間差だったんだよな。


上の階にあるロビーに行く。大勢の観光客(半分外国人、半分インド人)が、

「何があったんだ?」
「反体制派グループが政治集会を開いていて、そのリーダーが撃たれたらしい」
「なんで?」
「西ベンガル州政府職員のストに抗議する集会だという話だ」
「なんで撃たれたんだ?」
「インドではよくあることだ」
「それでどうなるんだ?」
「今日は商店もレストランも観光案内所も何もかも休みになる」
「今すぐこの町を出ないと」
「道路封鎖されていると言う話も出ている」
「外国人は大丈夫だろう」
「インド人は拘束されるかも知れないぞ」


外国人観光客数人と、インド人の裕福そうなオヤジに、私が撮ったビデオを見せる。皆が「Ohhh」「Ahhh」と言う反応だったが、

ホテルオーナーは反応が違った。
オーナー「君、そのビデオは誰にも見せるな」
私「なぜ?」
オーナー「そんなビデオを撮っていたことを知られると、君は軍や警察や犯人グループに拘束されるかも知れない」
私「でも、誰にでも見せる訳じゃない」
オーナー「どこかのインド人に見せると、そのインド人から噂が伝わり、いずれ君のことが特定される可能性がある」
私「じゃあどうしたらいいの?」
オーナー「誰にも見せないことだ」
私「消した方がいいかな」
オーナー「君が決めることだ」


10:20頃、ツアーエージェントのマイクがやってきて、「今日中にダージリンを脱出する。18:00に出発する。それまでこの部屋を使っていいと、オーナーと交渉した、待っててくれ。店はやっていないけど、広場とかなら行って問題ないと思う。それでは18:00に」


どうしようかなあ。

撮ったビデオをパソコンに落とし、カメラ本体からはデータを消した。


11:00過ぎ、マイクが再びやってきて「よかった、まだ居た。14:00出発に変更だ、ドライバーが確保できた。昼飯はホテルで食ってくれ。それまで外に出ないでくれ、ちょっと危険だ」


なんか、とんでもない事態に巻き込まれたのかも知れない。


ホテルはwifiが使えるので(但し電波弱いしよく不通になる)、ロビーでネットを試したらつながった。速報記事が出ていた。リンク先は後日差し替わった詳細記事。
ダージリンタイムス(これもそれなりにグロいです)


つづく。


(このエントリーを書いているのは6月25日です。5月21日の夜に、脱出後に着いた町からネットで動画をyoutubeにアップしたところ、コメント欄に「お前を捜し出して絶対殺す」というコメントが3件入っていました。さすがにちょっと恐くなったので、いったん動画削除し、今回再度アップするのです)

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