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2010/09/30

伊藤計劃「虐殺器官」感想。
SF小説。2010年09月14日読了。

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虐殺器官

近未来の話であるけれど、ドミノ・ピザであったりケビン・ベーコンであったりCNNであったり映画エンゼルハートであったり、そういう現代の実在するいろんな何かを引き合いに出すことによって、著者の思い描く近未来は現在の延長線上にあり、決して荒唐無稽な近未来ではないのだ、ということを読者に感じさせ、それがリアリティのある近未来を構築しているように思う。のだけれども、何となく村上春樹っぽい感じがする。私は村上春樹をそれほど読んでいるわけでもなく、というか3作品しか読んでいないのだけれども、何となくそう感じた。

SF小説が大好きだった10年前までの私だったらこの本を絶賛していただろうけど、貧困国の現状に関する本を読みすぎた今、それってちょっとどうなのよと思う部分もある。というか、この物語のバックボーンである「実際に核兵器が使われてしまいました」という明日にでも実際に起こりえるかもしれない設定のリアルさに比べ、ナノマシンとかナノディスプレイという設定は、10年先だったら実用化されているかもしれないけれど明日の実用化は無理でしょ、と飛躍しすぎの感があり、やっぱりそれってどうなのよ。

とはいうものの、文庫版270ページより引用
「サラエボで核爆弾が炸裂した日、世界は変わった。
ヒロシマの神話は終わりを告げた。どういう意味かというと、世界の軍事関係者が薄々気づいていながら決しておくびにも出さなかったある事実を、おおっぴらにしてもいい、ということ。詰まりそれは、核兵器は「使える」ということだ」

私個人的な感想としては、この文章にこの本の素晴らしさが凝縮されているような気がするのですが、まあいずれにせよ著者は夭逝してしまい、今後の活躍は期待できなくなってしまったわけで、私は著者のファンでもなんでもないけれど、こういう作家が夭逝してしまったのはとても残念なのです。


追記 著者データ(紀伊國屋Bookwebより)
伊藤計劃[イトウケイカク]
1974年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』で作家デビュー。「ベストSF2007」「ゼロ年代ベストSF」第1位に輝いた。2008年、人気ゲームのノベライズ『メタルギアソリッドガンズオブザパトリオット』に続き、オリジナル長篇第2作となる『ハーモニー』を刊行。同書は第30回日本SF大賞のほか、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門を受賞した。2009年没


7点/10点満点


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散乱する我が家の本棚

我が家は本で溢れている。


寝室の壁面。壁一面全部本棚。前後に2冊ずつ並べている。
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寝室の反対側壁面と窓の下。一部の棚は前後3段に並べているが、それでも置き場所がなくなったマンガはただ積み上げるのみ。
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居間の本棚群。雑誌と未読本。この本棚に並べているのは、雑誌を除きすべて未読本である。
Img_4054_small


このほかにも、スターウォーズ部屋にスターウォーズの書籍だけが入った本棚と、客間に1000円のカラーボックスが2個ある(もちろん本が入っている)。


居間の本棚を、すべてIKEAの書棚(高さが202cmもあり収納性が良い)に置き換えたいのだが、その前に絨毯の張り替えをしなければならない。

(1)本棚専用絨毯を買う。

(2)オーダーカット絨毯をニトリで買う。本棚スペース分はカットを忘れずに。

(3)IKEAの本棚(ビリー)202cm×80cm×28cm@7,990円を3つと、202cm×40cm×28cm@5,990円を1つと、CD・DVD棚(ベノン)202cm×20cm×17cm@3,990円を1つ買う。これで縦2m×横3mの巨大本棚空間ができあがる。上部追加ユニットも買いたいところだが。

(4)本を片付け、本棚を撤去し、ソファとテーブルとテレビとテレビ台とダイニングテーブルと椅子を一時避難し、絨毯を取り去り、

(5)本棚専用絨毯を敷き、メインの絨毯を敷き、

(6)IKEAの本棚を組み立て、本棚を設置し、なにがしかの転倒防止加工を施し(天井がコンクリだから、突っ張り棒タイプでいいのかもしれない)

