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2011/07/31

岩田健太郎「「患者様」が医療を壊す」感想。
エッセイ。2011年07月17日読了。

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「患者様」が医療を壊す

臨床医(患者の診療に関わる医者のこと)である著者が、今の日本医療の問題点とその解決案を示した本。
エッセイのような気楽さはないけれど、思想書というほど堅苦しくもない。

本書の内容を平たく言ってしまえば、医者と患者は対等なのではなく、医者の方が偉いのである。
患者を「患者様」と呼ぶのは間違っている。患者はせいぜい「患者さん」で良い。

なぜならば、医者は病気を抱えた患者を治すために働いているのであって、医者と患者の間に良好なコミュニケーションがある方が、病状が改善する場合が多い。

ところが診察時間が短いとか、待ち時間が長いとか、薬を飲んでも治らないとか、あれやこれやとケチつけられると、その患者を真剣に治す気力が失せる。医者だって人間ですから。

だから患者は、知人友人新聞雑誌ネットなどで聞きかじった生半可な知識を振りかざして医者の診察にケチをつけるのではなく、医者の方が医学に関しては患者より圧倒的に知識が上(医者が医師免許を取るまでにどれだけたくさんの勉強をしていると思っているのだろうか)、という当たり前のことをきちんと認識して欲しい。ということで最初に戻って、医者と患者は対等なのではなく、医者の方が偉いのである。

現実問題として信用できそうにない医者もたくさんいるけど、そういう医者にあたってしまったら病院を変えればいいじゃない。

他にもたくさんのことが書かれていますので、これだけじゃないけど、まあこんな感じの内容である。

日本には29万人くらいの医者がいるので、良い医者もいれば悪い医者もいる。けど一番多いのは普通の医者だろう。そういう普通の医者(と思われる)である著者の言葉に、ほっとする。


6点/10点満点


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2011/07/25

デイビッド・バットストーン「告発・現代の人身売買」感想。
ルポ。2011年07月15日読了。

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告発・現代の人身売買―奴隷にされる女性と子ども

今年初めての10点満点本。

本書を読むつもりのある方に言っておきます。本書を読み切るには、かなりの覚悟が必要です。不用意に読み始めてしまうと、信じがたい現実に打ちのめされるかも知れません。

◆本書で紹介されている人身売買の例

現代でも世界中の至るところで奴隷売買がされている。

アフリカの話である。
東南アジアの話である。
南米の話である。

ヨーロッパの話でもある。
アメリカの話でもある。

人身売買という言葉に多少なりとも関心のある方は、東南アジアや中南米に住む若い女性を、先進諸国や金持ち国の連中が騙して連れてくる話、と思うかも知れないが、本書には、

アメリカに住む白人が、アメリカ国内で奴隷として売買されている例

も載っている。

序章。サンフランシスコ大学教授の著者が、たびたび行くインドレストランの従業員が実は奴隷であった。レストラン店主の一族が、偽のビザと身分証明書を使い、何百人という子供をインドから密輸し、店主の所有する幾つもの店で働かせていた。

第1章。タイやカンボジアの貧しい農村から、口減らしのために親に売られて、家政婦として重労働を課され、体が成熟すると売春婦として監禁状態で働かされる少女の話と、そこから導き出される東南アジアの人身売買構造。

第2章。インドの貧しい農民を騙し、当座の生活費として金を貸す代し、その農民の家族親族を何人にも働き口を斡旋する工場主。しかし工場主は借金を盾に取り、農民一族を奴隷状態にする。一族の女はもちろん犯す。逃げたら、逃げなかった一族がどうなるかわからないぞ、と脅す。

第3章。ウガンダの農村部に「神の抵抗軍(LRA)」というのがいる。反政府ゲリラだったが政権奪取に失敗し、現在では気の狂った宗教団体なのか反政府ゲリラなのかよくわからない集団に成り果てている。LRAは無差別に農村を襲う。子供は捕らえる。大人は全員村の中央に集める。そして、捕らえたばかりの村の子供に「大人を殺せ」と命令する。やむにやまれず子供は大人を殴る。殺せない。しかし別の村で捕らえてきた子供が大人を殺す。こういうことを繰り返すことで、子供は帰る場所がなくなり、LRAに洗脳される。女の子はもちろん性奴隷になる。

