« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2011/06/22

国文拓「ヤノマミ」感想。
アマゾン未開民族ルポ。20011年05月18日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

ヤノマミ

「ヤノマミ」が本書の題名です。
「ヤマノミ」ではありません。「ヤマノミ」の方が日本人的語感にマッチしているので、プロの作家さんでも本書の題名を「ヤマノミ」と誤解されている方もいらっしゃったりしますが、本書の題名は「ヤノマミ」です。わかりづらいという方は、「矢野真美」と覚えるといいでしょう。何のこっちゃ。


ヤノマミとは何かと言いますと、ブラジルとベネズエラに跨がるアマゾンジャングル密林地帯に住む、未開の少数部族のことです。ヤノマミ族のwikipedia

地理的には以下の辺り。


大きな地図で見る


本書はNHKのディレクターである著者が、ヤノマミ族のドキュメンタリー番組を作るため約1年の間に4回、延べ150日ヤノマミ族と同居生活を行い、その150日で知り得たヤノマミ族の実態(生態?)を書いた本である。

文明人に対して興味を示さないヤノマミ族の中に入り込み、ジャングルの中を1日50km歩くことなど平気なヤノマミ族に同行取材し、ヤノマミ族となるべく同じものを食べ、ヤノマミ族の言葉を少しずつ覚え、少しずつ味方を作り取材していった。


ヤノマミ族は2~300人くらいの集団生活をしている。彼らは直径60mくらいの巨大なドーナツ状の家<シャボノ>に住む。中央部分は屋根がなく、共有スペースのようなもの。ドーナツ部分には屋根があり、家族毎に囲炉裏があり、壁はない。<シャボノ>にプライバシーはない。

未開の少数部族であるため貨幣など無い。自給自足の生活である。ジャングルに入り動物を獲って食べる。魚を獲てっ食べる。そこいらに自生している芋やバナナと取って食べる。暇だったらおしゃべりをする。夜になったらセックスをする。

ヤノマミの女児は破瓜を迎えると女になり、平均して14歳で子供を産む。妊娠期間10ヶ月を経て陣痛が来ると母親はジャングルの中に入り込み子を産む。へその緒が付いている段階では、生まれてきた赤ん坊は人間ではなく精霊であり、精霊を人間として育てるか精霊のまま大地へ返すかは、母親の一存で決められる。母親が精霊を大地へ返すと決めた場合、生まれてきた赤ん坊はへその緒が付いた状態のままバナナの葉っぱにくるまれ、そしてシロアリの蟻塚へ放り込まれる。シロアリが赤ん坊を食べ尽くした頃、その蟻塚を焼いて神に報告する。


文明との接触を持たない未開の部族ってのはテレビのドキュメンタリーでちょくちょく出てくるけど、実際には文明とまったく接触していない部族はほとんどなく、どこの部族だってなにがしか文明の利器を利用している。

ヤノマミ族はそうした未開の部族の中でも、文明との接触をかなり嫌っている部類に入る(みたい)。

そんな不思議なヤノマミ族の生き方を、1年にわたって取材した本書は、かなり出来のいいドキュメントだ。

だがしかし。ヤノマミ族の生活に特別な出来事がそれほど起こるわけでもなく、本書の後半になればなるほど、のんべんだらりとしたヤノマミ族レポートの様相を呈してしまっているので、読んでいて多少飽きるかな。まあこれはこれでしょうがないことなのでしょうが。


8点/10点満点


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/06/12

イッテQを見てまして。

先ほどイッテQを見ていたら、フレームだけの飛行機に乗っている場面がありました。
アレは恐いです。ただそれだけです。

Img_0039_r


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/06/02

石井光太「ルポ 餓死現場で生きる」感想。
貧困ルポ。20011年05月09日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

ルポ餓死現場で生きる


貧困大好き石井光太氏の最新著作(誤解されそうな表現だ)。新書の体裁を採っているけど、対象は高校生~大学生くらいに設定されているような印象を受ける。

世界中の貧困現場を見てきた著者が、貧困によりどういうことが起きるのかを、著者が見聞きした事例を中心に紹介している。


第1章 餓死現場の生き方 では、

貧困者が集まっているところ(スラム)では、一家の主が一日働いても、家族が一日一度の食事しかできないような状況である。そういう貧困家庭では、一家の主が真っ先にメシを食う。主が働けなくなったら、一家全員メシを食うことが出来なくなるので、一家の主は病気で倒れることがないようにメシを食う。子供は主の後に食う。

怪我などで一家の主が倒れると、一家はメシを食うことすらままならない。そうしたときに備えて、隣組のような制度がある。主が働けない間、近隣住民から飯を分けてもらうのである。ただでさえ貧しい。本来なら他人の飯の心配など出来るような状況じゃない。他人の面倒を見る金を貯めれば、ちょっとはマシな生活が出来るかも知れない。しかし、自分達が飯を食えない状況になったとき隣に助けて欲しいから、隣の主が倒れたら援助する。相互援助。これが貧困スパイラル。