(7)ソファとテーブルとテレビとテレビ台とダイニングテーブルと椅子を戻し、本を再配置すれば完了である。


絨毯一式3万円くらい、本棚一式3万4千円くらい。本棚の送料はいったい幾らかかるのだろうか。場合によってはレンタカー借りた方が安く付くかもしれない。


無職なので金を使うのは躊躇われるが、無職のヒマな内でなければ、これだけの大がかりな模様替えは出来んぞ、とも思うのである。


それよりも、壊れかかった冷蔵庫と洗濯機を買い直したい。


ああ、無職。


要らなくなった本を売ればいいじゃないか! という話なのだが。

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2010/09/23

古市憲寿「希望難民ご一行様」感想。
ピースボートルポと分析。2010年09月12日読了。

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希望難民ご一行様―ピースボートと「承認の共同体」幻想


街中で「世界一周99万円」というポスターを見かけることはないですか?
それがピースボートです。

国会議員の辻本清美が作った団体です。

この船に乗れば、本当に99万円で世界一周クルーズできます(最低料金はコース内容に依り異なります)。船内では飯付きです。

ただし、仮に100泊のクルーズとすると、80泊くらいは船の中です。

さらに、政治色が強いことでも有名です。平和活動と弱者救済が好きです。

私も世界一周するにあたり、ピースボートの検討もしましたが、8割船の中というだけでアウトでした。仮に100泊だとすると、100日間、同じメンツと顔を合わせることになります。ピースボートは毎回1,000人前後が乗るので、誰か彼か気の合う人と出会うこともできるでしょうが、気の合う人と出会えなかったら、100日間地獄です。

著者は1985年生まれの東大院生で、900人を超える乗客と共に第62回ピースボート(22寄港・114日間)に乗り、乗客からのアンケートやインタビューから、現代の若者が抱える悩みを分析したのが本書。

著者は、アンケートの回答から乗客のタイプを4つに分類する。

ピースボートの提唱する世界平和活動に共感している「セカイ型」
海外旅行に自分らしさを見いだそうとする「自分探し型」
気の合う仲間と楽しい毎日を過ごせれば海外じゃなくてもいい「文化祭型」
単純に安く海外旅行または世界一周したい「観光型」

そして著者は、それぞれの分類ごとに行動を観察し、社会学的な考察をしていく。

分類ごとの行動観察の一部を引用すると、
「「世界各地の若者と知り合った」ということや、「世界各地をまわった」というリアリティが若者にとって大切なのだとしたら、裏返せばその「世界」はどこでも構わないということでもある。彼らはオプションプログラムに参加してパレスチナ難民キャンプを訪問したり、平和を推進するNGOを訪問したりすることもある。しかし、それ以外の場所で彼らが主に行うのは膨大な数の写真を撮影することである。特に「セカイ型」「文化祭型」に見られる傾向だ」


面倒になったので内容紹介は終わり。


著者のいう結論じみたモノは気に入らないが、納得できる。まあマジメに読むと堅苦しい内容なのだが、嫌味にならない程度に「私はこれだけたくさんの学術書を読んだ上で意見を発表しているのです」的な引用を行っていることや、その引用元の紹介にウィットに富んだ皮肉を多用していること(「ブログの更新頻度がすごい評論家の内田樹」とか「伏線を回収しきれずに終わった『20世紀少年』というマンガ」)など、25歳のインテリ若者らしい爽やかな文体で、本書そのものは読みやすい。だからどうしたという話だけれども。


まあでもなんだ、

職場にゆとりちゃん達が入社してきて、飲みに誘って断るのは、
オヤジどもが若者をわかっていないのか、
若者がコミュニケーション下手なのか、
どっちなんですかね? 著者の古市さん。


7点/10点満点


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2010/09/21

木村良一「臓器漂流」感想。
ルポ。2010年09月09日読了。

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臓器漂流―移植医療の死角

本書は、産経新聞論説委員(社説を書く人)である著者が、自身が取材した臓器移植に関しての現状と問題点をまとめた(2008/05/12 出版)本である。

中国では死刑囚がドナーになっていると思われる。
フィリピンでは臓器売買が事実上、容認されている(罰則規定がない)
ジャンボ鶴田はなぜフィリピンで肝臓移植に失敗したのか。

など。


本書の定価は1785円。
本書の体裁は、1ページ14行×38文字=532文字。
本書は目次含めて223ページ。詰まり400字詰め原稿用紙換算296枚である。


原稿量が少ないにもかかわらず、同じ話を繰り返して書いていたり、自身の新聞記事を丸々引用するなど、水増し感がひどい。

いい題材だし、取材の成果も発揮されている。

のに、やっつけ仕事で書いた印象が強く、残念な本である。


それと、著者は産経新聞社の社員なのに、なんでこの本はポプラ社から出版されているのだろう。日本の新聞社は、新聞記者をどのように育てたいのだろう。ビジョンが見えないなあ。(似たような話)


本書の金銭的価値:525円の文庫本程度。


4点/10点満点


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2010/09/20

大沢在昌「新宿鮫」感想。
冒険小説。2010年09月05日再読了。

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新宿鮫

積ん読本が300冊(いや400冊超かも)を超えているのに、昔読んだ小説を再び手にしてしまった。夜中寝る前に、ちょっとだけと思いつつ寝室の本棚を片付けていたとき、本書を手に取り「ああ懐かしいなあ、どんな話だっけ」と冒頭を読み始めたら、やめられないとまらない。

ヒロイン晶の設定はやや古くさく感じるが、それ以外は今読んでも一級の刑事小説だよな、やっぱり。

本書に関しては、エドの存在が秀逸。


大沢在昌を知ったのは、「新宿鮫2 毒猿」が凄まじく面白い、とパソコン通信で評判になっていて、当時冒険小説にはまりつつあった私は、全然名前も知らん作家だけど、みんなが面白いというのなら多分面白いのだろう、と読んでみたのが最初。「毒猿」読了後、既刊の大沢本を全部買って全部読んで、その後も大沢在昌はずっとほぼ全作品を読み続けた。当たり外れはあるけれど、外れ作品でもそれなりにちゃんと楽しんで読めるところはさすが。

最近は小説をあまり読まなくなってきたので、大沢作品も「罪深き海辺」を最後に新刊は読んでいないけど、相変わらず安定した作品を書き続けているのだろうな。


8点(再読なのでちょっと厳しい)/10点満点


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2010/09/19

伊勢崎賢治「武装解除」感想。
ルポ。2010年08月27日読了。

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武装解除―紛争屋が見た世界

(紀伊國屋Bookwebより)著者は、1957年、東京生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。インド留学中、スラム住民の居住権獲得運動に携わる。国際NGOに身を置きアフリカ各地で活動後、東チモール、シエラレオネ、アフガニスタンで紛争処理を指揮。という経歴の持ち主。


本書に書かれている内容から、著者の経歴をもう少し詳しく記すと、

大学で建築を学んでいて、インド政府国費留学生に合格しムンバイ大学大学院に留学、社会科学ソーシャルワーク専攻。スラムでのフィールドワークを行うが、ヒンディー語の壁が立ちはだかりインド人学生に敵わないことを悟った著者は、インド人でもできないことをやってやろうと、スラムの住民組織に身を置くことにした。そして、大学で習っている”アカデミズム”としての住民運動は、フィールドワークと称して住民と接していても、住民からは”お客様”としてしか見られていない現実に嫌気がさし、留学先を中退し住民組織に転がり込むこととなった。

著者は、住民組織を支援しているNGOから”インド人のコミュニティオーガナイザー”として給料をもらいながら、市当局の強制撤去への抗議デモ、共同トイレや下水道設備を導入するための交渉などを行い、最終的には公安からマークされ、インドに行って4年後に国外退去処分を受けた。

その後、Plan Internationalという私でも知っている国際NGOに入り、シエラレオネ、ケニア、エチオピアに赴任し、Planを辞めた後、東チモール、アフガニスタンに武装解除に行く。(たぶん。エピソードが時系列に並んでいないので不正確)


本書では、東チモール、シエラレオネ、アフガニスタンでのミッションについて記されている。

こういう本を好んで読んでいる私だが、この本のことは全く知らなかった。6年前に出た本で、その頃はまだこういう類の本にあまり興味がなかったせいだろう。

誰かのブログを読んだのか雑誌で読んだのか忘れたけど、こういう類の本が好きな人なら絶対に読んでおくべき本として、本書がリストアップされていたのを見て、それなら読まねばなるまいと早速購入した。

和平とか平和とか援助とか支援とか、心地よい響きを持つ言葉を使う人たちは大勢居るけれども、それを実現するには実現するために懸命に働いている人たちが居ることを教えられた。

著者曰く、「こういう真剣な仕事に”ボランティア”の入る余地はない」

とのこと。(ちょっと違うかな)


9点/10点満点


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2010/09/15

世界一周の小ネタ【19改】 星空ベスト5改

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9月9日から14日まで、沖縄・石垣島と西表島に行ってきましたのです。

その上で、

今まで行った28カ国+日本で美しかった星空の私的ベスト5。

1位 ケニア・アンボセリ
2位 チリ・イースター島
3位 日本・西表島の夜のバラス島で放置されるツアー
4位 ナミビア・ナウクルフト
5位 ボリビア・ウユニ塩湖
6位 エクアドル・ガラパゴスクルーズの海上


西表島から船で10分のところにある、珊瑚のかけらでできた島、バラス島で撮った星空。ピンぼけですけど(バルブで3分)。

ちなみに雲っぽく見えるところは、すべて天の川の星ですよ。雲じゃないですよ。

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西表島は街灯が少ないので、宿からちょっと足を伸ばせば、これに近い星空を眺めることはできたけれども、船で10分かけて行く無人島から見る星空はまた格別。



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2010/09/02

宮田珠己「東南アジア四次元日記」感想。
紀行エッセイ。2010年08月23日読了。

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東南アジア四次元日記

●内容(紀伊國屋Bookwebより)
会社を辞め、東南アジアへ旅に出た。
遊園地にしか見えない教団施設、仏像の迷路、バナナを頭にのせた虎の像、四階建てビルを枕にした巨大仏など、奇奇怪怪なものが続々登場。
しかもその道程は、オンボロバスに乗せられたり、オカマの祭りで股間に危機が訪れたり、精霊が霊媒師に乗り移る瞬間を見たりと、ハイパーデンジャラス!快笑旅エッセイ。

●かんそう。
宮田珠己のエッセイでいちばん面白いと誰かが言っている作品なのだが、誰が言っているかというと酒飲み書店員なのであるが、なぜかというと第3回酒飲み書店員大賞を受賞したから多分そうなのだろうということなのだが、まあなんだ、宮田珠己が面白いと感じる仏像や寺院や変な建物や変なモノや変な人が、案外と私には楽しくない代物ばかりなので、それほど面白いと思わないのであった。わたくし的には「ウはウミウシのウ」の方が面白いと思うのである。

●かんめい。
バックパッカーの本質本音が159ページの第八章に書かれている。
「私は出発してちょうど今三ヶ月を過ぎたところである。
 で、ホームシックにかかっているかというと、実は二ヶ月を過ぎたあたりから出発当初の感動は薄れ、ただ外国にいるというだけではそれほどの興奮も起きず、もはや現地の人の生活習慣や文化に触れるなんてことには興味も湧かなくなっている。……中略……
 といっても、日本が恋しいわけではない。
 旅がただ移動しながら生活しているだけになって退屈なのである。

素晴らしい。名言だ。


6点/10点満点


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