第4章。モルドバ。旧ソ連のヨーロッパ最貧国。この国には「イタリアで働き口があるよ、ビザも用意してあげる」と仕事を斡旋する奴等がいる。良い噂は聞かないが、働き口が全くないモルドバの若者はこの仕事に応募する。若い女は、集団でイタリアに向かう。ルーマニアを経由しセルビアに着く。売春を強要させられる。断ることなど出来ない。セルビアで1ヶ月くらい売春すると、その後アルバニアへ向かう。アルバニアでは単に強姦される。アルバニアからイタリアへ密入国する。そしてヨーロッパ各地へ売られる。(この章の話は海外テレビドラマ「セックス・トラフィック」の下敷きになったのだろうか?と思えるくらいドラマと同じ話)

第5章。ペルーのストリートチルドレンが売春その他奴隷になっている話。

第6章。アメリカ人の白人女が洗脳のような感じで騙され売春させられている話や、教会の牧師がザンビアの農村から聖歌隊を呼び寄せチャリティーコンサートを開いていたが、ザンビアの聖歌隊には約束の金をほとんど払ってなく、事実上の奴隷だった話。


◆本書の内容

先に挙げた例は、実に細かなところまで取材されていて、圧倒的な現実感を感じる。

しかし本書は、ただ単に人身売買の事例を挙げているだけではなく、人身売買組織と闘う人たちがどうやって奴隷を救っているのか、を同時に書いている。(人身売買組織と闘っている人たちがいるから、詳細な手口がわかり、本書のようにまとめることが出来る)

強制的の売春婦にされた少女達に働く場を与えている人。
強制労働を見つけては起訴に持ち込む弁護士。
人身売買された女性を見つける度に救い出す神父。
子供兵の話を聞き心の平安を取り戻す手助けをしている女性。

そういう意味では、本書は救いのある本であるし、けれども救っても救ってもなくならない人身売買の多さに絶望する本でもある。

◆余談

本書では日本の事例は出ていないが、日本の人身売買も相当ひどいだろう。

日本で働いている東南アジアや南米出身の売春婦なんて、かなりの数が人身売買だろう。(自主的に違法滞在して売春やっている人たちも多いだろうが)

また、日本の農業研修制度で中国(などいろんな国)から農民を連れて来る制度がある。農水省が率先して斡旋している制度で、この研修農民に払う給料というのがけっこう安くて、国際的には政府が先導している人身売買といわれている。(いまのところ日本人も中国人もハッピーな場合が多いみたいだから問題になってないけど)

同様に造船業にはベトナムから研修生が来ているし(国交省が先導切っているんだったかな?)、厚労省はインドネシアから看護師を受け入れているし。


日本人が書いた同様の本では、以前、長谷川まり子「少女売買-インドに売られたネパールの少女たち」という本に10点満点を付けた。(この本は賛否両論が激しい)


まとまりのない感想になりましたが、この手の話に興味を持っている人は、本書「告発・現代の人身売買」は読むべき一冊です。


10点/10点満点


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2011/07/24

元凶≠現況。

大学の夏期スクーリング(1日4コマ×週6回×3週)に通い始めた。
想像以上に講義がつまらない。眠気を抑えるのに必死だ。困ったものだ。

それはそれとして、JALマイルが貯まりに貯まっているので(13万マイル突破)、アフリカのフランス語圏諸国に以降かと画策中。

そういう目論見もあり、大学ではフランス語初級講座を取っておりまする。

宿題として0-20までの数字をフランス語で言えるようになりなさい!

だけど教材のフランス語初級会話CDの完成度が低いので、それなりに聞き取りやすくするためにAdobe SoundboothでCDを編集。

Soundboothは直感で使えるソフトだったけど、何をやっているのだ。

宿題をやらなければ。

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2011/07/21

福田ますみ「暗殺国家ロシア」感想。
ロシアルポ。2011年07月12日読了。

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暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う

◆長い前置き(歴史的な経緯は相当端折ってます)

ロシアのコーカサス地方(カフカス地方ともいう)に、チェチェン共和国(首都グロズヌイ)というロシア連邦構成国家がある。地図で示すと以下になり、西(左)には2014年の冬季オリンピック開催都市ソチがある。ウラジカフカスは北オセチア共和国の首都で、相撲の幕内力士阿覧(および大麻問題でクビになった露鵬・白露山・若の鵬)の出身地でもある。どうでもいいうんちくだが。