第4章 児童結婚という性生活 では、

アフガニスタンの貧しい農家は干魃で収入がなくなり、50代の地主に借金を申し込んだところ、11才の娘を嫁によこせと言われ、農家は仕方なく娘を差し出した。この娘は学校にも通わせてもらえず、今は単純な労働力として、近い将来は地主の妻として生きることになる。11才にして将来が閉ざされてしまったわけだ。あるNGOのスタッフが
「家に帰って兄弟と暮らしたくないのか?友達と遊ばなくても平気なのか?」と聞いたら
「家に帰りたくない、ここにいればおいしいご飯が食べられる、好きな服も買ってもらえる、貧しい若い男性と結婚したって生きていけるかわからない、だったらこの生活の方が良い」と答えたのだそうな。
当然NGOスタッフは絶句したのだが、飢えるよりマシと言われちゃ、返す言葉もない。


というような話が、げっぷが出そうなくらいてんこ盛り盛りで書かれています。


本書のスタンス(と言うより石井光太氏のスタンス)は、児童労働や児童結婚、子供兵などはとてもじゃないが容認できない廃絶すべきだ!とヒステリックな欧米系のNPOやNGOが叫んでいるようなことを言いたいのではなく(むろん良いと言っているわけではない)、現実はこのようになっているのだ、目の前にあるイヤな部分だけを取り除いても根っこの問題は解決しない、と言っております。

このようなスタンスは、3年前に読んだロバート・ゲスト「アフリカ 苦悩する大陸」(私的10点満点)にもあり、こちらの本では
◆先進諸国の人権活動家は、アフリカ諸国から安く農作物(コーンフレークやカカオなど)を輸入することは、安い労働力として子供を働かせることにつながる、言い換えれば先進諸国が搾取していることなのだ、と言うが、著者はこれに異を唱える。先進国の活動家や労組がこのように唱え、アフリカから農作物を輸入しなくなったとき、困るのはアフリカの農民だ。アフリカの農民は、カカオやコーンを売るしか現金を得る方法がない。先進国が農作物を買ってくれないと、農民は現金を得ることができなくなり、ただでさえ子供を満足に学校に通わせることができないのに、現金を得ることができなくなったらますます学校に通わせることなど難しくなってしまう。(第6章)

と書かれています。


まあなんだ、要するに地球は人口が増えすぎたんですよ。


8点/10点満点


| | コメント (0) | トラックバック (0)

伊勢崎賢治「紛争屋の外交論」感想。
いわゆる新書。2011年04月27日読了。

にほんブログ村 本ブログへブログランキングに参加しております。
バナーをちょこっと押していただけると恐悦至極なり。

紛争屋の外交論―ニッポンの出口戦略

1ヶ月も更新が滞ってしまいました(※)。

でありながら、日々のユニークユーザー数は増えもせず減りもせず。安定して1日100人前後の方々にお読みいただいております。このブログは滅多にコメントがつかないので、どのような方が当ブログを読んでいるのかわからないのですが、とにもかくにもお読みいただき誠にありがとうございます。


さて本書。

「国際貢献のウソ」「武装解除」を書いた伊勢崎賢治氏の最新著作です。

国連で様々な戦後処理を担当してきた著者が、平和ボケした日本の外交に渇を入れる私的外交論、それが本書です。あとがきが2011年2月15日付になっているので、今年に入ってから脱稿したものと思われます。

内容は多岐にわたり、

貧困国で起こる内戦は貧困だけが原因ではなく、多国籍企業が政府上層部と結託し特権階級を作り、国家が腐敗(賄賂の蔓延)し、それが元で国庫が破綻し、広範囲に貧困が蔓延し、そこに善意の皮を被った国際援助団体が入り込み……(シエラレオネの例)

政権とPR会社が結託してウソの世論を盛り上げれば、戦争すら誘導できる……(アメリカのイラク戦争の例)

沖縄の米軍基地問題はイラクやアフガニスタンの学生から見たら、米軍とうまくやっているようにしか見えない……(米軍に抗議するため自爆テロをする人は日本にはいない)

日本政府はアフガニスタンへの援助でアフガン警察組織の給料を払うと言っているが、それは他国から見たら恥ずかしい行為……(アフガニスタンの警察組織は、もはや腐ってしまってタリバンと区別がつかない)

等々、そういう話が載っています。


全体的には、話題がありすぎてとっちらかったような印象を受けるのですが、国際貢献に興味がある人は読んでおくべき一冊でしょう。


7点/10点満点


※持病の椎間板ヘルニアが悪化して、自宅のトイレに行くのも難儀しておりました。腰が痛すぎて昼間っから飲んだくれ、酒の力で痛みを抑える毎日。痛みが過ぎると、読書は捗らず、映画を見る日々で御座いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »