国文拓「ヤノマミ」感想。
アマゾン未開民族ルポ。20011年05月18日読了。
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「ヤノマミ」が本書の題名です。
「ヤマノミ」ではありません。「ヤマノミ」の方が日本人的語感にマッチしているので、プロの作家さんでも本書の題名を「ヤマノミ」と誤解されている方もいらっしゃったりしますが、本書の題名は「ヤノマミ」です。わかりづらいという方は、「矢野真美」と覚えるといいでしょう。何のこっちゃ。
ヤノマミとは何かと言いますと、ブラジルとベネズエラに跨がるアマゾンジャングル密林地帯に住む、未開の少数部族のことです。ヤノマミ族のwikipedia。
地理的には以下の辺り。
本書はNHKのディレクターである著者が、ヤノマミ族のドキュメンタリー番組を作るため約1年の間に4回、延べ150日ヤノマミ族と同居生活を行い、その150日で知り得たヤノマミ族の実態(生態?)を書いた本である。
文明人に対して興味を示さないヤノマミ族の中に入り込み、ジャングルの中を1日50km歩くことなど平気なヤノマミ族に同行取材し、ヤノマミ族となるべく同じものを食べ、ヤノマミ族の言葉を少しずつ覚え、少しずつ味方を作り取材していった。
ヤノマミ族は2~300人くらいの集団生活をしている。彼らは直径60mくらいの巨大なドーナツ状の家<シャボノ>に住む。中央部分は屋根がなく、共有スペースのようなもの。ドーナツ部分には屋根があり、家族毎に囲炉裏があり、壁はない。<シャボノ>にプライバシーはない。
未開の少数部族であるため貨幣など無い。自給自足の生活である。ジャングルに入り動物を獲って食べる。魚を獲てっ食べる。そこいらに自生している芋やバナナと取って食べる。暇だったらおしゃべりをする。夜になったらセックスをする。
ヤノマミの女児は破瓜を迎えると女になり、平均して14歳で子供を産む。妊娠期間10ヶ月を経て陣痛が来ると母親はジャングルの中に入り込み子を産む。へその緒が付いている段階では、生まれてきた赤ん坊は人間ではなく精霊であり、精霊を人間として育てるか精霊のまま大地へ返すかは、母親の一存で決められる。母親が精霊を大地へ返すと決めた場合、生まれてきた赤ん坊はへその緒が付いた状態のままバナナの葉っぱにくるまれ、そしてシロアリの蟻塚へ放り込まれる。シロアリが赤ん坊を食べ尽くした頃、その蟻塚を焼いて神に報告する。
文明との接触を持たない未開の部族ってのはテレビのドキュメンタリーでちょくちょく出てくるけど、実際には文明とまったく接触していない部族はほとんどなく、どこの部族だってなにがしか文明の利器を利用している。
ヤノマミ族はそうした未開の部族の中でも、文明との接触をかなり嫌っている部類に入る(みたい)。
そんな不思議なヤノマミ族の生き方を、1年にわたって取材した本書は、かなり出来のいいドキュメントだ。
だがしかし。ヤノマミ族の生活に特別な出来事がそれほど起こるわけでもなく、本書の後半になればなるほど、のんべんだらりとしたヤノマミ族レポートの様相を呈してしまっているので、読んでいて多少飽きるかな。まあこれはこれでしょうがないことなのでしょうが。
8点/10点満点
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