大きな地図で見る

ソビエト連邦が雪崩を打ったように崩壊し、独立を果たした他の連邦国(カザフスタンとかグルジアとかのこと)と同様、1991年にチェチェンもドゥダエフ大統領(元ソ連軍少将)が独立宣言を出したが、ロシア政府はこれを拒否、1994年エリツィン大統領の指令により、ロシア軍とチェチェン軍による内戦に突入した。

ロシア政府が独立を拒否した理由は幾つもあるが、最も大きいのはカスピ海で取れる石油のパイプラインがチェチェンを通っているからだと言われている。

この内戦=第1次チェチェン紛争は1997年にいったん停戦するが、1999年にチェチェンの独立強硬派バサエフとハッターブが戦闘を再開させたため、ロシアのプーチン首相(当時)がチェチェン強硬派殲滅作戦を開始、第2次チェチェン紛争へと発展し、泥沼化した(この紛争中にプーチンは大統領に就任した)。


◆本書のバックボーン

ロシアの混乱にさほど興味がない先進諸国は、チェチェンゲリラがテロをやっていて、プーチンが制圧しているのだろう、という程度の認識しかなかったが、実態は非戦闘員を大勢巻き込んだ凄惨な紛争となっていた。

話は変わるが、ソ連崩壊のどさくさに紛れ大儲けした連中のことをオリガルヒという。

ソ連が崩壊する際、国営企業は全て民営化され、従業員には給料の代わりに株券が配られた。しかし共産主義体制下で生きてきたソ連人には株券の意味がわからなかった。オリガルヒ達は、株券の意味がわからないソ連人から、わずかの現金と引き替えに片っ端から株券を買い集めた。そういう経緯でできた会社がガスプロムであり、シブネフチである。(オリガルヒのこの手口は大前研一「ロシア・ショック」に書かれていた)
※ガスプロムは一時期マイクロソフトより時価総額の高い会社だった。現ロシア大統領メドベージェフは元会長。プーチンが設立に関与したとの話もある。
※シブネフチはイングランドプレミアリーグ(サッカー)チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモビッチが持っていた会社。

オリガルヒ達はまさしくボロ儲けし、個人資産1000億円を超える億万長者が大勢誕生した。そのオリガルヒ達は、マスメディアを持つようになった。マスメディアを使って宣伝広告したり、ライバルを蹴落とす記事を書かせたり、自社に不都合な記事を書かせないために。


話を戻す。ソ連からロシアになり、共産主義から資本主義に変わり、いったんは言論の自由が芽生えたロシアだったが、プーチンはテレビや新聞などのマスメディアをじわじわ封じ込め、言論弾圧を行っていた。

オリガルヒ達は、金儲けをする過程で多かれ少なかれ違法なことをしでかしている(脱税だったり脅迫だったり暴力だったり)。プーチンはそこを突き、マスメディアを手放せば違法は見逃す、手放さないのなら逮捕する、という手段を取った。オリガルヒ達はだんだんとマスメディアを手放し、手放されたマスメディアは国営化、もしくは準国営化されていき、政府御用達の御用メディアへと転落しいていった。


◆本書について

プーチンの言論弾圧により、チェチェン紛争の凄惨さを伝えるマスメディアはほとんどなくなっていた。しかし、「ノーバヤガゼータ」という新聞だけは、プーチンに屈しなかった。

第2次チェチェン紛争の凄惨な実態を暴いたアンナ・ポリトコフスカヤというジャーナリストがいる。「ノーバヤガゼータ」の記者である彼女は、命の危険を顧みず、たびたびチェチェンに取材に行き凄惨な戦場をレポートしていた。いつまでも凄惨な状況ばかり書いているアンナ・ポリトコフスカヤの記事は、モスクワに住むロシア人も辟易するほどだった。しかし、その記事は徐々に先進諸国の目に止まり、チェチェンが大変なことになっていることを世界に知らしめた。

「ノーバヤガゼータ」の記者および協力者は、今までに6人も殺されている。

(たぶん)プーチンにとって目障りだからだ。

アンナ・ポリトコフスカヤも、自宅のエレベーター前で射殺されている。

同僚が殺されているのに、なぜ「ノーバヤガゼータ」の記者達は取材を続けるのか。なぜ逃げ出さないのか。なにが「ノーバヤガゼータ」の記者を突き動かしているのか。

ロシアのマスメディアはなぜ腐っていったのか。

本書は、「ノーバヤガゼータ」の生き残っている記者へのインタビューを元に、ロシアの現状を深くえぐっている。ロシアに詳しくない人が本書を読んでも、現在のロシアが抱える深い闇を理解できる内容となっている。とても良い本である。

ちなみに「ノーバヤガゼータ」は未だ潰れていないし、言論弾圧にも屈していない。

その理由は、「ロシアには言論の自由がある」実例として、ロシア政府が「ノーバヤガゼータ」を利用しているからと言われている。

アンナ・ポリトコフスカヤの著作「チェチェン やめられない戦争」「プーチニズム」「ロシアン・ダイアリー」は邦訳もあり、いずれも名著とされている。他にもアレクサンドル・リトビネンコの「ロシア 闇の戦争」、アレックス・ゴールドファーブ「リトビネンコ暗殺」なども良書と言われている。私は全部持っているのだが、出だしを読んだだけで、5冊とも積ん読である。買ったときはチェチェンにすごく興味があったが、興味の対象が他に移ってしまったからなのだが、本書「暗殺国家ロシア」を読み、この5冊を今年中に読もうと決意したのである。

他、日本人が書いたチェチェン本で私が読んだものでは、
林克明「岩波フォトドキュメンタリー チェチェン 屈せざる人々」
横村出「チェチェンの呪縛」
常岡浩介「ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記」
などはどれも良書である。


9点/10点満点


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過去のアクセス数(備忘録)

当ブログは、ときどき(当ブログにしては)莫大なアクセスがあります。
お読み下さっている皆様に感謝です。

当ブログの過去最高記録
2007年7月31日(火) ユニークユーザー数893 アクセス数900
※ココログのエラーっぽい気がする数値。

2010年7月11日(日) ユニークユーザー数68 アクセス数459
※数名の方が古い記事も読んでくれたんですね。

2010年8月16日(月) ユニークユーザー数259 アクセス数580
2010年8月20日(金) ユニークユーザー数134 アクセス数472
2010年9月4日(土) ユニークユーザー数125 アクセス数570
2011年1月16日(日) ユニークユーザー数300 アクセス数444
2011年4月8日(金) ユニークユーザー数175 アクセス数385

2011年7月8日(金) ユニークユーザー数301 アクセス数432
※ベトナムから帰化した医師・武永賢氏でアクセスが伸びる(検索キーワードがめちゃくちゃ多かった)。TVで取り上げられたのかな?

2011年7月20日(水) ユニークユーザー数330 アクセス数377
※ユニークユーザー数が近年最高。なんでだ?ちなみに武永氏ではない。

これ書いている2011/7/20から過去4ヶ月の平均は、ユニークユーザー数101 アクセス数170
一日のユニークユーザー数が200超えると「何だ?何があった?」と思ってしまうのです。

それにしても最近ココログが重い。

追記8/9
2011年8月8日(月) ユニークユーザー数174 アクセス数516
※最多検索キーワードは「日本人のためのアフリカ入門」の4件。

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2011/07/18

青山潤「うなドン 南の楽園にょろり旅」感想。
爆笑学究紀行エッセイ。2011年07月04日読了。

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うなドン―南の楽園にょろり旅

東大海洋研究所「ウナギグループ」の一員である青山潤氏が、世界で18種類しかいないウナギを全種類捕獲するため、アフリカのマラウィ、モザンビーク、ジンバブウェでウナギを探すべく奔走する爆笑ドタバタ紀行エッセイ「アフリカにょろり旅」。このエッセイは第23回講談社エッセイ賞を受賞しているので、誰もが認める爆笑エッセイである。

本書は、その続編にあたる作品で、

第1章はインドネシアのバリ島、ジャワ島、スマトラ島、
第2章はフランス領のタヒチ、
第3章は海賊が跋扈するマラッカ海峡
(注:正確には本書は章立てになっていない)

でウナギを探す爆笑ドタバタ紀行エッセイである。

なんといってもタヒチでウナギ探しである。

学術探究のためとはいえ、何の因果でビーチリゾートに行ってウナギを探さなければならないんだ!という著者の葛藤が面白おかしく書かれている。

著者のデビュー作である前作より、文章や話の盛り方が熟(こな)れてきた分、前作より面白く読めた。

次の作品は、ウナギ以外の爆笑ドタバタ紀行エッセイを期待したい。


7点/10点満点


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2011/07/15

浅井宏純「アフリカ大陸一周ツアー」感想。
紀行エッセイ。2011年07月02日読了。

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アフリカ大陸一周ツアー―大型トラックバスで26カ国を行く

