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2010/09/23

古市憲寿「希望難民ご一行様」感想。
ピースボートルポと分析。2010年09月12日読了。

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希望難民ご一行様―ピースボートと「承認の共同体」幻想


街中で「世界一周99万円」というポスターを見かけることはないですか?
それがピースボートです。

国会議員の辻本清美が作った団体です。

この船に乗れば、本当に99万円で世界一周クルーズできます(最低料金はコース内容に依り異なります)。船内では飯付きです。

ただし、仮に100泊のクルーズとすると、80泊くらいは船の中です。

さらに、政治色が強いことでも有名です。平和活動と弱者救済が好きです。

私も世界一周するにあたり、ピースボートの検討もしましたが、8割船の中というだけでアウトでした。仮に100泊だとすると、100日間、同じメンツと顔を合わせることになります。ピースボートは毎回1,000人前後が乗るので、誰か彼か気の合う人と出会うこともできるでしょうが、気の合う人と出会えなかったら、100日間地獄です。

著者は1985年生まれの東大院生で、900人を超える乗客と共に第62回ピースボート(22寄港・114日間)に乗り、乗客からのアンケートやインタビューから、現代の若者が抱える悩みを分析したのが本書。

著者は、アンケートの回答から乗客のタイプを4つに分類する。

ピースボートの提唱する世界平和活動に共感している「セカイ型」
海外旅行に自分らしさを見いだそうとする「自分探し型」
気の合う仲間と楽しい毎日を過ごせれば海外じゃなくてもいい「文化祭型」
単純に安く海外旅行または世界一周したい「観光型」

そして著者は、それぞれの分類ごとに行動を観察し、社会学的な考察をしていく。

分類ごとの行動観察の一部を引用すると、
「「世界各地の若者と知り合った」ということや、「世界各地をまわった」というリアリティが若者にとって大切なのだとしたら、裏返せばその「世界」はどこでも構わないということでもある。彼らはオプションプログラムに参加してパレスチナ難民キャンプを訪問したり、平和を推進するNGOを訪問したりすることもある。しかし、それ以外の場所で彼らが主に行うのは膨大な数の写真を撮影することである。特に「セカイ型」「文化祭型」に見られる傾向だ」


面倒になったので内容紹介は終わり。


著者のいう結論じみたモノは気に入らないが、納得できる。まあマジメに読むと堅苦しい内容なのだが、嫌味にならない程度に「私はこれだけたくさんの学術書を読んだ上で意見を発表しているのです」的な引用を行っていることや、その引用元の紹介にウィットに富んだ皮肉を多用していること(「ブログの更新頻度がすごい評論家の内田樹」とか「伏線を回収しきれずに終わった『20世紀少年』というマンガ」)など、25歳のインテリ若者らしい爽やかな文体で、本書そのものは読みやすい。だからどうしたという話だけれども。


まあでもなんだ、

職場にゆとりちゃん達が入社してきて、飲みに誘って断るのは、
オヤジどもが若者をわかっていないのか、
若者がコミュニケーション下手なのか、
どっちなんですかね? 著者の古市さん。


7点/10点満点


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