ポール・コリアー「民主主義がアフリカ経済を殺す」感想。
アフリカ分析。2010年07月05日読了。
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オックスフォード大学教授の著者ポール・コリアーは、(日本で)2年前に「最底辺の10億人」という本を出版している。最貧国に住む人たちへ単なる援助をしても意味がない、というようなことが書かれていて、かなり興味をそそられたが、積ん読本が大量にあったので、買うことなく立ち読みで済ませてしまった、
その著者の最新作が本書。
政治経済学者である著者が書いた論文を、一般読者にもわかるように書き直したもの。とはいえ、読むにはかなりの知識が求められ、苦労しながら読み終えた。
最底辺の国を立て直すために、先進諸国は民主主義の象徴として「選挙」の実施を迫る。民主主義(の象徴である選挙)が導入されれば、政治的暴力は減少する。少なくとも民主主義の導入を推進している先進諸国(や国連)は、そう考えている。
しかし民主化の道のりはなかなか厳しい。
そこで著者は、「民主主義が導入されれば政治的暴力は減少する」が正しいのか検証してみる。
著者は共同研究者とともに、1960年以降のほぼすべての国のデータを入手した(何のデータかはわからない)。
ほぼすべての国を比較した結果、「貧しくない社会では、既に比較的安全な状況を民主主義がいっそう強化するのに対し、貧しい社会では元から深刻だった危険が、民主主義によってさらに増幅される」という結論になり、その貧しさの境目(閾値)は、「所得水準が一人あたり年間2700ドル、一日7ドル」と導き出され、最底辺の10億人が住む国家は、すべてこの閾値以下の所得水準しかなかった。
というような感じで、政治経済学の論文をかみ砕いた難しい話が延々と続くのであります。
もうちょっと軽い「読み物」的な内容を想像していた私は、ああこりゃマジメに読まないと内容が理解できんなあ、と頭を抱えつつ、毎日ちょっとずつ読み進めていったのでした。
アフリカに興味があるのなら、読んで損はない一冊です。興味がなければ読まない方がいいでしょう。
8点/10点満点
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