私はJALマイルを貯めている関係で、本はほとんど紀伊國屋bookWebで買っています

で、私は「ぴあ」の株を所有しています。ぴあの株を持っていると(諸条件はありますが)毎年5000円分の図書カードを株主優待でもらえます。ちなみにぴあの株は(今なら)8万円くらいで買えます。

今年もそういう時期になりまして、自宅に5000円分の図書カードがやってきました。さて何買おうかな、と本屋に行ったら本書「アフリカ大陸一周ツアー―大型トラックバスで26カ国を行く」がありました。

アフリカ諸国を4WDトラックを乗用に改造したバスで縦断するツアーというのは、テレビでも何度か取り上げられ、アフリカ好きにはそこそこ有名な旅行方法です。よく聞くのはエジプトから南アフリカまで8~12カ国を半年くらいかけて縦断するルートで、費用は飯代込みで50万円くらい(ビザは自分で取る・飯は自炊・宿は全泊テント)。

本書もそういうツアーを利用して旅した旅行記なのだろうと察しはついたのですが、26カ国を10ヶ月で行ったという内容にちょっと驚きました。

モロッコ→(西サハラ→)モーリタニア→マリ→ブルキナファソ→ガーナ→(トーゴ→)ベナン→ナイジェリア→カメルーン→ガボン→ブラザビルコンゴ→キンシャサコンゴ→アンゴラ→ナミビア→南アフリカ→ボツワナ→ジンバブウェ→マラウィ→タンザニア→ケニア→ウガンダ→ルワンダ→エチオピア→スーダン→エジプト(目次を拾うと24カ国。目次に載っていない西サハラとトーゴを加えると26カ国)

おお!すごいじゃん。

こりゃー買いだ。買って読まねば。(どうせ「ぴあ」から貰った図書カードで買うんだし)


1955年生まれで留学コンサルタントの著者=英語ぺらぺらっぽい=は、2009年に意を決して55歳にしてアフリカ縦断トラックバスツアーに参加。そのツアーで感じた生のアフリカを、余すところなく書き表したのが本書。

なんだけどー。

この著者、底浅い。

留学コンサルタントをしていたわりには、海外に関する知識がなさ過ぎ。
それと、紀行エッセイを書こうとしているわりには、他の優秀な紀行エッセイを知らなさ過ぎ。
いい歳こいてんだからさ、もっと勉強してから本書けよ。
まあこれは出版させる幻冬舎にも問題ありなんだけど。


◆187ページ
日本がアフリカをはじめとする発展途上国への援助資金を豊富に出していることに関して、結果的にその資金が腐敗した発展途上国の政府高官の懐に入っていることを南アフリカ出身の20代の若者から教えられ、「日本国民の税金はこんなところで無駄になっているのかもしれない」などと書いている。

あのね。
日本は武力で世界平和に貢献できないから(自衛隊の海外派兵は禁止されている)、金という武器で外交を行っているのよ。もっともっと勉強しようね、留学コンサルタントさん。


◆同じく187ページ、マラウィでの話
高校生二人組が、「昔、この近くでウナギを探している日本人がいた」など、わけのわからないことを言いながら、しつこくつきまとう。

あのね。
マラウィでウナギを探す日本人ってのは、東大でウナギ研究をしている青山潤氏のことで、「アフリカにょろり旅」という第23回講談社エッセイ賞受賞した作品にその詳細が記されている。マラウィでウナギを探している日本人の事なんて「マラウィ ウナギ」で検索したらすぐに出てくるのに、著者は本書を書くにあたってそういう調べ事すらしていないんだな。


◆222ページ、ルワンダの話
ツチ族の男性(虐殺された方)に話を聞いた
「家族はみんな殺された。でも、国外脱出し、難民として生き延びたツチ族も戻ってきたので、今、この国の10人に一人はツチ族だ。副大統領もツチ族だ」

あのね。
現ルワンダ大統領(ポール・カガメ)がツチ族なんですけど。
なんでそんなことすら調べないの?
お前、バカ?


◆232ページ
サブサハラあたりから、意外にもアフリカと中国とは関係が深いのだとわかってきた。

あのね。
中国が積極的にアフリカ諸国に投資しているのは海外事業を展開しているビジネスマンの間じゃ周知の事実で、知らないのはあんたが単なる無知なだけで、意外でもなんでもないんだよ。

もういいや。


この著者は日本人でもビザ取るのが面倒と評判のアンゴラやスーダンに行っているんだけど、どうやってビザを取ったのかは不明。アフリカ諸国の旅行ガイド本としては全く役に立たない。


何だかねえ。すごく中途半端な本だ。

どういう読者を対象にしているのかよくわからない。


4点/10点満点


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2011/07/14

イケイケ

69社目にしてようやく書類選考通過。
渋谷にあるイケイケIT企業の面接に行ってきた。

電話で「明日面接したいけど来られますか」といきなり言われて、「OKっす」と返事。

で行ってみたら
エントリーシート書け(書くのはいいんだけど職種が違うんですけど)、
筆記試験やれ、
PCのタイピングテストやれ。

面接じゃなかったの?

うーん、いつまで待つんだろか。
ヒマだヒマだ、しかもエアコン効いてなくて暑いぞ。
とかイライラしながら待っていた。

で、ようやく面接となったんだけど、
「自己PRをどうぞ」
「前の会社を辞めた理由は?」
「以上で面接終わりです」

あらまあそうなんだ。エントリーシートに適当なこと書きすぎたかな。

それにしても今どきのイケイケ企業って傲慢なんだね。
私の感覚からすると信じられないくらい傲慢。
不況の今はこんなものなのかな。

今の大学生はこういう傲慢な企業ばっかり相手にしているのだろうな。
そりゃ就活ノイローゼになる輩も出てくるよ。

さて、私はどうしましょう。
貯金が底を尽きるまであと1年くらい。

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2011/07/08

アクセスカウンター15万突破に感謝。

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トップに設置している忍者Toolsアクセスカウンターが15万を突破しました。
最近ろくに更新していないのに(読書してないから)、お読み下さっている皆様に感謝です。

2005年12月15日 ブログ始める
2006年11月23日 アクセス01万突破 (344日) 一日平均 29
2007年10月09日 アクセス02万突破 (321日) 一日平均 31
2008年06月21日 アクセス03万突破 (255日) 一日平均 39
2009年01月19日 アクセス04万突破 (212日) 一日平均 47
2009年05月28日 アクセス05万突破 (129日) 一日平均 77
2009年09月06日 アクセス06万突破 (101日) 一日平均 99 この年の11月に世界一周開始
2010年01月06日 アクセス07万突破 (122日) 一日平均 82
2010年02月22日 アクセス08万突破 ( 47日) 一日平均212
2010年04月27日 アクセス09万突破 ( 65日) 一日平均154 この年の5月末に世界一周終了
2010年07月01日 アクセス10万突破 ( 65日) 一日平均154
2010年09月02日 アクセス11万突破 ( 62日) 一日平均161
2010年11月21日 アクセス12万突破 ( 80日) 一日平均125
2011年02月01日 アクセス13万突破 ( 72日) 一日平均139
2011年04月26日 アクセス14万突破 ( 86日) 一日平均116
2011年07月08日 アクセス15万突破 ( 73日) 一日平均137


無職の私は毎日のように応募を繰り返すも現在68社連続書類不採用(今年だけで51社連続)。
世の中厳しいですな。

さて今夜はこれから飲みだ。

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2011/07/07

高野秀行「イスラム飲酒紀行」感想。
紀行エッセイ。2011年06月30日読了。

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イスラム飲酒紀行


辺境大好き高野秀行の最新単行本であります。
本作はイスラムの国々で酒を飲む話であります。

カタール、パキスタン、アフガニスタン、チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ、シリア、ソマリランド、バングラデシュというイスラム国家で、酒を求めて彷徨う話が満載です。


……とは言ってもなあ。トルコやマレーシアやチュニジアやシリアってのは普通に酒が飲める国だからなあ。それほど面白いエピソードになるのかなあ。

と思っていたのだが、これが予想以上に面白エピソードが満載なのである。

なんといってもイランの話がすごい。

イランと言えばホメイニ氏がイスラム革命を起こし、宗教上の最高指導者が国の最高権力者という、傍から見たらがちがちのイスラム国家である。そんな国で酒が飲めるのか?と思うのであるが、約1年前にインドのデリー空港で出会った日本語を喋れるイラン人も「イランでも酒は手に入るよ」と言っていたので、高野秀行もイランで酒を手に入れることに成功するのだろうと予想しながら読んだのだが、ちょっと予想を超えていた。


出たばかりの新刊なので、細かな内容は書かないけど、

うん、本書は面白かった。


8点/10点満点


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2011/07/06

久繁哲之介「地域再生の罠」感想。
地方再建論。2011年06月24日読了。

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地域再生の罠―なぜ市民と地方は豊かになれないのか?

あー、シャレにならねえ。

ココログのバカ仕様で、1時間かけて書いた本エントリーを保存しようとしたらエラーが出てぶっ飛んだ。
はぁぁー。ココログ死ね。


※※書き直した本書の感想※※


「地域再生」という名目の地方活性化を地方自治体が実施するが、実態は失敗だらけ。でも地方自治体は責任問題に発展するのを避けるため、実態を隠し成功事例として発表する。

その偽りの「成功事例」を参考にして、別の地方都市が「地域再生」を行うが、元々の「成功事例」が的外れな政策なので、真似した別の地方都市も実質失敗に陥る。

これが日本中の至る所(地方都市)で繰り返されている光景。
著者は幾つもの事例を紹介し、その本質に迫る。

・109を誘致したのはいいけど、店員がダサくて、ビルの目の前に八百屋があって、雰囲気ぶちこわしで、それで4年で109が撤退してしまった宇都宮市

・商店街再生で成功事例だった松江市を著者が見に行くと、人っ子一人歩いていない寂れた商店街だった。松江市職員は「月一回のイベントの時は大勢人が来ます」と言い、島根県職員は「アレが成功事例?冗談でしょ。普段は閑古鳥だよ、松江市の商店街は車の抜け道で危ないよ」と言う

・小樽のような観光都市を目指したけど実質的に大失敗している長野市の「ぱてぃお大門」

・コンパクトシティを目指し市の中心部に箱物をいっぱい作ったのに、市の中心部へ行く交通機関である路面電車を廃止して、人が寄りつかなくなってしまった岐阜市


などなど、などなど。いっぱい事例が載っているので、著者が指摘したい問題点がすごくよくわかる良い本である。

ただなんだろう、著者には田舎の都市に住む人の気持ちがわかっていないんだろうな、という感じがする。

私の故郷は北海道苫小牧市の近隣なのだけれども、苫小牧市というのは北海道でも珍しく1970年くらいからずっと人口増加を続けている自治体で(市町村大合併はしていない)、でも駅ビルはほぼ全てのテナントが撤退して廃墟となっていて、駅前はすごく寂れているんだけれども、マイカーでの買い物に便利な立地にはいろんな商業施設が建っていて、ここには苫小牧市民だけじゃなく近隣市町村からの買い物客もどんどんやってくる。客が来るから街は勝手に発展する。帰京する度に街並みが変わっている。帰郷する度に便利になっている。

でもこれは著者がいうところの「大型ショッピングモールを誘致するだけでグランドデザインがない都市」に近い発展の仕方なんだけれども、グランドデザインがあろうがなかろうが住民は関係ない。住民は便利であればそれでいいのだ。

この辺の感覚が著者にあるのかないのかがわからない。
著者は都会に住んで都会から田舎を見ているだけの人なのか、もともと田舎者で田舎の発展という事を実感として捉えて書いているのか、そこがわからないから、ちょっと内容に悩む本である。

面白かったと言えるんですけどね。


※ちなみに本書は大学の夏期スクーリングの指定教本なので読みました。そうじゃなければ私的にはまったく興味のないジャンルの本です。まあ私的に新しいジャンルを開拓できたといえばその通りなんですが。


6点/10点満点


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2011/07/05

船戸与一「大地の牙 満州国演義6」感想。
歴史冒険小説。2011年06月11日読了。

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大地の牙―満州国演義〈6〉

外務省に勤務し、満州へ赴任する敷島太郎。
はぐれ者として、満州で人殺し稼業をする敷島次郎。
陸軍憲兵大尉として満州へ赴任する敷島三郎。
演劇にのめり込みなし崩し的に満州で働くことになった敷島四郎。

敷島四兄弟が否応なしに満州に、第二次世界大戦に巻き込まれる話の第6巻。
第5巻を読んだのは2009年3月2日なので、2年以上ぶりに読んだ新作。

しかし、間が空きすぎて主要登場人物以外、誰が誰だったかよく覚えていない。

読者無視。登場人物一覧くらい巻頭に載せておけ。バカ新潮社。2100円もする本を買って読んでいる読者を舐めるな。


6点/10点満点


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